夕刊:2019/07/09

日経平均パウエル議長発言前で膠着

為替

9日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。日本株高を受けた円売りを背景にドルは上昇方向に振れ、節目の109円が視野に入った。ドル・円は、108円60銭台で寄り付いた後、米大幅利下げ観測の後退によるドル買いが先行。米長期金利の失速で足元の高値メドとして意識された108円80銭付近で伸び悩んだが、もみ合い後は同水準を上抜け一時108.90円を付けた。これまでの取引レンジ:ドル・円108.68円~108.90円、ユーロ・円121.89円~122.13円、ユーロ・ドル1.1209ドル~1.1219ドルで推移した。ドル・円のテクニカル分析では、1月3日の安値104.87円からダブルトップ(112.14円・112.40円)の高値までの半値押し108.64円を上回っていることで続伸が予想されるが、一目均衡表・雲の下限109.44円が上値の抵抗帯となっている。明日のパウエルFRB議長の議会証言では、米6月非農業部門雇用者数(前月比+22.4万人)を受けて、7月30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予防的利下げ(0.50%か0.25%)が実施されるのか、あるいは9月以降に先送りされるのかを見極めることになる。NY株式市場は、5日の米6月雇用統計の発表以来、5日、8日と続落しており、0.50%の予防的利下げ観測が後退している。債券市場は、0.50%の利下げ観測は後退しているものの、0.25%の利下げを織り込んでいる。為替市場ではドルは全面高となっており、0.50%の予防的利下げ観測は後退し、0.25%の利下げ、あるいは利下げ見送りを織り込みつつある。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したデータを基にロイターが算出したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(7月2日までの週)によると、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する買い越し額は146億6000万ドルと、前週の217億1000万ドルから減少し、2018年7月以来の低水準となった。減少は6週連続。米連邦準備理事会(FRB)が7月に利下げするとの観測が高まったことでドルの買い越しが減少した。今回のデータは5日の米雇用統計発表前の市場のセンチメントを反映している。6月の雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を上回り、FRBが今月50ベーシスポイント(bp)の利下げに踏み切るとの観測が後退したが、市場は依然として25bpの利下げを予想している。ドル・円は、ほとんどポジションがロング・ショートともフラットの状況になった。

株式(日経平均)

9日の東京株式市場で日経平均株価は小幅反発して引けた。前日比30円80銭(0.14%)高い2万1565円15銭で引けた。(高値21687.29円-安値21508.22)円)TOPIX:1574.89 -3.51 0.22%安、マザーズ:911.77 -4.27 0.47%安。東証1部の売買代金は1兆6697億円、出来高は9億8863万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は664、値下がり銘柄数は1399、変わらず86銘柄。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ期待の後退で円安・ドル高が進んだ。投資家心理が改善し、株価指数先物に買い(買戻し)が入ったが、上値では戻り待ちの売りが出て、伸び悩む展開。投資家心理がやや強気に傾くなか、前日に売りが目立った内需関連株を中心に買いが入り相場を支えた。円相場が一時108円90銭近辺と5月末以来の円安・ドル高水準を付けると、歩調を合わせるように先物が上昇した。もっとも、買い一巡後は伸び悩んだ。前日の米株式市場でスマートフォンの販売低迷への警戒感からアップル株が下落。電子部品株に売りが優勢になった。前日の米フィラデルフィア半導体株指数の下げを受けて半導体関連株にも売りが出て、相場全体の重荷となった。米利下げ期待を背景に上昇基調が続いてきた米株高が一服し、10~11日に予定されるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言の内容次第では株安が進む可能性があり、様子見姿勢が強い。後場には、前日終値近辺での揉み合いで膠着間が強まった。

貴金属

金先限帳入値4856円(前日比-15円)銀先限帳入値52.3円(前日比+0.1)白金先限帳入値2854円(前日比+4円)パラジウム先限帳入値5214円(前日比+19円)東京金は、下落。銀は、まちまち。NY市場は、米株式相場の下落を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、「質への逃避」買いが入った。一方で、米利下げに対する過度の期待が後退する中で金の売りも出やすく、上値が抑えられた。売り買いの材料を欠き、終日にわたって方向感のない値動きだった。午後の東京金は、底堅く推移。午前中は、ニューヨーク市場での上げ一服を受けて売り優勢で始まったのち、ドル建て現物相場の下落を受けて軟調となった。午後に入ると、ドル建て現物相場の下げ一服を受けて底堅く推移した。米雇用統計後のドル高が続いていることが圧迫要因になった。ただドル建て現物相場は安値拾いの買いなどが入って1391ドル台で下げ一服となった。一方、円相場は108円台後半で円安が一服した。相場は10-11日に行われる米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言を控えて、様子見ムードも広がっている。金は、10円安~16円安。銀は、0.5円安~0.5円高。米債券市場では、イールドカーブがフラット化。米連邦準備理事会(FRB)が月末に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で積極的な利下げに踏み切るとの観測は後退しているものの、長期債利回りは低下。一方、短期債利回りが小幅上昇し、長短金利差は約1カ月ぶりの水準に縮小した。CMEグループのフェドウォッチによると、金融市場に織り込まれた25bpの利下げ確率は92%、50bpの利下げが8%となった。1週間前には、それぞれ80.1%、19.9%だった。2-10年債利回り格差は14.9bpと、前週末の16.9bpから低下した。プラチナ系貴金属(PGM)は、プラチナがまちまち。プラチナは、ニューヨーク高と円安を受けて買い優勢で始まった。その後は、ドル建て現物相場の下落を受けてまちまちとなった。パラジウムもまちまちとなった。プラチナは、4円安~6円高、パラジウムは、36円安~19円高。

