夕刊:2019/08/15

金続伸、米株下落と金利低下を好感

為替

15日の東京外為市場でドル・円は伸び悩み。米国株の今晩の反発を期待した買いが入り一時106円台を回復したが、減速懸念から買いは続かず失速した。前日の米株式市場で、米長短金利差の逆転でリセッション入りへの懸念からNYダウなど主要指数が大幅に下げ、本日の日本株や中国株は軟調スタート。ただ、先物指数から今晩の米国株の急反発が予想され、ドルは106円台を回復する場面もあった。人民元の基準値が前日よりも元高に設定され、円買いは後退。また、中国株や香港株は下げ幅を縮小しており、センチメントの一段の悪化は回避されている。午後に入ると、目新しい判断材料に乏しくマーケットは動意薄の展開。ドル円は米債利回りが低下しているものの、反応は限られ105円90銭前後で売買が交錯しているほか、クロス円もドル円同様にユーロ円が118円05銭前後で、ポンド円が127円65銭前後で揉み合いとなっている。これまでの取引レンジ:ドル・円105円73銭~106円04銭、ユーロ・円117円78銭~118円13銭、ユーロ・ドル1.1135ドル~1.1152ドルで推移した。

株式(日経平均)

15日の東京株式市場で日経平均株価は反落して引けた。前日比249円48銭(1.21%)安い20405円65銭で引けた。(高値20419円88銭-安値20184円85銭)TOPIX:1483.85 -15.65 1.04%安、マザーズ:853.98 14.82 1.71%安。東証1部の売買代金は1兆9862億円、出来高は11億3861万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は272、値下がり銘柄数は1812、変わらず65銘柄。前日の米国株式市場では、中国の7月鉱工業生産が10年ぶりの低水準となったほか、ドイツの4-6月期GDP速報値がマイナス成長となり、売りが先行した。また、米国債イールドカーブ(長短金利差)が逆転したことで世界経済減速への警戒感が高まったことにより、NYダウは800ドル安と今年最大の下げを記録。投資家心理が悪化して海外ヘッジファンドによる先物売りが優勢になった。日経平均は前日比470円安となる場面があった。外国為替市場で円相場が105円台後半まで上昇し、輸出採算が悪化するとの見方から電機や機械などの輸出関連銘柄に売りが出た。世界景気の先行き不透明感を背景に鉱業や非鉄金属などの景気敏感株の下げも目立った。前引けにかけては下げ幅を縮小した。「相場下落で値ごろ感が強まったと判断した個人投資家などの国内勢が『逆張り』で買いを入れた模様。一段の円高・ドル安進行が限られ、売り方が買い戻しに動いたのも相場を支えた。今晩の米株式相場や米債券相場の動向を見極めたいとのムードが強まり、海外ヘッジファンドや個人投資家による売買が一巡している。月遅れ盆の休暇に入る取引参加者も多く、午後は薄商いの様相が強まっている。日経平均の下値メドとして意識されやすい株価純資産倍率(PBR)1倍レベルである節目の20000円処に近づくにつれて、日経レバETFを手がける向きも増加しており、この水準での押し目拾いの動きも足元で目立っている。

