夕刊:2019/07/10

株・為替・商品とも材料前の閑散相場

為替

10日の東京外国為替市場でドル・円は買い一服。仲値にかけた本邦実需勢の買いは109.00円までに留まった。109.00円にはまとまった規模のオプションが観測されていることもあり、その後は108.90円前後でのもみ合いとなった。ユーロ・円は小動き。仲値通過後はドル・円の動きが鈍くなったため、ユーロ・円も122円台前後で方向感がなくなった。ユーロ・ドルは、狭いレンジでの揉み合い。ドル・円は、本日23時からのパウエルFRB議長の議会証言待ちで108.99円を高値に伸び悩む展開。上値には、109.00円にドル売りオーダーと11日・12日のNYカットオプション、超えるとストップロス買いが控えている。下値には、108.60円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売りが控えている。これまでの参考レンジ:ドル・円:108.83円-109.00円、ユーロ・ドル:1.1202ドル-1.1211ドル、ユーロ・円:121.97円-122.11円。東京市場のドル円は、本日23時からのパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言(下院金融サービス委員会)を控えて動意に乏しい展開だった。パウエルFRB議長は、昨年末までは中立金利水準にはまだ距離があるとして、段階的な利上げとバランスシートの自動操縦的な縮小という二重の金融引き締めに邁進するタカ派であり、米連邦公開市場委員会(FOMC)は2019年の利上げ回数を2回と示唆していた。しかし、今年になってからは、利上げに対して「忍耐強く」なり、バランスシートの縮小の停止を決定し、6月のFOMCでは、景気拡大を持続させるために「適切に行動する」として予防的利下げを示唆するハト派となり、年内の利下げを予想するメンバーが8名となった。本日の議会証言では、史上最長の景気拡大期の中で、失業率は歴史的な低水準となり、ニューヨーク株式市場が史上最高値を更新する環境下での予防的利下げの意義が問われることになる。米6月非農業部門雇用者数(前月比+22.4万人)を受けて、7月30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予防的利下げの確率は、0.50%の利下げは低下しているが、0.25%は依然としてほぼ確実視されている。懸念材料は、インフレ率が2.0%に満たないこと、長短金利逆転(逆イールド)によるリセッション(景気後退)警告、米10年債利回りが3カ月物財務省短期証券(TB)金利だけでなく、FF金利誘導目標(2.25-50%)も下回っているが挙げられる。0.50%の利下げ(確率0.5%)が示唆された場合、トランプ米大統領による圧力に屈服したことになり、ニューヨーク株式市場は歓迎しつつも、パウエルFRB議長への信頼感は低下する。0.25%の利下げ(確率99.5%)が示唆された場合、これまでの歴代FRB議長が、ITバブルなど株式市場の崩壊、住宅バブル市場の崩壊など、危機が起きてから事後的に金融緩和に乗り出した先例を無視して、予防的・事前的に利下げ・金融緩和に乗り出す理由が問われることになる。FRBの市場への説明責任が、極めて重要になる。仮に利下げが9月以降に先送りされた場合(確率0%)、市場を混乱させたことで、低下中のパウエルFRB議長への信頼感が完全に失われることになる。利下げが9月FOMC以降に先送りされた場合、イラン情勢を巡る地政学リスクや休戦中の米中通商協議の難航懸念、来月の日米通商協議への警戒感、そして、トランプ米大統領が「為替操作ゲーム」を傍観することは間抜けとしてドル売り介入の可能性を示唆していることから、ドル・円の上値は抵抗線の109.71円までの円安と推定される。

株式(日経平均)

