夕刊:2019/11/11

関税撤廃否定発言受け日経平均株価軟調。香港デモ悪化報道でアジア株も下落。ドル・円相場は、リスク回避の円高になり金、銀、PGA、原油も嫌気し軟調。

為替

11日の東京外為市場でドル・円は軟調。激化する香港デモの米中貿易協議への影響を警戒した円買いが強まり、109円付近に値を下げた。米中貿易協議は両国の関税撤廃をめぐる議論への思惑が交錯しており、リスクオンのムードは後退。また、香港デモが激化し、両国関係の悪化につながるとの観測から株価指数が弱含み、ドル売り・円買いを誘発。香港のメディアによると、11日、警官がデモ隊に実弾を発砲し、少なくとも1人が負傷した。先週末にも各地で警官とデモ隊が激しく衝突し、混乱が広がっている。9日に発表された10月の生産者物価指数(PPI)は前年比1.6%低下と、2016年7月以来の大幅なマイナスとなった一方、消費者物価指数(CPI)は、豚コレラの影響で豚肉価格が2倍に跳ね上がったことで、前年比3.8%上昇とほぼ8年ぶりの高い伸びを示した。中国の物価統計について市場では「中国の経済は徐々に崖っぷちに追い込まれている模様。『米国よりも中国の方が(通商)合意を望んでいた』とするトランプ大統領の発言(9日)は事実と思われる。また、今晩の米債券市場の休場で株価が注目されるなか、米ダウ先物の下落がドルを下押ししている。ユーロ・円も弱含み。株安を手掛かりにした売りが強まり、一時120.12円まで下押しした。ユーロ・ドルは売り一服。10時前に1.1017ドルと前週末安値に面合わせしたものの、円絡みの取引が中心だったこともあり、積極的に下値を探る動きにはなっていない。これまでの取引レンジ:ドル・円108.97円~109.26円、ユーロ・円120.12円~120.42円、ユーロ・ドル1.1017ドル~1.1033ドル。

株式(日経平均)

11日の東京株式市場で日経平均株価は小幅反落して引けた。前日比60円03銭(0.26%)安い2万3331円84銭で引けた。(高値2万3471円82銭-安値2万3323円02銭)TOPIX:1704.03 +1.26 0.07%高、マザーズ:867.68 +9.86 1.15%高。先週末の米国市場が小じっかりだった流れから続伸して始まった日経平均は、寄り付き直後には一時23471.82円まで上げ幅を広げる局面もみられた。しかし、トランプ米大統領は中国に対する関税を完全に撤回することに、米国は同意していないと述べており、米中貿易合意への期待が薄れる格好。さらに、香港メディアは、デモ隊と警察が衝突し、デモ参加者1人が警察に胸を撃たれたと伝えられる中、ハンセン指数が2%超える下落となったこともあり、手控えムードが強まっている。その後は米中通商協議を巡る不透明感や連騰後の高値警戒感などから売りが優勢となり、マイナス圏に沈んだ。更に9月の機械受注が市場予想を下回ったことも投資家心理を冷やし、下げに転じた。設備投資動向への先行き懸念が広がったのも投資家心理の重荷となった。ファナックやオークマなどが下げ幅を広げる展開となった。

貴金属

金先限帳入値5114円(前日比-36円)銀先限帳入値59.1円(前日比-0.8)白金先限帳入値3112円(前日比-76円)パラジウム先限帳入値5828円(前日比-132円)東京金、銀は、続落。NY金現物相場は、続落した。外国為替市場でドルが主要通貨に対して上げ、ドルの代替投資先とされる金の売りを誘った。午前にトランプ米大統領が対中関税の撤廃の合意を否定したため、リスク回避時に買われやすい金は上昇する場面があった。ただ、買いは長続きせず、次第に売りが優勢になった。東京金は、軟調。午前中は、NY安を受けて売り優勢で始まったのち、円高とドル建て現物相場の下げ一服を受け、もみ合いとなった。午後に入ると、円高を受けて軟調となった。先限は前日比36円安の5114円で推移。夜間取引で付けた10月3日以来の安値5113円に顔合わせした。米中の通商協議の進展期待やドル高が圧迫要因になった。週明けは香港デモで警察官が発砲し、負傷者が出て株安に振れたことが下支えとなった。一方、円相場は109円台前半で円高に振れた。銀もNY安を受けて売り優勢となった。金は、34円安~39円安、銀は、0.5円安~2.7円安。プラチナ系貴金属(PGA)は、総じて下落。プラチナは、NY安を受けて売り優勢で始まった。その後は、円安やドル建て現物相場の上値の重さを受けて軟調となった。パラジウムもNY安を受けて売り優勢となった。プラチナは、62円安~76円安、パラジウムは、22円安~157円安。

