朝刊:2020/05/12

コロナ感染第二派襲来を警戒し、ダウは三日ぶりに反落。ゴールドもドル高により売られる。オイル今後の過剰在庫見通しから反落。

NY為替

ニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、前週末比1円円安・ドル高の1ドル=107円60~70銭で取引を終えた。市場は経済再開後の感染第2波への不安が広がり、先週までのリスク選好の雰囲気は一服していた。為替市場ではドル買いの反応が優勢となったほか、円安の動きも見られた。先週の米雇用統計は戦後最悪の内容となったものの、市場予想は上回っていた。ただ、既に織り込んでいたこともあり、為替市場はさほど大きな反応は見せなかった。先々週のFOMCから先週の米雇用統計まで一連の重要イベントを通過したことでポジション調整が出ているとの指摘も聞かれる。ドル円は瞬間的に105円台に下落する場面も見られたが、心理的節目の105円の水準を試す動きまでは見せず、106円台半ばの水準を維持していた。ショート勢も一旦巻き返しを入れていた可能性もありそうだ。一部からは今週水曜日のパウエルFRB議長の演説を指摘する声も聞かれる。短期金融市場ではFRBがマイナス金利を採用するとの期待を織り込んでいる。ただ、それについてはFRB内では反対の意見も多く、きょうもエバンス・シカゴ連銀総裁やボスティック・アトランタ連銀総裁から否定的な見解が示されていた。パウエル議長も否定して来るのではとの思惑もあるようで、その場合、ドル買いの反応が出るとの期待もあるのかもしれない。ただ、ドルは既に十分高い。いずれにしろ、マイナス金利に関して何らかのヒントが出るか注目される。ユーロドルは売りが強まり、1.08ドル台前半に下落。1.08ドルちょうど付近での買い圧力も強いようで、1.08ドル台は維持されている。ユーロに関しては二つのテーマが上値を重くしているようだ。

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は前週末比109ドル安の2万4221ドルと3営業日ぶりに反落した。中国や韓国での新型コロナウイルスの新たな感染拡大の報道を受け、米国での感染第2波を警戒する売りが出た。終値の前日比は、ナスダック総合指数が71.02高の9192.34、S&P500が0.39高の2930.19。序盤から売りが先行して始まり、ダウ平均は261ドル安まで下落する場面が見られた。先週は経済再開への期待から買いが強まり、ダウ平均は節目となっている2万4000ドルの水準を突破して来た。その反動が出ているのと、韓国でウイルス感染者数が再び急増したことや、ペンス米副大統領が自身の報道官1人の陽性が判明し、週末の間ホワイトハウスから自らを隔離するなど、感染への懸念が株式市場の上げを一服させていた。今週以降、各州で経済が再開される方向だが、感染第2波への不安感が出ている模様。先週までの経済再開に対する期待からの株価上昇は楽観的過ぎとの指摘も聞かれる。米大手証券からは、新型ウイルス感染の悪影響をはねのけようと、この数週間に財政と金融の両面で政策が講じられ、金融危機は無事回避されたが、それでも経済が平時に戻るのはまだ遠い先のことで、投資家は先を急ぎ過ぎたと指摘。株価指数は20%近く下落を予想しているという。

NY貴金属

NY金は続落、銀は反落。終値の前日比は、金が16.8~14.3ドル安、中心限月の6月限が15.9ドル安、銀が11.0~7.8セント安、中心限月の7月限が9.8セント安。金6月限は続落。時間外取引では、押し目を買われる場面も見られたが、ドル安が一服すると、戻りを売られた。日中取引では、ドル高を受けて軟調となった。外国為替市場でドルがユーロや円など主要通貨に対して上昇し、ドルの代替投資先とされる金先物の売りにつながった。銀7月限は金軟調やドル高を受けて売り優勢となった。ニューヨーク金6月限は続落。時間外取引では1696.5~1713.8ドルのレンジで推移、前日比10.4ドル安の1703.5ドルとなった。6月限は、安寄りしたのち、押し目を買われたが、ドル安が一服すると、戻りを売られた。欧州時間に入ると、下げ幅を拡大した。日中取引は、押し目を買われたが、ドル高を受けて1712.6ドルで戻りを売られた。時間外取引の安値を割り込むと、テクニカル要因の売りが出て1692.1ドルまで下落した。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は反落した。WTIで期近の6月物は前週末比0.60ドル(2.4%)安の1バレル24.14ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比1.09~0.60ドル安。その他の限月は1.43~0.98ドル安。新型コロナウイルスの流行拡大は世界的に抑制されているものの、石油需要の回復は道半ばで、過剰在庫がさらに積み上がる見通しであることが相場を圧迫した。流行の抑制に成功した各国は都市封鎖などを緩め、経済活動を段階的に再開しているが、本格的な再開時期は不透明である。今月から石油輸出国機構(OPEC)加盟国を中心とした産油国が日量970万バレルの減産を開始しているなかで、サウジアラビアのエネルギー省が同国の国営石油会社であるサウジアラムコに対して6月に日量100万バレルの追加減産を行うことを指示したと報道があったが、上値は限定的だった。追加減産を実施しても、供給過多の需給バランスに変化はないとみられている。

シカゴコーン・大豆

コーンは総じて反落。終値の前営業日比は1.50セント安~変わらず。中心限月の7月限は0.75セント安の318.50セント。大豆は揃って続伸。終値の前営業日比は2.00~4.50セント高。中心限月の7月限は4.50セント高の855.00セント。12日に米農務省(USDA)の月例需給報告が発表されるため、様子見ムードが強まった。米国の旧穀期末在庫見通しの上方修正観測に加え、今月から発表が開始される新穀の期末在庫の高水準予測、また米産地での順調な作付ペースも上値を抑制する要因になった。ただ、週末の米産地での冷え込みによるダメージに対する懸念も強く、下げ幅は限られた。7月限は、320.75セントで取引を開始した後は欧州の時間帯を追えるまでは320.50~322.75セントのレンジ内で高下。こう着状態にあったが、シカゴの時間帯を迎えると急速に地合いが軟化した。USDA月例需給報告ではエタノール生産の低迷が続くなか、期末在庫量の上方修正見通し、20/21年度の期末在庫量が高水準になるとの見方が弱材料となった。


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