貴金属

金先限帳入値5155円(前日比+33円)銀先限帳入値58.8円(前日比+0.6)白金先限帳入値2889円(前日比-30円)パラジウム先限帳入値4761円(前日比-93円)東京金は、上昇。銀は、総じて堅調。NY金先物相場は、金先物12月限は大幅反発。時間外取引を含めた取引レンジは1504.50-1534.90。中国経済の減速懸念、米国株安、米長期金利の低下を受けて安全逃避の金買いが再び活発となった。米国債券市場では2007年以降初めて、2年債と10年債の利回りが逆転したため、米国経済が近く景気後退に陥るとの警戒感が強まった。英国やカナダでも長短金利の逆転が見られ、世界的な景気後退懸念が強まりつつある。東京金は、上げ一服。午前中は、ニューヨーク高を受けて買い優勢で始まったのち、円高一服やドル建て現物相場の上昇を受けて上値を伸ばした。午後に入ると、ドル建て現物相場の上げ一服に上値を抑えられた。英米の長短金利逆転をきっかけに押し目を買われた。景気後退懸念で株価が急落したが、株安が一服すると、金は上げ一服となった。一方、円相場は105円台後半の円高に振れた。銀は、まちまちで始まった後、金堅調に連れだかとなった。金は、32円高~48円高、銀は、0.1円安~0.9円高。欧州や中国のマクロ経済が悪化。ドイツの4-6月期国内総生産(GDP)は懸念されたとおり前期比-0.1%と、昨年7-9月期以来のマイナス成長に落ち込んだ。中国が13日に発表した7月鉱工業生産の伸びは前年比+4.8%と、2002年2月以降17年ぶり最低を記録。さらに、中国と欧米諸国の経済の橋渡しの役割を担う香港では中国本土に対抗する大規模なデモが発生。デモ隊と警官隊との衝突も見られ、中国本土からの軍事介入なども警戒されている。中国の経済はすでに米国による関税の影響で成長が減速している。加えて、香港のデモが中国経済にさらなる打撃を与える。1978年以降、米国の2年債と10年債の利回りの逆転は5回で、いずれもリセッションの前兆となった。ただ、1.景気後退を確実視するためには長期間の逆転維持される必要がある。2.実際に利回りが逆転してからリセッション入りするまで、平均で22カ月を要する。3.現在の金利水準自体がかなり低水準であるため、過去の例と比較は困難との見方もある。過去3回の利回り逆転時の水準:2000年:6.4%/5.9%、2006年:4.8%/4.6%、2019:1.6%/1.6%、短長期債の利回り曲線が一時的に景気後退の兆候を示唆したことは、市場が連邦準備制度理事会(FRB)に対して9月連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイントの利下げのような積極的な対処を求めている証拠となる。さらに、来週22-24日に米カンザスシティー連邦準備銀行主催で、経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が開催されるが、各国の中銀総裁や財務相が集まる年次会合では、世界経済の減速に対処する協調行動の発表も期待される。金には、追い風の要因。プラチナ系貴金属(PGM)は、下落。プラチナは、NY安と円高を受けて売り優勢で始まった。その後は、ドル建て現物相場の軟調が圧迫要因となったが、金堅調から下げ一服となった。パラジウムもNY安と円高を受けて軟調となった。プラチナは、54円安~30円安、パラジウムは、93円安~75円安。

石油

原油先限帳入値36140円(前日比-1200円)ガソリン先限帳入値46650円(前日比-1350円)灯油先限帳入値54420円(前日比-1040円)東京石油市場は、大幅下落。NY原油先物相場は、反落。時間外取引を含めた取引レンジは53.97ドル-56.85ドル。中国の7月鉱工業生産と小売売上高はいずれも市場予想を下回ったことから、中国経済の成長が大幅に減速するとの懸念が広がり、原油需要の減少が予想されたことから原油先物は一時54ドルを下回った。東京金は、ほぼすべての限月の下げ幅が4ケタ超となっている。米国が対中関税を強化し、中国を為替操作国に認定した後も中国の譲歩はないとロス商務長官が明らかにしており、米中貿易戦争がさらに激化することが警戒されている。米エネルギー情報局(EIA)の週報で、原油在庫が2週連続で増加したことや円高も重し。円相場は105円後半で取引されている。時間外取引でニューヨーク原油9月限は軟調に推移。東京原油先限は36000円付近で軟調に推移。ただ、夜間取引で35350円まで下げた後は売りが一巡している。米法律事務所ヘインズ・アンド・ブーンによると、米エネルギー企業の年初からの破産申請件数が、すでに昨年並みの水準に達している。原油や天然ガスの変動が背景として指摘されており、原油安がさらに進むと破産申請はさらに増える見通し。原油は、1210円安~700円安、ガソリンは、1460円安~1220円安、灯油は、1460円安~960円安。

ゴム

東京ゴムRSS先限帳入値166.0円(前日比-2.6円)ゴムTSR先限帳入値145.4円(前日比-0.6円)東京ゴムRSSは、期近主導で軒並み安。寄り付きは、円高や世界的に景気減速懸念を背景に売り優勢となった。その後、日中取引の上海ゴムが地合いを緩めたことから、下げ幅を拡大している。TSRは、総じて軟調に推移している。東京先限は、9日にザラ場で171.8円まで上昇したものの、終値ベースで170円台に失敗すると、その後は、ザラ場でも170円付近が上値を抑えている。産地サイドでは、現物価格が下げ止まり、反発を開始しているが、東京市場のこれに対する反応は鈍い。内部要因をみると、当業者が買いに回っている。このため、市場では、ここからの下げ幅は限定的との見方が多い。ただ、商いが薄いうえに、世界的に景気減速懸念が強まれば、積極的な買いは入りにくいだろう。東京先限は、現状、164円付近が支持となっているが、これを下抜くと、再度160円割れを目指すことになりそうだ。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値22400円(前日比-150円)東京コーンは、総じて続落。期近9月限は出合いなし。14日のシカゴコーン安、円高から売り優勢も期先は下値を切り上げる展開。東京コーン先限は22280円までジリ安。その後、下値を切り上げ、22400円台を回復。19年9月限が納会日のため、新規売買は見送られ、玉整理が中心となっているもよう。期先は買い戻し主導の下値切り上げか。


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