石油

原油先限帳入値40810円(前日比+190円) ガソリン先限帳入値51160円(前日比+180円)灯油先限帳入値58650円(前日比+180円)東京石油市場は、小幅高。NY原油は、イランの核開発計画再開をめぐって米国との緊張が高まる中、3営業日小幅続伸した。海外原油が高安まちまちだったことから値動きは限定的だが、円相場が108.90円付近まで円安・ドル高推移したことで買いがやや優勢となっている。米利下げ観測の後退が背景。ただ、時間外取引でニューヨーク原油は弱含んでおり、国内市場の上値は伸びない。日中取引開始後、東京原油先限は4万0540円まで安値を塗り替えた。その後、売りは続かず4万0770円までプラス転換したが、上値も限定的。今週は月報の公表が相次ぐ。本日9日は米エネルギー情報局(EIA)、11日は石油輸出国機構(OPEC)、12日は国際エネルギー機関(IEA)が月報を公表する。石油の需要見通しがまた下方修正されると相場を圧迫しそうだ。イランは7日、2015年に欧米など主要6カ国と結んだ核合意の履行停止第2弾として、ウラン濃縮度の引き上げを発表。また、同国原子力庁の報道官は8日、濃縮度を20%に高めることも「選択肢の一つ」と語った。こうした動きにトランプ米大統領は「濃縮は良くない。注意した方がいい」とけん制。地政学的リスクの強まりから原油の買い材料とされた。その後は、世界的な景気減速懸念を受けたエネルギー需要の先細り観測が相場全体の重しとなったこと、ドルが対ユーロで強含みに推移したこともドル建てで取引される原油の割高感につながり、上値を抑える要因となった。原油は、70円高~220円高。ガソリンは、100円高~330円高。灯油は、100円高~240円高。

ゴム

東京ゴムRSS先限帳入値176.3円(前日比-4.7円)ゴムTSR先限帳入値150.6円(前日比-3.4円)東京ゴムRSS3号は、軒並み安。上海夜間安を受けて、売り優勢で寄り付いた。その後、日中取引の上海ゴムがさらに地合いを緩めたことから、期先限月を中心に軟調な展開となっており、期先2本は一代の安値を更新した。TSR20も総じて売りが先行する展開となった。東京ゴムRSSは、海外安を背景に売り優勢となった。先限は、176.6円まで一時下落し、1月29日の安値175.1円を試す展開となっている。テクニカル的には、3月4日の高値209.5円と6月7日の高値207.9円でダブルトップが完成している。ネックラインの180円もしっかり割り込んだことから、節目の175円を下抜くと、170円や昨年12月26日の安値167.1円を目指した下げ局面となる可能性がある。ただ、当先の逆ザヤが52円超まで拡大していることから、期近が大きく崩れなければ、ここからの下値は限られる可能性がある。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値25130円(前日比-210円)東京コーンは、まちまち。11月と期先2本は下落。先限は夜間取引で軟化した流れを引き継ぎ、売り優勢の展開。夜間取引の引け時からは下値を切り上げて2ケタ安まで値位置を切り上げたが、シカゴ夜間の下落を受けて下押されて3けた安で推移。東京コーン先限は夜間で2万5200円まで下落し、朝寄りでも売りが先行して2万5230円まで下落した後に買い戻されて2万5300円台を回復したが、シカゴ夜間が反落したことで戻り待ちの売りが膨らみ値を落としている。次第に値位置を切り下げる足取りが予想され、目先は5日に付けた2万5080円が下値目標となりそう。8日のシカゴ日中取引後に発表された作柄報告では7月7日時点のシルキング率が前年の34%、平年の22%に対し8%にとどまっていることが明らかとなった。一方の作柄は良以上が前週の56%から57%に上昇している。これを受けて8日のシカゴ夜間は軟調な足取りを展開している。7月後半には高温熱波が広がるとの予測が発表されているが、生育遅れ、劣悪な作柄状況を織り込んだ感がある。ただ11日の米農務省(USDA)需給報告、これからの盛夏を控えていることが、下値サポート要因になっている。


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