夕刊:2019/07/11

日経平均反発21600円台で引け

為替

11日の東京市場でドル・円は弱含み。今月末の米利下げと中東情勢を懸念した地政学リスクでドル売り・円買いが進み、108円を割り込んだ。ドル・円は108円40銭付近で寄り付いた後、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のハト派寄りの見解を受け、米10年債利回りの低下を手がかりにドル売り方向に振れた。また、中東情勢の不安定化で円買いも強まった。そのためドルは一時107円90銭付近まで軟化。米10年債利回りの先安観でユーロ・ドルは上昇。ドルは午後の取引で一段安の可能性もあろう。米利下げ観測を手掛かりにドルが全面安となった流れに沿った。一時1.1275ドルまで上値を伸ばした。ユーロ・円はさえない。引き続きドル円の下落につられる形で一時121円66銭まで下押しした。パウエルFRB議長の利下げ示唆を受けて、7月30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は、0.25%が71.3%、0.50%が28.7%となっており、年末に向けた追加利下げへの警戒感もドル・円の上値を抑える要因となる。グリーンスパン第13代FRB議長は「金融政策をよく表す特徴は『不確実性』だ」と語っていたが、パウエルFRB議長は議会証言で26回も「不確実性」を連呼したことで、利下げへの転換は、トランプ米大統領による利下げ要請ではなく、米中貿易戦争や中東の地政学リスクを巡る「不確実性」にあると弁明した。すなわち、史上最長の景気拡大期の中で、失業率は歴史的な低水準となり、ニューヨーク株式市場が史上最高値を更新する環境下での予防的利下げの理由は、米連邦準備理事会(FRB)の伝家の宝刀である「不確実性」にあることになる。当面ドル・円は、米金融緩和の方向性が、再確認されたことからドル売りが継続されることが想定される。1月3日の安値104円87銭までの円高は早そうである。これまでの参考レンジ:ドル・円:107円87銭-108円47銭、ユーロ・ドル:1.1250ドル-1.1281ドル、ユーロ・円:121円61銭-122円09銭。

株式(日経平均)

11日の東京株式市場で日経平均株価は反発して引けた。前日比110円05銭(0.51%)高い21643円53銭で引けた。(高値21649円93銭-安値21532円57銭)TOPIX:1578.63 +7.31 0.47%高、マザーズ:917.34 -2.83 0.31%安。東証1部の売買代金は1兆7845億円、出来高は11億4081万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1660、値下がり銘柄数は429、変わらず60銘柄。早期の米利下げ観測の強まりを背景に、前日の米株式市場で主要3指数はそろって上昇。東京株式市場でも買いが先行した。中国・上海総合指数などアジア株が総じて堅調だったことも投資家心理を支えた。海外勢が株価指数先物に買い(買戻し)を入れている模様。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が10日の議会証言で早期の利下げを示唆した。外国為替市場では日米金利差の縮小で円高・ドル安が進み、輸出関連株を中心に相場の重荷となった。日経平均の採用銘柄では、値上がり率上位は、スクリーン、SUMCO、東建物、アルプスA、日製鋼がランクイン。値下がり率上位に、千代化建、千葉銀行、サイバー、スズキ、トレンドが入っている。

貴金属

金先限帳入値4918円(前日比+63円)銀先限帳入値53.1円(前日比+0.7)白金先限帳入値2881円(前日比+29円)パラジウム先限帳入値5283円(前日比+127円)東京金は、大幅上昇。銀は、総じて上昇。米早期利下げの可能性を示唆するパウエル米連邦準備理事会(FRB)の議会証言を受けて買いが入り、続伸した。米国の中央銀行に当たるFRBのパウエル議長は10日、議会下院金融サービス委員会で証言し、「貿易摩擦をめぐる不透明感と世界経済の減速懸念が引き続き景気見通しの重しになっている」と警戒感を表明した。成長を維持するため、早ければ7月末の政策会合で利下げを決める可能性を改めて示唆した。このため、金利を生まない資産である金相場は買いが入った。また、外国為替市場では、対ユーロでドル安が進行。ドル建てで取引される金塊などの商品の割安感につながり、金にとって追い風となった。FRBは、金塊相場の引け後に年内の利下げを視野に入れる方針に転換した6月18-19両日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表。早ければ7月末の次回会合での引き下げを想定したことが明らかになった。これを受け、金塊相場は時間外取引でもやや上げ幅を拡大した。これを受けた東京金市場は、午前中、NY高を受けて買い優勢で始まったのち、ドル建て現物相場の堅調を受けて上値を伸ばしたが、107円台後半の円高を受けて上げ一服となった。午後に入ると、ドル建て現物相場の小動きなどを受け、もみ合いとなった。銀もNY高を受けて買い優勢となった。金は、55円高~69円高。銀は、0.1円高~0.7円高。米金融・債券市場は、長短国債利回り差が拡大した。パウエル連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言や連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を受け、今月の利下げが想定以上に大きくなる可能性が意識された。金利政策を巡る市場センチメントの代理的指標とされる2年債利回りが直近の取引で7.7ベーシスポイント(bp)下がって1.828%。利回りは短期国債が低下する一方、より長期の国債は上昇した。2-10年債の利回り差は最大23.5bpで、1週間ぶりの高水準となった。パウエル議長は下院金融サービス委員会で証言し、貿易摩擦や世界経済の減速による米景気拡大への影響に対処するため「必要に応じ行動する」と述べた。「基本シナリオ」に対する主要リスクとして、持続的に低水準にあるインフレ、他の主要国の経済減速、貿易摩擦を引き金とした企業による設備投資の減速を指摘した。先月18-19日に開いたFOMCの議事要旨では、多くのメンバーが世界貿易などのリスクが見通しの重しとなり続ければ、目先の利下げが正当化されるとの見方を示していたことが分かった。CMEグループのフェドウォッチによると、50bp利下げの予想確率が前日の3.3%から28.7%に上昇した。「パウエル議長が議会証言で『不確実性が継続する』と述べた点が注目され、7月のFOMCでの25bp利下げには、今後の経済指標ではなく不確実性のみで十分との見方が広がった。プラチナ系貴金属(PGM)は、プラチナは、上昇。プラチナは、円小幅安を受けて買い優勢で始まった。その後は、ドル建て現物相場の上値の重さを受けて期中以降が下落した。パラジウムは、NY安を受けて売り優勢となった。プラチナは、27円高~34円高、パラジウムは、24円高~147円高。

