夕刊:2019/06/20

FRB金融政策転換へ

為替

20日の東京外国為替市場で円相場は反発した。一時は107円47銭近辺と1月上旬以来の高値を付けた。19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて米国が年内に利下げに動くとの観測が強まり、時間外取引で米10年債利回りが1.97%台まで低下幅を広げるにつれて一時107円55銭付けた。1月4日安値の107円52銭が目先のサポートとして意識されると、日経平均株価が150円超上昇するなど株高を支えに107円79銭付近まで下げ渋った。ただ、日銀が金融政策の現状維持を決定したことを確認すると、再び仕掛け的な売りが観測され、107円56銭近辺まで押し戻された。ユーロ・円も戻りが鈍い。ドル・円と同様の展開に。121円11銭を底に121円30銭台を回復するも、日銀が、20日まで開いた金融政策会合で大規模緩和策の維持を決定したと発表した。欧米中銀が緩和に前向きなハト派姿勢を強めているのを踏まえて日銀も政策の先行き指針(フォワードガイダンス)を延長するとの思惑が出ていた。15時過ぎにドル・円は引き続き軟調に推移し、107円47銭までじり安になっている。黒田日銀総裁の会見を控えているがそれに対して政策指針は維持されたため、結果発表後は、事前に円の売り持ち高を積み上げていた投資家から持ち高調整の円買い・ドル売りが入った。豪ドル・円はさえない動き。ロウ豪準備銀行(RBA)総裁が「さらなる利下げは非現実的ではない」と発言すると74.13銭まで下押しした。ユーロ・ドルは底堅い。ドル・円が再び下落すると買いが強まり、一時1.1269ドルと日通し高値を付けた。これまでの参考レンジ:ドル・円:107円47銭-108円15銭、ユーロ・ドル:1.1226ドル-1.1273ドル、ユーロ・円:121円11銭-121円51銭

FRB金融政策
米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利据え置きを決定した。声明は前回から大きく修正された。次の行動に「辛抱強くなる」との文言が削除されたことから、早くて7月の利下げ観測が強まった。そのほか、見通しの不透明性が上昇したと指摘されたことや、成長を持続させるために行動することを強調したことが利下げ観測につながった。さらに、ブラード・セントルイス連銀総裁が据え置き決定に反対票を投じ、0.25%の利下げを主張。パウエル議長が率いるFOMCとして初めての反対票となった。パウエル議長は反対票に関して、「健全だ」との見方を示している。会合後の会見では、パウエル議長は多くのメンバーが利下げの論拠が強まったと主張したことを明らかにした。四半期ごとに発表される最新のスタッフ予測でもインフレや金利見通しが前回3月から大幅に下方修正されたことも利下げ観測を強める要因となった。個人消費支出(PCE)の見通しは2019年+1.5%(3月1.8%)、2020年:1.9%(2.0%)にそれぞれ下方修正された。また、金利見通しでは、正副議長、理事、地区連銀総裁による参加メンバー17人が、今後3年間の金融政策シナリオもそれぞれ提示した。7人が19年中に政策金利を0.50%下げると予測し、1人は0.25%の利下げを予測。8人は年内の政策金利の据え置きを主張したが、パウエル議長は記者会見で「据え置きと提示したメンバーの多数が、金融緩和の必然性が増していると同意している」と明らかにした。前回の予測では利下げ予想がなかった。今回の予測では全8人が年内の利下げを予想しており、見解が大幅に転換したことも明らかになった。ハト派なFOMCの結果を受けて米国金利先物市場では現時点で7月の利下げを100%の確率で織り込んだ。ただ、パウエル議長は米中貿易協議の結果次第で利下げを見送る可能性を完全に排除したわけでもなく米中貿易交渉の行方次第で、金融政策にも影響を与える可能性は否めない。

株式(日経平均)

20日の東京株式市場で日経平均株価は続伸して引けた。前日比128円99銭(0.60%)高い21462円86銭で終え、5月8日以来の高水準で引けた。(高値21491円39銭-安値21377円27銭)TOPIX:1559.90 +4.63 0.30%高、マザーズ:907.88 +11.37 1.27%高。東証1部の売買代金は1兆7927億円、出来高は10億1796万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1259、値下がり銘柄数は767、変わらず118銘柄。米連邦準備理事会(FRB)が19日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、景気減速リスクが強まれば利下げに踏み切る可能性を示唆。株式市場への資金流入が続くとの見方から前日の米株式相場が上昇して投資家心理が改善し、株価指数先物を中心に買いが入った。シカゴ市場では日本時間20日午前の時間外取引で米株価指数先物が堅調に推移。米利下げ観測を背景に米株高が一段と進むとの期待から日本株の先物にも買いが入り、現物株指数を押し上げた。中国・上海総合指数などアジアの各国・地域の株価指数が総じて上げたことも投資家心理を改善させ、前日から150円あまり上昇し、5月10日以来の21500円に迫る場面があった。早期の米利下げ観測が強まるなか、中国人民銀行(中央銀行)も金融緩和姿勢を強めるとの思惑で中国・上海株式相場が大きく上昇。投資家心理が強気に傾き、株価指数先物に買い(買戻し)が入った。日経平均は伸び悩む場面もあった。米長期金利が時間外取引で低下し、日米金利差が縮小するとの思惑で円相場が107円台半ばと、1月上旬以来の円高水準を付けた。輸出採算が悪化するとの懸念で、自動車や電気機器の一部に売りが出て相場の重荷となった。日米の長期金利低下を受け、住友不動産や三井不動産、三菱地所といった不動産株の上げが目立った。一方、アルプスアルパインや本田技研が安い。

