朝刊:2020/05/11

米雇用統計の結果は悪いものの、予想より数字は良かったのでダウは続伸。ゴールドはドルがしっかりの為反落。オイルはリグ数減少懸念から反発。

NY為替

ニューヨーク外国為替市場で円相場は続落し、前日比40銭円安・ドル高の1ドル=106円60~70銭で取引を終えた。朝方に発表された4月の米雇用統計は大幅に悪化したが、市場予想の範囲内だった。戦後最悪の数字となったものの、予想ほどは悪くなかったことから、ドル円は買いの反応を見せていた。一時106.70円近辺まで上昇したものの、その後はロンドンフィキシングに向けてドル売りの動きが強まり、ドル円も伸び悩んだ。米雇用統計については、様々な見方が出ているが、失業率は実際にはさらに高かった可能性があるとの指摘も聞かれる。雇用統計はアンケート調査だが、労働者が現在の状況を失業と捉えていないケースもあり、それが無ければ、失業率は20%近くに上昇していた可能性があるとの見解も出ている。数字の解釈はいずれにしろ、市場はリスク選好の反応を見せている。ただ、ドル円は107円を試す雰囲気までには至っていない。金曜日も実需のドル売りのフローが観測され、ドル円の上値を抑えた。ドルを売る特段の材料は見当たらないが、前日もロンドンフィキシングの前と後でドルは急速に流れを変えていた。先週のFOMCや米GDP、そして、きょうの米雇用統計といった重要イベントを通過して、市場はリスク回避の雰囲気を強めていない。これまでリスク回避のドル買いから、ドルロングを積み上げていた向きからのポジション調整が出ているのかもしれない。ただ、その動きが一巡すると、再び買いが優勢となっており、106.70円付近に戻している。

NYダウ

週末の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。前日比455ドル43セント(1.9%)高の2万4331ドル32セントとほぼこの日の高値で終えた。新型コロナウイルスの発生源を巡る米中対立が先鋭化するとの懸念が後退し、市場心理が改善した。終値の前日比は、ナスダック総合指数が141.66高の9121.32、S&P500が48.61高の2929.80。朝方発表になった米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)は2050万人減、失業率は14.7%となった。戦後最悪の数字になったものの、予想ほどは悪くなかったことから、株式市場はポジティブな反応が見られた。米雇用統計については、様々な見方が出ているが、失業率は実際にはさらに高かった可能性があるとの指摘も聞かれる。雇用統計はアンケート調査だが、労働者が現在の状況を失業と捉えていないケースもあり、それが無ければ、失業率は20%近くに上昇していた可能性があるとの見解も出ている。カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁も先日、実際の失業率は23%から24%となる可能性があるとの見方を示していた。数字の解釈はいずれにしろ、予想ほど悪化しなかったことで市場には安心感が出た模様。来週から本格化する経済再開を引き続き好感している。封鎖解除後の経済再建について、市場からはスピード感に疑問も出ているものの期待感は高まっているようだ。

NY貴金属

ニューヨーク金は反落、銀は続伸。終値の前日比は、金が11.9~8.5ドル安、中心限月の6月限が11.9ドル安、銀が17.1~19.5セント高、中心限月の7月限が18.8セント高。金6月限は反落。時間外取引では、4月の米雇用統計の発表待ちムードのなか、押し目は買われ、終盤は小高く推移。日中取引では、4月の米雇用統計が事前予想ほど悪化しなかったことから、売り優勢となった。中盤に戻り歩調となり、小高くなったが、1727.3ドルで上値を抑えられた。後半から終盤は、ドル堅調から再度、売り優勢。1700ドルが支持線ながら軟調に引けた。米10年債利回り上昇も圧迫要因となり、週末を控えて買い玉の整理が進んだ商状となった。米中の関係悪化への懸念が和らぎ、米株式相場が上昇した。リスク回避時に買われやすい金には売りを促した。銀7月限は時間外取引で小幅続伸で推移。日中取引は金の軟化が圧迫要因ながらも株高に支援され、4月16日以来の高値となる1598セントまで上昇。16ドルの節目が抵抗線になり、利食い売りなどで上げ幅を縮小したが、堅調に推移した。

NY原油

NYMEXで原油先物相場が3日ぶりに反発した。WTIで期近の6月物は前日比1.19ドル(5.1%)高の1バレル24.74ドルで終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比1.19~1.34ドル高。その他の限月は1.53~1.82ドル高。米雇用統計は数値的には戦後最悪となったものの、新型コロナウィルスの感染が深刻化するなか、予想したほど悪くなかったとの見方で、米株が上伸したことで、原油も崩れることなく堅調な展開。また、米国の時間帯の後半に発表された稼働中の原油掘削装置(リグ数)が大きく減少して、リーマンショック時以来の低水準となったことで、一段高となる。6月限は、アジアの時間帯の時間外取引ではおおむね23ドル台後半で推移していたが、欧州の時間帯に入ると、24ドル台に乗せて一段高となった。結局、その時に付けた24.99ドルがこの日の高値となり、そのあと米国の時間帯の前半に再び23ドル台まで下落した。しかし、中盤以降は再び24ドル台に乗せて一段高となった。ただ、この日の高値には届かなかった。

シカゴコーン・大豆

コーンは総じて続伸。終値の前営業日比は変わらず~3.00セント高。中心限月の7月限は1.25セント高の319.25セント。大豆は続伸。終値の前営業日比は6.25~8.00セント高。中心限月の7月限は6.25セント高の850.50セント。前日報告された中国の大口の買い付けで地合いが引き締まるなか、米コーンベルトの季節外れの低温により発芽が遅れることが懸念されていることで、さらに戻す展開となった。寒気は今週末がピークになると予想されており、広範に凍結注意報が出ている。一方、12日の米農務省(USDA)の月例需給報告で、米国産の旧穀の期末在庫見通しがかなり上方修正されそうなことや、今回から発表が開始される新穀の期末在庫も高水準になりそうなことで上値も比較的抑えられた。


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