夕刊:2019/08/05

日経平均は円高の流れを受け、前日比366円安。東京金は日中売られる場面あるも前日比22円高。石油製品、穀物、ゴムは総じて安い。

為替

5日の東京外為市場は、ドルは前週末NY市場終盤の水準から大幅安の106円付近。一時105円80銭まで売られ、今年1月3日以来7カ月ぶり安値を更新した。円高が勢いづいたのは午前10時過ぎ。中国市場で取引が始まった人民元が2008年以来11年ぶりに1ドル=7元を超える下げとなったことで、景気減速や資本流出への懸念からアジア株が軒並み安となり、円高が加速した。円はドル以外の通貨に対しても大きく上昇。ユーロや豪ドル、NZドルなどに対して、1月に急騰した際に付けた高値を上抜けた。週明けアジア市場朝方の取引で107円半ばに浮揚したが、トランプ大統領が米国産農産物の輸入に消極的な中国を批判。9月の制裁関税発動への可能性で貿易戦争再燃の懸念から円買いが強まり、ドルは一時105円80銭台に急落した。その後、値ごろ感による国内勢のドル買戻しもみられ、106円台を回復。しかし、午後に日経平均先物は大幅安が続き日本株の後場下げ幅拡大を警戒したリスク回避の円買いに変わりはない。米10年債利回りの大幅低下もドル売り要因。ここまでの取引レンジ:ドル・円105円80銭~106円68銭、ユーロ・円117円68銭~118円49銭、ユーロ・ドル:1.1102ドル~1.1133ドルで推移した。

株式(日経平均)

5日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落した。前日比366円87銭安い20720円29銭で引けた。(高値20941円83銭-安値20514円19銭)。東証1部の売買代金は2兆8250億円、出来高は15億4404万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は129、値下がり銘柄数は1994、変わらず26銘柄。取引時間中としては6月4日以来、約2カ月ぶりの安値となった。米中貿易摩擦の再燃で世界的な景気減速への懸念が強まり、2日に米国株式相場や欧州主要国の株価指数が軒並み下落。人民元の対ドル相場が11年ぶりの安値となったことで主要なアジア株相場が全面安となり、海外勢が株価指数先物に売りを出した。朝方は170円超安で寄り付いた後、じりじりと下げ幅を拡大した。米欧株安が投資家心理の重荷となったほか、外国為替市場で対ドル・対ユーロで円高が進行したことで輸出関連株を中心に売りが優勢となった。さらに中国人民元の対ドル相場が5日7元台に下落すると、日経平均の下げ幅が拡大した。中国・上海などのアジア株安や円相場が対ドルで急速に円高が進行したことが嫌気された。5日の東京株式市場で日経平均株価を対象としたオプションの価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は、午前の取引終了後に一時21.78と、取引時間中としては5月14日(24.34)以来、約2カ月半ぶりの高水準を付けた。変動率を参照して自動的に資産配分を決めるリスク・パリティ戦略を取るファンドの機械的な売りも出た。外国為替相場の円高・ドル安進行や、主要アジア株相場の全面安が引き続き重荷となっている。米ブルームバーグ通信が「中国政府は国有企業に対し、米国産農産物の輸入を停止するように要請した」と報じた。米中貿易摩擦がさらに激化するとの思惑から、海外勢が株価指数先物に売りを出している。

貴金属

金先限帳入値4944円(前日比+22円)銀先限帳入値56.0円(前日比+0.4円)白金先限帳入値2914円(前日比-28円)パラジウム先限帳入値4697円(前日比-156円)東京金は、上昇。銀は、総じて続落。NY金先物相場は、3日ぶりに大幅反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比25.1ドル高の1トロイオンス1457.5ドルで取引を終えた。米中貿易摩擦への懸念から実物資産の裏付けがあり、リスク回避の際に買われやすい金先物に資金が向かった。時間外取引では一時1461.9ドルと2013年5月以来、6年3カ月ぶりの高値を付けた。米の対中制裁関税の発動表明を受け、米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測が強まったことも金利の付かない金の買いを誘った。東京金は、午前中は、円高を受けて期先が売り優勢で始まったのち、円高となったが、ドル建て現物相場の堅調を受けて小幅高となった。午後に入ると、ドル建て現物相場の一段高をうけて上値を伸ばした。米中の貿易戦争の激化に対する懸念を受けてリスク回避の動きが支援要因となった。米労働省が2日発表した7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが鈍化する一方、賃金は緩やかに上昇した。米中貿易摩擦の高まりと共に来月の追加利下げの追い風となる可能性がある。非農業部門の雇用者数は16万4000人増と、市場予想と一致した。5月と6月を合わせた雇用者数は従来から4万1000人下方改定された。平均週間労働時間は約2年ぶりの低水準となった。金は、15円高~27円高。銀は、0.3円安~0.7円安。プラチナ系貴金属(PGM)は、続落。プラチナは、NY安と円高を受けて売り優勢ではじまった。その後は、ドル建て現物相場の戻りが一服したことや円高進行を受けて軟調となった。パラジウムもNY安と円高を受けて売り優勢の展開。プラチナは、24円安~67円安、パラジウムは、170円安~203円高。