貴金属

金先限帳入値4775円(前日比+101円)銀先限帳入値52.6円(前日比+0.7)白金先限帳入値2838円(前日比+24円)パラジウム先限帳入値5019円(前日比+17円)東京金は、大幅上昇、銀も上昇。NY市場では、米FRBによる金融政策決定を目前に控えて動意が鈍り、小安い水準でのもみ合いに終始した。中心限月8月物の清算値は前日比1.90ドル(0.14%)安の1オンス=1348.80ドル。午前中は、ドル建て現物相場の上昇を受けて買い優勢で始まったのち、円高となったが、ドル建て現物相場の一段高を受けて上値を伸ばした。午後に入ると、ドル建て現物相場の上げ一服を受け、もみ合いとなった。銀もドル建て現物価格の上昇を受けて堅調となった。金は、2015年2月以来の高値4807円を付けたのち、上げ一服となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げの可能性が示唆され、ドル安に振れたことが支援要因になった。ドル建て現物相場は2014年3月以来の高値1385.02ドルを付けた。一方、円相場は107円台後半の円高に振れた。金は、98円高~105円高。銀は、0.3円高~0.7円高。米国の中央銀行、FRBは19日、前日に続いて開いたFOMCで、政策金利の誘導目標を「年2.25~2.50%」に据え置いた。ただ声明文では、景気拡大のため「適切な行動を取る」と明記し、今後の利下げへの柔軟な姿勢を示した。FOMC参加者が示す今後の金利見通しでは、参加者の半数近くが年内利下げを予測している。米中貿易戦争で景気の先行きに不透明感が増す中、FRBが次回7月のFOMCで利下げに踏み切るとの見方が急速に広がっている。CMEのFEDウオッチでは、7月利下げがほぼ100%となった。FRBの緩和姿勢が継続する限り金の強い支援要因となる。プラチナ系貴金属(PGM)は、プラチナが続伸。プラチナは、NY高を受けて買い優勢で始まった。その後は、ドル建て現物相場が堅調となったが、円高に上値を抑えられた。パラジウムもNY高を受けて買い優勢となった。プラチナは、22円高~29円高。パラジウムは、17円高~30円高。28-29日のG20で米中首脳会談が開催されることが確定、貿易摩擦懸念が後退し、株高に振れた。FOMCで利下げ方針が示されドル安に振れたことも支援要因となった。プラチナは、800ドル割れで下げ一服、パラジウムは、1500ドル台を回復した。

石油

原油先限帳入値39290円(前日比+210円)ガソリン先限帳入値49340円(前日比+280円)灯油先限帳入値56390円(前日比+100円)東京石油市場は、まちまち。NY市場は、米エネルギー情報局(EIA)週報で予想を上回る原油在庫の取り崩しが明らかになったことを受けていったん買いが優勢となったものの、利益確定の売りに押され、小反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値は前日比0.14ドル(0.26%)安の1バレル=53.76ドル。8月物の清算値は0.14ドル安の53.97ドル。買い優勢で始まった後、正午にかけては売り買いが交錯している。来週の米中首脳会談待ちのなかで海外原油は小反落したが、ニューヨーク時間外取引が堅調に推移したことが序盤の国内市場を押し上げた。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の円買い・ドル売りが続いているほか、時間外取引のニューヨーク原油が上げ一服となったことから買いは緩んだ。円相場は107円半ばまで円高・ドル安推移。日中取引開始後、東京原油先限は39290円まで強含み。夜間取引の終値から水準をやや切り上げたが、その後は39000円まで小幅にマイナス転換した。来週予定されていた石油輸出国機構(OPEC)総会の日程は来月1~2日に延期された。米中首脳会談後の米中の動き次第では、減産規模が変わってきそうだ。今のところ、OPEC加盟国の舵取り役であるサウジアラビアは現行の日量120万バレルの減産を維持する方針を示している。原油は、70円高~330円高。ガソリンは、200円高~280円高。灯油は、210円安~300円高。

ゴム

東京ゴムRSS先限帳入値200.5円(前日比-2.2円)ゴムTSR先限帳入値160.6円(前日比-2.8円)東京ゴムRSSは、まちまち。寄り付きでは、小幅まちまちとなったものの、その後、ドル円が今年1月4日以来の円高水準となる107円台半ばに下落したことや、上海ゴムが軟調に推移していることを受けて、売りが先行している。TSRは、動意に欠ける展開となっている。今日の東京先限は、上海安が円高を嫌気して、199.8円まで一時水準を引き下げた。産地価格も、上昇はしているものの、上げ幅が小さくなっており、目先、調整色が強まる可能性がありそうだ。その場合だが、まずは18日の安値198.1円が支持になろう。同水準を割り込むと、4月中旬以降、抵抗となっていた195-196円が今度は支持なるとみる。この価格帯を割り込むと、売りが加速し、190円割れを試しそうだ。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値25210円(前日比-400円)東京コーンは、大幅続落。シカゴコーンが前日の下落に続き、20日の夜間取引も小幅続落となっていること、円相場が107円台半ばへ上昇していることから軟調に推移。400円超の下げとなる限月が目立つ。先限は25090円まで下落。下値を切り上げているが、25100円台後半での取引となっている。東京コーンは概ね軟調。先限が夜間取引であっさりと25500円割れとなり、地合いがさらに弱気に傾いた。夜間取引から出来高が多く、既に前日の出来高を上回っている。先限の出来高が多く、投げ売りに加え、新規売りもかなりあるもよう。25000円割れとなると、心理的にもテクニカル要因からもさらに弱気になる。カテゴリー別取組高(6分類)によると、19日現在、当業者、一般投資家とも売り越し。買い越しは海外商品取引業者経由、取次者経由。


掲載内容は情報提供を目的としております。情報につきましては細心の注意を払っておりますが、正確さを保証するものではありません。また、取引における判断はお客様ご自身で行って下さい。