石油

原油先限帳入値42280円(前日比+950円)ガソリン先限帳入値52510円(前日比+850円)灯油先限帳入値60190円(前日比+970円)東京石油市場は、大幅続伸。NY原油は、原油在庫が大幅な取り崩しとなったことやメキシコ湾での原油生産停止を受けて、5営業日続伸した。米国産標準油種WTI8月物の清算値は前日比2.60ドル(4.50%)高の1バレル=60.43ドルと、中心限月ベースで5月22日以来約1カ月半ぶりの高値を付けた。米石油協会(API)が前日夕に発表した統計によると、最新週の原油在庫は前週比810万バレル減と、市場予想の310万バレル減を大幅に上回る取り崩し幅となった。さらに、米エネルギー情報局(EIA)が10日午前に発表した週報でも、原油在庫は950万バレル減となったことから米国内の供給過剰懸念が和らぎ、相場は前日夕からほぼ一本調子で上昇した。また、暴風雨に見舞われる恐れから、大手石油企業がメキシコ湾の深海プラットフォームでの産油作業を停止し、一部従業員を避難させたとの報も支援材料。ドルが対ユーロで下落し、ドル建てで取引される原油に割安感が生じたことも相場の押し上げに寄与した。米国の原油在庫が減少傾向に転じていることや、米メキシコ湾でハリケーンが発達する見通しであることが海外原油を押し上げた。ただ、円相場が107円後半で円高・ドル安推移していることが重し。月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが見通されている。時間外取引でニューヨーク原油はしっかり。東京原油は、日中取引開始後、東京原油先限は42090円まで高値からやや押し戻される場面があった。ただ、夜間取引の高値である42460円から大きく離れるような動きにはなっていない。10日、イラン革命防衛隊とみられる船舶5隻がペルシャ湾で英国の石油タンカーに接近し、イラン領海付近で停止するよう要求したと伝わっている。ロイター通信が米当局者の発言として伝えた。護衛していた英艦が警告すると、接近してきた船舶は撤退したもよう。ジブラルタル沖で英艦隊がイランの石油タンカーを拿捕したことによる報復とみられている。原油は、690円高~1120円高。ガソリンは、780円高~850円高。灯油は、870円高~970円高。

ゴム

東京ゴムRSS先限帳入値177.2円(前日比0円)ゴムTSR先限帳入値153.1円(前日比+2.5円)東京ゴムRSSは、総じて上昇。寄り付きでは、上海夜間高と円高という強弱材料が交錯するなか、前日の東京ゴム夜間取引の引けと同値圏で推移した。その後、手掛り材料難となるなか、薄商いのため、玉次第の展開となっている。TSRは、動意薄で推移している。10日、中国汽車工業協会(CAAM)が発表した6月の自動車販売台数は、前年同月比9.6%減の206万台となった。12カ月連続で前年同月を下回っている。このままでは、今年の中国自動車販売は、2年連続で前年を下回る内容となりそうだ。中国の景気減速に加え、米中貿易摩擦の影響から、中国経済は勢いを失っている。天然ゴムの最大の消費先の同国の景気減速は、ゴム相場にとっても弱材料視される。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値24980円(前日比0円)東京コーンは、期先2本が上昇。期中3月限は売り優勢ながらも下値を切り上げ、総じて安い。前日のシカゴ高から期先2本が100円超の上昇で堅調だったが、今夜、米農務省(USDA)から需給報告の発表を控えており、新規売買は見送りムードで閑散商い。東京コーン先限は日中取引では25080円で買い支えられ、3ケタ高を維持していたが、円相場が107円後半の円高になり値を消し始め、シカゴ夜間取引が前日の上げ幅を削る程度の下落となったため期先中心にじり安となり前日比変わらずで引けた。日本時間の12日の午前1時にUSDAから需給報告の発表がある。6月末の作付面積発表時は発表直後から値を崩しただけに注意したい。


掲載内容は情報提供を目的としております。情報につきましては細心の注意を払っておりますが、正確さを保証するものではありません。また、取引における判断はお客様ご自身で行って下さい。