夕刊:2019/11/20

米上院の香港人権法案可決を受け米中貿易協議合意観測後退日経平均株価、原油続落、金、銀、白金、パラジウム堅調

為替

20日の東京外為市場でドル・円は下げ渋り。米上院での香港人権法案可決を受けた円買いは一服したが、米中協議への影響が懸念され戻りは鈍い。米上院の香港人権法案可決で米中貿易協議の過度な合意期待は後退し、日経平均株価の下げ幅拡大を手がかりとした円買いでドルは108円30銭台に下落。その後は国内勢による押し目買いで、ドルは108円半ばに戻した。ただ、米国の法案可決に対し中国外務省が「米上院による香港人権法案可決に反対」との見解を発表すると、米中対立への懸念から再びリスク回避の動きが強まった。日経平均株価が200円超安まで下げ幅を広げたこともあり、一時108.36円まで下押し。もっとも、市場では「下値で本邦実需勢からの買いが観測された」との指摘もあり、その後は108.50円台まで下げ渋った。しかし、中国株や香港株、米株式先物の軟調地合いで、ドルの目先の戻りは鈍い。ユーロ・円も売りが一服。中国外務省の見解が伝わると、株安とともに一時119.98円まで下落したが、売り一巡後は120.20円台まで切り返した。ユーロ・ドルは下げ渋り。11時前に1.1070ドルまで下落したものの、その後はユーロ円などの反発につれて下げ渋った。これまでの取引レンジ:ドル・円108.36円~108. 58円、ユーロ・円119.98円~120.31円、ユーロ・ドル1.1070ドル~1.1081ドルで推移した。

株式(日経平均)

20日の東京株式市場で日経平均株価は続落。前日比148円57銭(0.62%)安い2万3148円57銭で引けた。(高値2万3303円17銭-安値2万3086円12銭)TOPIX:1691.11 -5.62 0.33%安、マザーズ:880.67 +4.21 0.48%高。NY市場の株式軟調を受けて日経平均株価は、前日比116.16円安の2万3176.49円で寄り付いた。円相場が108.40円台と円高基調になり、米議会上院が19日、「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決したと伝わったことで米中対立の激化が意識された。寄り付き直後には、米ロス商務長官の米中貿易協議に関する「何らかの合意ができると楽観視している」との見解が報道されると、すぐに下げ幅を巻き返し前日比プラス圏へ戻した。ただ、その後は軟調なアジア株式市場を受け、短期筋による指数先物への売りもみられ、日経平均は一時23086.12円をつける場面もあった。決算発表も終わり国内での材料が乏しい中、米中貿易協議に関する報道と香港問題の外部要因に振らされる展開が継続している。個人の資金などは出遅れ感が意識されている中小型株にシフトしている。弱いトレンドが続いていたマザーズ指数も3営業日続伸で再び75日線を突破してきている。11月前半につけた直近の戻り高値水準をクリアしてくるようだと、より中小型株への関心が高まる可能性がある。

貴金属

金先限帳入値5136円(前日比+4円)銀先限帳入値60.0円(前日比+0.1)白金先限帳入値3184円(前日比+35円)パラジウム先限帳入値5815円(前日比+86円):昨夜のNY金現物相場は、対ユーロでのドル安などを背景に買われ、小幅続伸した。東京金は、総じて堅調。午前中は、NY高と円高を受け、まちまちで始まったのち、ドル建て現物相場の戻りが売られたことを受けて小幅安となったが、リスク回避の動きをきっかけに下げ一服となった。午後に入ると、ドル建て現物相場の上昇が一服し、もみ合いとなった。アジア市場では、ロス米商務長官が中国と合意できるとの期待あると思うと述べたことが上値を抑えたが、米上院が香港人権法案を可決したことに対して中国が報復措置を警告するとリスク回避の動きとなった。一方、円相場はリスク回避の動きを受けて108円台半ばで円高に振れたが、ドル売りが一巡すると、円高が一服した。連日の米中貿易協議関連報道で市場の反応も限定され始めており結果を見極めたいとの市場参加者も多い。銀もNY高と円高を受けて堅調となった。金は、1円安~10円高、銀は、0.1円高~0.4高。米国経済指標では、10月の住宅着工件数が年率換算で前月比3.8%増の131万4000戸だった。市場予想は132万戸。また着工許可件数は12年5カ月ぶりの高水準となり、住宅ローン金利が低下する中、住宅市場が力強さを増していることが裏付けられた。米10年債利回りは1.777%、一時2週間ぶり低水準を付けた。一方、2年債利回りは1.598%に上昇した。2・10年債の利回り格差は縮小し18.7bpと2週間ぶりの低水準。利回り格差は5日連続で縮小した。利上げは論外で利下げも当面ないとみられることから長期債が買われた模様。プラチナ系貴金属(PGA)は、続伸。プラチナは、NY高を受けて買い優勢で始まった。その後は、円高を受けて上げ一服となった。パラジウムもNY高を受けて堅調となった。プラチナは、29円高~35円高、パラジウムは、82円高~103円高。

