朝刊:2018/12/17

ダウ500ドル近くの大幅反落。ゴールド、原油も続落。景気減速懸念が本格的になるのか?

NY為替

14日のニューヨーク外国為替市場でユーロ・ドルは続落。終値は1.1306ドルと前日NY終値(1.1361ドル)と比べて0.0055ドル程度のユーロ安水準だった。欧州時間に発表された12月のユーロ圏製造業・サービス部門PMI速報値が悪化し、予想を下回ったことで景気減速を警戒したユーロ売りが優勢となった。米商務省が発表した11月米小売売上高は市場の予想通りとなったが、前月の数値が上方修正されたことが分かると若干ドル買いで反応。23時前に一時1.1270ドルと11月28日以来の安値を付けた。ただ、同日安値1.1267ドルがサポートとして意識されると下げ渋る展開。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り1.13ドル台前半まで下値を切り上げた。欧州連合(EU)首脳はこの日、将来的な危機を回避するためにユーロ圏の統合深化に向け歩を進めることで合意したものの、ユーロ圏共通予算や預金保険制度などの重要事項を巡る見解の相違は埋められなかった。ドル・円は反落。終値は113.39円と前日NY終値(113.63円)と比べて24銭程度のドル安水準だった。ユーロやポンドに対してドル高が進んだ影響を受けて23時過ぎに一時113.67円と日通し高値を付けたものの、前日の高値113.71円が目先レジスタンスとして意識されると失速。12月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことも上値を抑えた要因。この日発表の中国や欧州の経済指標が弱い内容となったことで、世界的な景気減速への警戒が高まり、ダウ平均が一時560ドル超下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。5時前に一時113.22円と日通し安値を付けた。もっとも、前日の安値113.21円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ユーロ・円は3営業日ぶりに反落。終値は128.19円と前日NY終値(129.06円)と比べて87銭程度のユーロ安水準。世界的な景気減速懸念から米国株相場が大幅に下落。投資家がリスク・オフの動きを強め円買い・ユーロ売りが優勢となった。5時前に一時127.99円と日通し安値を付けた。投資家・投機家筋のポジションで円売り持ち高は前週から減少した。来週は主要各国中央銀行の金融政策に注目が集まる。また、米国政府機関閉鎖の可能性や英国の欧州連合(EU)離脱の行方にも引き続き注視が必要。労働市場のひっ迫やインフレの安定で、米連邦準備制度理事会(FRB)は今年最後のFOMCで4回目の利上げに踏み切る見込み。しかし、声明や会合後に予定されているパウエルFRB議長の会見、スタッフ見通しで、景気やインフレの判断または見通し、金利見通しが引き下げられるハト派的利上げを織り込む動きが主導すると見る。前回9月時点のFOMC予測でメンバーは2019年3回の利上げを予想していた。トランプ大統領が実施した財政刺激、減税策の景気への効果が弱まり成長減速が警戒されている。一方で、消費は予想以上に堅調。米国経済の7割が個人消費で占めるため注目されていた米11月小売売上高は予想を上回った。特にGDP算出に用いられるコントロールグループ(自動車・建材・給油・食品を除いた小売り)は予想のほぼ2倍となり、10?12月期GDP成長を押し上げる可能性が出てきた。市場エコノミストによる平均成長見通しは0.2%引き上げられ3.0%。アトランタ連銀は予想を従来の2.4%から3.0%へ引き上げた。エコノミストは2019年1?3月期は2.4%成長を予想。金融危機以降、1年を通じて、1?3月期が最も低調な成長にとどまる傾向にある。さらに、21日には米国予算案の期限がくる。メキシコ国境の壁建設資金を巡り、共和党と民主党の意見が依然食い違っている。民主党指導者は建設費用の50億ドル資金の供給を支持しないとする一方、トランプ大統領は国民の安全を守るため、政府機関閉鎖も辞さない断固とした方針を表明している。英国では離脱の行方が依然不透明。英国議会、欧州連合(EU)の両者とも離脱協定において、譲歩の姿勢を見せず、信任投票で生き残ったもののメイ首相は引き続き困難に直面。離脱協定への不透明感がポンドの売り圧力となる。日本銀行、英国中央銀行とも金融政策を現状で据え置くと見られている。

