取引銘柄Lineup

東京灯油

「灯油」の分析ポイント

米国時間毎週水曜日に発表される米エネルギー情報局(EIA)の「ヒーティングオイル」週間在庫統計が、事前予想に反する(超える)結果となった場合、国内の「灯油」価格にも影響されますので注意が必要です。

発表項目 日付
(現地時間)
EIA週間在庫統計 原則毎週水曜日

「灯油」価格について

「灯油」価格にとっての最大の変動要因は、原料である「原油」の価格です。
従って、「東京灯油」の価格も、原料となる「中東産原油」の価格、ひいては「中東産原油」価格に影響を及ぼす「NY原油」先物価格に似た動きになるものと考えられます。
また「原油」は輸入に依存しているため、「東京灯油」価格は為替レートの変動にも影響されます。
「NY原油」と「東京灯油」の価格は、為替の動きを介して密接な関係にあります。
ただ、「原油」が輸入され、「灯油」など石油製品への精製を経て国内で販売されるまでには1~2ヵ月かかることや、「灯油」の需要が季節によって大きく変動することなどにも注意が必要です。

理論価格の算出方法

米国産原油である「NY原油」と、「東京原油」の価格基準となる「中東産原油」は、取引通貨・単位が異なるだけでなく、品質(「ガソリン」や「灯油」など、それぞれの石油製品が分離される割合)や生産高も異なる商品です。 また、「連産品」としての特質から各石油製品の個別原価は算定困難であり、参考となる「石油製品採算(石油製品全体の総合原価)」には、他の国際商品の「理論価格」とは異なる意味合いがあると言えます。 なお、「石油製品採算」の計算式では【ドバイ原油価格は常に一定の比率でNY原油より割安】と仮定しています。

(「NY原油」価格×0.846+1.05)×為替レート[ドル/円・円換算]×6.29+2040円+3000円+6000円

※「NY原油価格(ドル/バレル単位)」を「格下」の「ドバイ原油」価格に換算し、船賃などを追加して円/キロリットル単位に換算したものに、石油税・精製費・販売管理費を追加します。

NY原油 東京原油・灯油
米ドル建て 日本円建て
1バレル(bbl)
=0.159kl
1キロリットル(kl)
ドル/bbl 円/kl
※NY Hオイル<米ドル建て>
1ガロン(gal)=3.78リットル、セント/gal

関連キーワード解説

元売

「石油生産設備(製油所)と石油販売活動の両方を行なう会社」を意味します。新日本石油・出光興産・新日鉱ホールディングス(ジャパンエナジー)が民族系元売、エクソンモービル・昭和シェル・コスモが外資系元売と呼ばれます。

業転市場

「業者間転売市場」の略。元売が余剰玉を自社販売ルートの外で転売する市場を指します。一般的に、元売・商社・大手業者間で取引される「海上バージ市場」、元売りが系列外に卸す「陸上ローリー市場」があります。

ヒーティングオイル

北米で使用される暖房油。中間留分からなる混合油で、日本の灯油とは成分が異なります。日本の直火型と比べ、ボイラーで湯を沸かし、部屋にパイプで供給する循環型が主流のため、軽油やA重油が多いとされます。

「灯油」の基礎知識

「灯油」は、「ガソリン」と同じく原油から生成される石油製品の1つで、製油所で常圧蒸留装置により原油から留分され、沸点の違いにより「ガソリン(約20~30%)」や「灯油(約10~15%)」などに大別されます。
「灯油」は、そのほとんどが暖房用燃料として使用されます。家庭用エネルギーとして、電気・都市ガスとカロリー当りの単価で比較すると、「灯油」を100とした場合、都市ガスは356、電気は578となり、「灯油」は最も経済的なエネルギーであると言えます。
また、日本で生成される「灯油」は、硫黄分などの有害物質の含有量が少なく、燃焼効率が良いなど世界でもトップクラスの品質を維持しています。

「灯油」の供給

「灯油」は、原油から生成される石油製品の1つで、「灯油」の供給量は、原油供給量の影響を受けます。また、「灯油」と「ガソリン」は原油から同時に生成されるため、生成後すぐに消費される「ガソリン」の生産量が、備蓄の効く「灯油」生産の量にも影響を与えます。
2007年度の国内灯油生産量は約2,300万キロリットルとなっています。生産が需要に追いつかない時期などには、韓国を中心にしたアジアから輸入されます。年間輸入量は約33万キロリットル(2007年)と国内生産量の約1%程度です。ただし、年間輸入量は年により大きく変動する傾向があります。

「灯油」の需要

「灯油」の国内消費は冬場に集中するため、需要期は11月~翌年の2月とされています。「灯油」は、冬季の暖房用燃料(ヒーターやストーブ用)であることから、需要期の天候状況や気温の変化に大きな影響を受けます。また、冬季の灯油使用量は、夏季の約5倍にのぼります。冬季の平均気温が1度異なれば、100~200万キロリットルの消費の増減があると言われています。

世界の「灯油」市場

「灯油(ヒーティングオイル)」が上場されている先物市場は、NYマーカンタイル取引所(NYMEX)、東京商品取引所、大阪堂島商品取引所です。その中でもNY市場は、オイルメジャー、産油国の石油会社、商社、石油元売会社、ファンド、一般投資家など幅広い参加者が価格決定に参加しており、最も透明性の高い市場と言われています。ただし、日本の「灯油」と米国の「ヒーティングオイル」は、その規格が異なりますので注意が必要です。
この他、シンガポールでは石油製品の需要家らが現物取引(OTC=店頭市場での、業者間の現物スポット取引)を行っています。 現在、NYマーカンタイル取引所(NYMEX)の「暖房油(ヒーティングオイル)」が世界最大の先物市場となっています。