石油

原油先限帳入値37540円(前日比-920円) ガソリン先限帳入値50900円(前日比-950円)灯油先限帳入値54530円(前日比-920円):昨夜のNY原油先物相場は、供給過剰懸念が再燃する中、大幅続落した。史上最高値を更新して始まった米株相場が下落に転じたことも、同様にリスク資産とされる原油相場の下落要因となった。東京石油市場は、海外原油が続落したことを受け前日に引き続き下落した。景気減速による石油需要の下振れ観測のほか、石油輸出国機構(OPEC)加盟国以外の産油国が増産する見通しであることから供給過剰が懸念されている。米中の通商協議停滞や、香港人権法案にトランプ米大統領が署名した場合の対立悪化も懸念要因。米石油協会(API)が発表した米週間石油在庫統計で、原油在庫は市場予想以上に増加したが、時間外取引でNY原油はしっかり。円相場は108円半ばで円買いが優勢。日中取引開始後、東京原油先限は下落。3万7600円付近で推移しており、夜間取引で3万7530円まで下げた後の戻りは限定された。米下院に続き、香港人権法案が米上院を通過した。トランプ米大統領が署名すれば法案が成立する。米中通商協議が第1弾合意に向けて進展していないとみられているなかで、本法案が成立すると中国の反発が強まり、協議に影響する可能性が高い。ただ、香港の民主主義を守ろうとする市民をないがしろにすれば、来年の米大統領選に響くであろう。需給要因と政治情勢ともに原油相場に対して弱材料が噴出している。原油は、300円安~920円安、ガソリンは、800円安~950円安、灯油は、690円安~920円安。

ゴム

東京ゴムRSS先限帳入値186.1円(前日比+3.5円)ゴムTSR先限帳入値149.1(前日比0円)東京ゴムRSS3号は、軒並み上伸。寄り付きでは、米中合意に対する先行き不透明感から、売りがやや優勢となった。だが、日中取引の上海ゴムが地合いを引き締めると、東京も買いが先行し、先限は7月26日以来の高値となる187.0円まで水準を引き上げた。TSR20は、総じて堅調。東京先限は、これまで上値を抑えられてきた節目の185円を上抜き、一時187.0円まで水準を引き上げた。これで次の上値目標は、7月25日の高値188.9円となる。同水準も突破すれば、節目の190円を試すことになる。ただ、出来高を伴っていないことから、上海市場や産地相場が軟化すると、薄商い中、まとまった売りが持ち込まれ、急落する可能性があるので注意したい。

とうもろこし・大豆

コーン先限帳入値22850円(前日比+190円)東京コーンは、反発。シカゴ反発を背景に夜間取引から買い優勢となり、その流れを引き継いでいる。先限を含む複数限月が3ケタ高。先限は夜間取引の高値2万2880円に届いてないが、2万2800円台で堅調に推移。東京コーンは閑散商いでローカル色の強い商状を継続。シカゴコーンが反発し、中心限月の期近12月限が370セントを維持して引けたことで、戻り売りは一服。買い戻しが先行ムード。自律修正高の域だが、先限は前日の安値2万2610円から約200円以上離れ、下値不安はやや後退。


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