10日の東京株式市場で日経平均株価は反落して引けた。前日比31円67銭(0.15%)安い2万1533円48銭で引けた。(高値21601.86円-安値21488.22)円)TOPIX:1571.32 -3.57 0.23%安、マザーズ:920.17 +8.40 0.92%高。東証1部の売買代金は1兆9437億円、出来高は11億3868万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は764、値下がり銘柄数は1297、変わらず88銘柄。株価指数連動型上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売り観測への警戒に加え、設備投資関連株に売りが出て相場の重荷となった。だが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長による議会証言の内容を見極めたいと持ち高を傾ける投資家は少なく、前日終値を挟んだ小幅な値動きにとどまった。日本工作機械工業会が9日発表した6月の工作機械受注額(速報値)は、好不況の目安とされる1000億円を2年8カ月ぶりに下回った。米中貿易摩擦などへの警戒感から企業が設備投資に慎重になっていることが改めて確認され、先行きへの警戒感から設備投資関連株に売りが出た。日経平均は小幅に上昇する場面もあった。外国為替市場で円相場が一時109円ちょうどに迫り、輸出採算の悪化に対する懸念が後退。株価指数先物などへの買いが相場を押し上げたものの、円安進行が一服したほか、中国・上海株式相場も小動きとなり買いの勢いは続かなかった。材料待ち相場。

貴金属

金先限帳入値4855円(前日比-1円)銀先限帳入値52.4円(前日比+0.1)白金先限帳入値2852円(前日比0円)パラジウム先限帳入値5156円(前日比-58円)東京金は、まちまち。銀は、総じて上昇。NY市場は、翌日から2日間の日程で行われるパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言に注目が集まる中、ほぼ横ばいとなった。前週末に発表された堅調な米雇用統計を受け、市場ではFRBが早期に大幅利下げに踏み切るとの期待が後退。外国為替市場でドルがユーロなどに対し強含みに転じたため、ドル建てで取引される商品に割高感が浮上し、金相場は9日未明に一時下落した。ただ、朝方になると、安値を拾う動きが台頭。相場はじりじりと下げ幅を縮小し、1400ドルの節目を回復した。その後は、パウエルFRB議長が10、11の両日に行う議会証言から金融政策の運営方針に関する手掛かりを得たいとの思惑が広がり、様子見ムードが拡大した。10日午後に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月18-19日開催分)への関心も高く、1400ドル付近で小動きとなった。東京金は、午前中、ニューヨーク高や円小幅安を受けて買い優勢で始まったのち、ドル建て現物相場の軟調に上値を抑えられた。午後に入ると、ドル建て現物相場が地合いを引き締めたことを受け、もみ合いとなった。弱い米求人件数が支援要因となった。ドル建て現物相場はユーロ安に上値を抑えられたが、午後に入ると、ユーロ安が一服した。一方、円相場は108円台後半で推移した。銀は、金堅調に連れ高となった。金は、2円安~6円高。銀は、0.1円高~0.3円高。プラチナ系貴金属(PGM)は、プラチナがまちまち。プラチナは、円小幅安を受けて買い優勢で始まった。その後は、ドル建て現物相場の上値の重さを受けて期中以降が下落した。パラジウムは、NY安を受けて売り優勢となった。プラチナは、6円安~4円高、パラジウムは、29円安~64円安。米労働省が9日発表した5月の求人労働移動調査(JOLTS)は、求人件数(季節調整済み)が前月比4万9000件減の732万3000件となった。建設や輸送業での求人件数減が重しとなった。今後数カ月にかけ、雇用の伸びが鈍化する可能性を示唆している。求人率は4.6%と、前月の4.7%から低下した。採用件数は26万6000件減の570万件。専門職やビジネスサービス部門の減少が目立った。採用率も3.8%と、前月の4.0%から低下した。労働省発表の5月雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが大幅に鈍化。採用件数の減少がこの背景にあったと考えられる。