石油

原油先限帳入値38310円(前日比-230円) ガソリン先限帳入値51940円(前日比-220円)灯油先限帳入値55410円(前日比-160円)東京石油市場は、反発。NY原油先物相場は、小幅に続伸した。米中貿易協議の不透明感が強まり、午前は下げた。ただ、協議進展の期待は消えておらず、売り一巡後は買い優勢になり、午後に上げに転じた。中国政府は7日に「米中が発動済みの追加関税を段階的に撤回する方針で一致した」と発表した。これに対し、トランプ米大統領が8日、「(関税撤廃では)何も合意してない」と記者団に述べた。トランプ氏の発言を受け、貿易協議が合意に向けて進んでいるとの観測がやや後退。米中摩擦が景気の悪材料になるとの見方から原油先物は売られた。売り一巡後は次第に買いが優勢になった。トランプ氏は8日、「中国とは非常にうまくいっている」とも述べた。市場では「最終的に合意するとの期待は根強い」との声があった。石油サービス会社ベーカー・ヒューズが8日午後、米国の原油掘削設備(リグ)の稼働数が3週続けて減り、2017年4月以来の低水準になったと発表したのも相場を支えた。原油の増産ペースが緩むと見込んだ買いを誘った。東京石油市場は売り買いが交錯している。先週末の海外原油が安値から切り返して引けたことで全般的に買いが優勢だったものの、次第に水準を切り下げた。週明けの時間外取引でニューヨーク原油が軟調に推移していることが重し。第1弾の合意成立を控えて、米中通商協議の続報待ちであることも値動きを抑制している。今晩はベテランズデーでニューヨーク債券市場が休場。日中取引開始後、東京原油先限は3万8340円まで下げに転じた。夜間取引の高値である3万8880円から押し戻されている。9日、サウジ国営石油会社のサウジアラムコは国内市場向け新規株式公開の目論見書を公開した。最大で0.5%の株式を個人投資家に販売するが、全体の放出規模は不明。原油は、160円安~270円安、ガソリンは、220円安~170円高、灯油は、30円安~190円安。

ゴム

東京ゴムRSS先限帳入値178.5円(前日比+1.2円)ゴムTSR先限帳入値148.9(前日比0円)東京ゴムRSS3号は、小幅まちまち。寄り付きでは、8日の上海夜間が下落したうえ、ドル・円が円高方向に振れたことを受けて、売りが優勢となった。その後は、手掛かり材料難の中、狭いレンジ内での取引となったが押し目で買いも入り2月限以外プラス圏に浮上した。TSR20は動意に欠ける展開となっている。8日、中国汽車工業協会(CAAM)が発表した9月の中国自動車販売台数は前年比5.2%減の227万台となった。これで前年同月を15カ月連続減で下回った。昨年は、1990年以来の前年割れとなったが、今年も昨年の販売台数を割り込むとみられる。同国の自動車販売減速の背景には、米中通商摩擦などによる景気減速もあるが、主要都市で排ガス規制が前倒しで導入されたこともあるようだ。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値23480円(前日比-10円)東京コーンは、下落。シカゴの反発を受けて序盤から期先2本が強含んで3けた高を示現していたが、5番限の9月限は次第に上げ幅を縮小し2けた高となっている。期中2本は小幅続落。期先は夜間で2万3210円まで下落した後に値を戻したことで売り一巡感が強まっていることも買い戻しを支援している。東京コーン先限は、3ケタの上げ幅を記録して2万3700円台を回復し、確りで推移。夜間取引で9月13日以来の低い水準となる2万3210円まで下落。一目均衡表の雲の上限に達した後に売り直されており、次第に上値が重くなりすべての限月が小幅下落となった。8日のシカゴコーン期近12月限は、一時383セント台に達し、その後、上げ幅を縮小しながらもプラスサイドを維持。米国産コーンの新穀19-20年度のイールドおよび生産高の下方修正が買いを支援したが、期末在庫率は僅か0.1%の下方修正にとどまったことが重石となり、上げ幅は限られた。


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