夕刊:2019/05/14

日経平均7日続落

為替

14日の東京市場でドル・円は上昇。欧米株式先物の上昇で今晩の株高が観測され、前日までのリスク回避的な円買いは弱まりドルを押し上げた。午前の東京市場でドル・円は109円前半で推移していたが、トランプ米大統領が米中協議に関して楽観的な見方を示し、欧米株式先物が反発。大幅安となっていた日本株も下げ幅を縮小し、過度な警戒による円買いは弱まった。中国株もマイナス圏で推移しており、株安を嫌気した円買いは根強いようだ。午後の日経平均株価が110円超安まで下げ幅を縮めるなど午前からの株価買い戻しの流れが続いたことで、ドル・円もつれて109円71銭と本日高値を付けた。一方、同水準はこれまでサポートとして意識されていた3月25日安値であることから、戻り売りの動きも見られたため上値は限られている。ただ、欧米株高観測が続けば、円買いはさらに後退するだろう。ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円15銭~109円71銭、ユーロ・円は122円58銭~123円32銭、ユーロ・ドルは1.1220ドル~1.1242ドルで推移した。昨日終盤のニューヨーク外為市場では、中国人民元が対ドルで下落し、昨年12月以来の安値となった。米中貿易摩擦の激化が背景。中国は13日、米国からの600億ドル相当の輸入品に対する追加関税を最大25%に引き上げる方針を発表した。米政府が10日に発表した対中関税引き上げに対する報復措置で、米中貿易摩擦は一層エスカレートする様相を呈している。人民元は6.92元と昨年12月24日以来の安値を付けた。7元への急落を防ぐため中国当局が介入するとみられている。また米中間の緊張感の高まりを受け、中国による米債売却の懸念が浮上。これによりドルは円やスイスフランなど安全通貨に対して下落した。対ユーロでも一時下落したが、その後、ほぼ変わらずまで値を戻した。米国国債価格が上昇し、利回りは6週間ぶりの水準に低下した。中国が対米報復関税を発表したことを受け、貿易摩擦激化への懸念からリスク選好が後退。安全とみられる国債への買いが膨らんだ。CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む年内の利下げ確率は70%となった。10年債利回りは5.2ベーシスポイント低下し2.4033%。一時2.389%と3月28日以来の低水準を付けたほか、3カ月物財務省短期証券(Tビル)利回りも下回った。こうした長期債利回りが短期債より低くなる逆イールドは長期化した場合、景気後退(リセッション)の前触れと考えられる。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドらが米国債のショートポジションを買い戻しており、こうした動きも期間が長めの国債買いにつながったとみられる。

株式(日経平均)

14日の東京株式市場で日経平均株価は7日続落して引けた。前週末比124円05銭(0.72%)安い21067円23銭で引けた。(高値21077円48銭-安値20751円45銭)TOPIX:1534.98 -6.16 0.40%安、マザーズ:872.71 -17.42 1.96%安。東証1部の売買代金は2兆8526億円、出来高は17億3388万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は931、値下がり銘柄数は1139、変わらず70銘柄。中国が対米報復関税措置を発表したことで、前日の米国株が急落。リスク回避の流れが東京市場にも波及し、朝方は全面安の展開となった。節目の21000円を割り込み一時400円超安となったが、トランプ米大統領が中国との貿易問題の解決に楽観的な見方を示したと伝わると、海外短期筋から先物に買い戻しが入った。シカゴの米株価指数先物がプラスに転じたことも安心材料になり下げ渋る展開だった。トランプ米大統領は13日、ホワイトハウスで開かれた夕食会で、ムニューシン財務長官が2週間前に中国で通商協議を行ったことに言及。「ムニューシン長官は中国から戻ったところだ。成功だったかどうか約3、4週間で明らかにするが、非常にうまくいく気がする」と語った。業種別では、ゴム製品、水産・農林、証券が値下がり率上位にランクイン。一方、石油・石炭、化学、医薬品などは上昇した。トランプ大統領から米中の歩み寄りを示唆する発言が出たものの、緊急に行動を起こすような具体的な話ではない。米中貿易問題を巡る不透明感はしばらく続きそうだ。米通商代表部(USTR)は13日、約3000億ドル相当の中国製品に適用する可能性のある最大25%の追加関税について、携帯電話やノートパソコンが対象に含まれるが、医薬品やレアアースは含まれないと明らかにした。USTRは、対象の3805品目について6月17日にパブリックヒアリングを開き、6月24日まで反対意見を受け付けるとした。コメント受付期間はこれまでの関税導入時より短いものとなった。米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は13日、米中通商問題を巡る緊張の高まりで景気が減速した場合、連邦準備理事会(FRB)は利下げを含む必要な手段を持ち合わせているとの考えを示した。ただ現時点ではこうした必要性はないと見ていると述べた。ローゼングレン総裁はロイターとのインタビューで、「関税措置の影響、およびこれに対する金融市場の反応で景気が一段と減速した場合、FRBには利下げを含め、対応する手段がある。ただ必ずしもこうした必要性があるとはみていない」と述べた。