石油

原油先限帳入値41330円(前日比+520円) ガソリン先限帳入値51660円(前日比+500円)灯油先限帳入値59220円(前日比+570円)東京石油市場は、小幅高。NY原油は、イランをめぐる地政学的リスクの高まりなどを背景に買われ、4営業日続伸した。海外原油は小動きだったが、NY市場の引け後に米石油協会(API)が発表した米週間石油在庫統計で、原油在庫が大幅に減少したことがNY時間外取引で好感されている。円相場が一時109円ちょうど付近まで円安推移したことも支援要因。日中取引開始後、東京原油先限は4万1480円まで上昇し夜間取引までの高値を上抜いた。ただ、上げ一服後は4万1300円付近で足踏みしている。一部報道によると、エジプト当局は約10日前にスエズ運河でイラン産原油を積載したウクライナのタンカーを差し押さえた。この報道が事実であるならば、ジブラルタル沖で拿捕されたイランのタンカーと同様に、米制裁に反する行為となる。イランは8日、ウラン濃度が核合意で定められた上限の3.67%を上回ったと表明。国際原子力機関(IAEA)査察団も確認した。これに対して、ペンス米副大統領は同日、「米軍は中東で国益や兵士、国民を守る用意ができている」と、軍事行動も辞さない姿勢を示唆した。ポンペオ国務長官も7日、ツイッターで追加制裁の可能性を警告。中東の地政学的リスクや米イラン間の軍事衝突に対する警戒感が台頭している。9日夕と10日午前に公表される民間と政府の週報で、米原油在庫が4週連続で取り崩しになると予想されていることも買いを後押した。ただ、買い一巡後は利益確定の売りも出やすく、上げ幅を縮小。先月29日の20カ国・地域(G20大阪サミット)に合わせて開かれた米中首脳会談では貿易協議再開で合意したものの、今後の交渉で両国が溝を埋められるかどうか見通せない中、エネルギー需要の減退懸念も根強い。原油は、330円高~600円高。ガソリンは、270円高~690円高。灯油は、400円高~580円高。

ゴム

東京ゴムRSS先限帳入値177.2円(前日比+0.9円)ゴムTSR先限帳入値150.6円(前日比0円)東京ゴムRSS3号は、当限を除いて上昇。寄り付き直後は、薄商い中、方向性に欠ける展開となった。その後、夜間取引で下落した、上海ゴムが下げ幅を縮小させていることや、最近の急落に対する修正の動きから、買いが先行している。TSR20は、動意に欠ける展開となっている。午前10時30分に発表された6月の中国消費者物価指数は、前年比、事前予想と変わらずの前年比2.7%となった。一方、同月の中国生産者物価指数は、同0.0%と事前予想の0.2%上昇を下回る内容となった。これを受けて、上海総合株価指数は、マイナスサイドに転じている。今日の上海ゴムは、夜間取引の下げ幅を縮小させる展開となっている。ただ、生産者物価指数が前年比で横ばいとなっていることから、最近の下攻めの反動から上昇する場面はあろうが、本格的な上昇局面にはなりにくいと思われる。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値24980円(前日比-150円)東京コーンは、期先2本が軟調。8日のシカゴ日中取引終了後に発表された作柄報告を受けて9日のシカゴ日中取引は反落。東京夜間もこれに追随する弱い足取りを演じたが、この軟調地合いを日中取引でも引き継いでいる。108.90円台と円安傾向にあるが、シカゴ夜間の下落に相殺されて頭重く推移。当限の9月限と1月限は出合いがない。3月限は3ケタ高。東京コーン先限は夜間を弱気で終えた後、軟調地合いを引き継いで日中取引を開始し、その後、前日帳入値となる2万5130円まで値を戻す場面が見られたが、戻り待ちの売り物が入り2万4970円まで下落。売り警戒から買い戻されて2万5000円台を回復したが大引けにかけて2万5000円を割れて引けた。8日のシカゴ日中取引終了後に発表された米農務省(USDA)の作柄報告での上方修正が引き続き重石になっている。11日には需給報告が発表されるが、すでに6月の需給報告で大幅下方修正となったことで弱材料に織り込み感が強いことも上値抑制要因になっている。


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