石油

原油先限帳入値37010円(前日比-830円)ガソリン先限帳入値47320円(前日比-720円)灯油先限帳入値54870円(前日比-910円)東京石油市場は、下落。NY原油先物相場は、反発した。前日にトランプ米大統領による対中制裁関税の発動表明で8%近く下げ、自律反発を見込んだ買いが入った。ただ、米中摩擦で世界景気が減速し、原油需要の伸びが鈍るとの懸念があり、上値は重かった。1日午後にトランプ氏がほぼすべての中国製品を対象に含める制裁関税「第4弾」の発動を表明し、2日には中国が報復を検討すると伝わった。米中摩擦激化への警戒感は強いが、この日は短期的な戻りを期待した買いが優勢だった。週末でいったん売り持ちを整理する動きもあった。ただ、上値は重かった。米株式相場が続落し、リスク回避姿勢が強まっていることが原油相場の上値を抑えた。同日発表の7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが鈍化し、景気減速が意識されたことも相場の重荷だった。東京原油は、米中貿易戦争の激化による景気減速や石油需要の下振れ懸念が重しとなっている。円相場が105円後半まで円高・ドル安推移したことや、時間外取引でニューヨーク原油が下落していることも重し。中国経済の先行きが懸念されているなかで、オフショア人民元は7元の壁を超えて過去最安値を更新した。中国からの資金流出が警戒される。日中取引開始後、東京原油先限は37060円まで下げ幅を拡大。夜間取引までの安値を塗り替え、先週2日につけた安値に迫った。イランが拿捕したイラク籍の燃料密輸船について、イラク石油省は関係性を否定した。同省はディーゼル燃料を国際市場に輸出していないと述べている。ただ、拿捕された小型船舶はイラクの民間船であるとの情報もあり、イラク当局は情報収集作業を行っているもよう。原油は、610円安~940円安。ガソリンは、530円安~720円安。灯油は、470円安~800円安。

ゴム

ゴムRSS先限帳入値166.2円(前日比-2.3円)ゴムTSR先限帳入値144.4円(前日比-3.6円)東京ゴムRSSは、続落。上海夜間安や円高を背景に売りが先行して寄り付いた。その後、日中取引の上海ゴムが一段安となると、東京ゴムも下げ幅を拡大させた。9月限は、一時10円以上下げる場面があった。米中関係の悪化に拍車がかかっている。1日にトランプ米大統領が「第4弾」の対中制裁関税を9月1日に発動させることを発表すると、米中の緊張感が一段と高まってきた。今日は、中国が米国産農産物の輸入を停止するとの一部報道もあった。また、ドル人民元・ドルは、7元台に突入した。人民元安は、中国の景気減速懸念を強めており、市場はリスクオフとなり、ドル円は105円台に沈んだ。天然ゴム市場にとって、中国は世界最大の消費国であり、第2位は米国だ。この両国の緊張は、天然ゴム市場にとってマイナス材料となる。これまで、産地主導で上昇してきた相場も急落しており、当先の逆ザヤも急激に縮小している。産地価格を考えると、東京先限にどの程度の下値余地が残っているか疑問が残るが、期近から期中については、サヤ修正の動きから、一段と売り叩かれる可能性はありそうだ。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値は23420円(前日比-300円)東京コーンは、続落。序盤は期先2本が小幅高で推移も期先5月限から軟化。7月先が追随し、11、1月限は大幅安となっている。シカゴコーンが2日の反発に続き、5日の夜間取引で小幅続伸しているが、円高が一時105円台後半まで進行したこと、弱気のテクニカル要因から売り優勢。先限は円高進行で23520円まで値を崩した。期近11月限は5月20日以来の安値となる1390円安の22260円まで下落し、安もちあい。東京コーン先限は23500円まで下落。2日の安値23550円を割り込み、7月限として一代安値を更新。安値拾いに慎重派が多く、23500円の節目を割り込む下落リスクあり。円高を嫌気した手じまい売り先行ムード。


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