貴金属

金先限帳入値4566円(前日比+46円)銀先限帳入値52.1円(前日比+0.3円)白金先限帳入値3042円(前日比+36円)パラジウム先限帳入値4561円(前日比-22円)東京金は、続伸。銀は、期先2本が反発。金は、米中貿易戦争の激化に対する懸念が広がる中、安全資産としての買いが入り、3日続伸した。6月物の清算値は前週末比14.40ドル(1.12%)高の1オンス=1301.80ドルと、中心限月の清算値ベースで4月10日以来約1カ月ぶりに1300ドル台に乗せた。米中貿易摩擦の激化を警戒して安全逃避的な買いが入った。金先物は通常取引の終値ベースで4月10日以来となる1300ドル台。米国株安や米利下げ観測が浮上したことも金先物の上昇を促した。NY高受けて買いが優勢で始まった。その後は、小幅円安やドル建て現物相場の堅調を受けて大幅高となった。銀は、金の堅調を受けて期先2本が反発した。金は、41円高~51円高。銀は、0.9円安~0.3円高。米国は、今回の協議決裂で残り約3000億ドル分の中国製品に対しても関税を発動する方向で準備に入った。今後も交渉は継続される見通しだが次回会合の日程すら決められていない。13日中国国務院(政府)は、2018年9月に5~10%の追加関税をかけた600億ドル(約6兆6千億円)分の米国製品に、関税率を5~25%に引き上げると発表した。6月1日から実施される。トランプ米政権も中国からの輸入品すべてに制裁関税を課す「第4弾」の詳細を公表した。関税の応酬を巡る米中の衝突が激化している。中国の追加関税の対象となるのは約5200品目。プラチナ系貴金属(PGM)は、プラチナは反発。プラチナは、金堅調を受けて買い優勢で始まった。その後は、ドル建て現物相場の上昇や円安を受けて堅調となった。パラジウムは、NY高を受けて総じて反落した。プラチナは、34円高~50円高。パラジウムは、22円安~10円高。米中貿易協議の決裂で株式に下落圧力がかかりやすい状況がしばらく継続しそうである。米中双方とも強硬論が勢いを増しており、ハードルは少なくない。世界的な景気減速感側を背景にした株式安が長期化する可能性がありプラチナの下落圧力が持続すると思われる。プラチナの投資需要が、第一四半期で記録に増加した。この流れが継続する場合には、金に近い動きになるため過去のと一線をかくせるかどうか。

石油

原油先限帳入値44730円(前日比-250円) ガソリン先限帳入値55390円(前日比-350円)灯油先限帳入値61340円(前日比-560円)東京石油市場は、下落も下げ幅を縮小。NY原油は、中東の地政学的リスクの高まりを嫌気して買いが先行したものの、その後は米中貿易戦争の激化懸念を背景にリスク回避姿勢が強まって売りが優勢となり、3営業日続落した。米国産標準油種WTI6月物の清算値は前週末比0.62ドル(1.01%)安の1バレル=61.04ドルと、中心限月ベースで3月29日以来約1カ月半ぶりの安値を付けた。7月物は0.59ドル安の61.21ドルとなった。世界的な景気減速が長期化する、あるいは景気後退期入りするリスクが高まっているなかで、長期的な石油需要の失速が警戒されている。原油は、90円安~310円安。ガソリンは、270円安~410円安。灯油は、300円安~560円高。今週末19日、サウジアラビアのジッダでOPEC加盟国と非加盟国は、共同閣僚監視委員会(JMMC)を開催する予定。来月のOPEC総会を控えた事前協議の場となる。米国とイランの対立で中東に緊迫感が漂っている。増産に慎重な発言が出てくると相場を刺激しそうである。

ゴム

東京ゴムRSS先限帳入値185.9円(前日比-1.4円)ゴムTSR先限帳入値160.0円(前日比-2.3円)東京ゴムRSSは、期近2本が上昇、期先4本下落。13日の上海夜間は小幅安となったうえ、円高や米中貿易摩擦の激化を背景に、売りが先行して寄り付いた。その後は、トランプ大統領が米中貿易摩擦に楽観的な発言をしたことを契機に切り返すと、期近中心にプラスサイドに振れた。TSRは、シンガポールTSR20安を受けて、軟調に推移した。株価は、トランプ大統領にとって生命線であり、昨日のように米国株が急落した際は、リップサービス発言が出るので注意が必要。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値は23200円(前日比+330円)東京コーンは、軒並み3桁高。シカゴコーンが13日の上昇に続き、作付けの遅れが確認されたことで14日の夜間取引が大幅続伸していることからすべての限月で3桁高。先限は、390円高の23260円まで上昇し、高止まりした。東京コーン先限は、直近の高値更新後に急落した5月9日のレンジの中間値23160円を超え、買い戻し主体の戻りか。9日高値の23380円が目先の戻り値段。12日時点の米国産コーンの作付け進捗率は、30%にとどまり1主観で7%しか進んでいない。生産量も大幅下方修正される可能性が大きい。


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