NYダウ

14日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が3日ぶりに反落し、前日比496ドル87セント(2%)安の2万4100ドル51セントで終えた。中国と欧州で発表された経済指標が景気減速を示す内容となり、投資家は株式などリスク資産に資金を振り向けにくくなった。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、様子見ムードも強く、買い手不在のなか、持ち高調整の売りに押された。米国株相場はアジアと欧州の株安を受けて、朝方から売り優勢で始まった。14日発表の中国の11月の小売売上高の伸びは15年半ぶりの低水準にとどまった。欧州では景気の先行指標とされるユーロ圏の12月のPMI(購買担当者景気指数)で製造業とサービス業の景況感を示す「合成指数」は約4年ぶりの低さとなり、市場予想も下回った。世界景気の先行きに警戒感が強まり、投資家はリスク回避に動いた。ダウ平均は、取引終了にかけて下げが加速し下げ幅は一時、550ドルを超えた。長期投資家が様子見姿勢を強めるなか、短期筋の仕掛け的な動きで、相場が左右されやすい。18~19日のFOMCでは19年以降の米連邦準備理事会(FRB)の利上げ姿勢が明らかになるため持ち高を一方向に傾けにくい。セクター別では電気通信サービスを除いて全面安となり、特に医薬品・バイオテクノロジーや食品・生活必需品小売の下落が目立った。シカゴ日経225先物清算値は大阪比75円安の21225円。中国や欧州の経済指標が悪化し、世界景気の減速懸念から米株式とともに売られた。14日発表の中国の11月の小売売上高の伸びが15年半ぶりの低水準だったほか、ユーロ圏の12月のPMI(購買担当者景気指数)が低迷した。3月物の安値は2万1180円、高値は2万1690円だった。

NY貴金属

ニューヨーク金は続落。銀は反落。終値の前日比は、金が6.2~5.7ドル安、中心限月の2月限が6.0ドル安、銀が22.2~21.5セント安、中心限月の3月限が21.8セント安。金2月限は続落。米株式市場の軟調さや中国経済指標が弱かったことを背景にリスク回避のドル高に振れ、ドルの代替資産である金は売られた。世界的な景気後退が警戒され、最終的な資金の逃避先である金が買われるような展開にはなっていない。ただ、株安で投資家心理が悪化し、実物資産の裏付けがあり安全資産とされる金先物がやや持ち直す場面もあった。11月の中国小売売上高の伸びは前年比+8.1%と、2003年以来の低水準まで失速しており、米中貿易戦争による不透明感が強まった。11月の鉱工業生産指数は前年比+5.4%まで鈍化しており、景気減速が鮮明となっている。米ドルが世界共通通貨として好まれることから、ゴールドの本格的な買いには繋がっていない。

NY原油

ニューヨーク原油は反落。WTIで期近の2019年1月物は前日比1.38ドル安の1バレル51.20ドルで取引を終えた。14日までに発表された中国の11月の経済統計で景気減速が鮮明になり、原油需要落ち込みへの警戒感が広がった。米株安やドル高も原油先物の売りにつながった。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が1.38~1.36ドル安。その他の限月は1.31~0.43ドル安。小売売上高や鉱工業生産など中国経済指標の伸びが一段と鈍化しており、世界的な景気減速の進展と石油需要の下振れが警戒された。中国は米国に次ぐ石油の消費国であり、世界最大の原油の輸入国。景気減速は石油の需要見通しを悪化させる。また、米市場ではダウ工業株30種平均が大幅に下げた。リスク資産と位置づけられる原油先物にも売り圧力がかかった。中国小売売上高の伸びは2003年以来の低水準まで失速しており、米中貿易戦争による不透明感が強まった。11月の中国の石油精製量が前月比で減少したことも不安感を煽った。ただ、前年比では2.9%増だった。

シカゴコーン・大豆

コーンは期近は小反発。終値の前営業日は0.50セント安~1.25セント高。中心限月の3月限は0.50セント高の384.75セント。大豆は総じて続落。終値の前営業日比は6.75~4.25セント安。中心限月の1月限は6.50セント安の900.50セント。米中間の通商問題に進展が見られるなか、中国が米国産コーンの輸入を開始するのではないか、との思惑が広がり買われた。ただ、3月限の取引レンジは引き続き380.00セント~388.00セントという今月3日以来の水準にとどまり、上げ幅は限られた。


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