朝刊:2020/05/14

パウエルFRB議長の発言は、市場から早期経済回復期待感を吹き飛ばし、大幅続落。ゴールドはしっかりで続伸。オイルは期近は反落。

NY為替

ニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比10銭円高・ドル安の1ドル=107円00~10銭で取引を終えた。ドル円はNY時間の早朝に106.75円近辺まで値を落としていたが、パウエルFRB議長のビデオ会議でのスピーチを受けてドルは買い戻しが強まり、ドル円は107円台を回復。議長は「我々が期待するより数ヵ月長く回復にかかる可能性がある」と言及。一方、注目されたマイナス金利に関しては「現時点で検討の対象ではない」と否定した。マイナス金利については、他のFOMCメンバーも否定的な見解が多く、議長も否定して来た。予想通りではあるものの、為替市場は改めてドル買いの反応を見せたようだ。また、議長の発言を受けて米株式市場に戻り売りが強まり、リスク回避のドル買いも加わった。市場では、感染第2波への不安感や米中対立への懸念はあるものの、経済再開への期待感が投資家のセンチメントを維持していた。そのような中でのパウエル議長の発言に失望感が広がったようだ。ただ、ドル円は107円台に入ると上値が重いようだ。米株式市場でダウ平均が一時700ドル近くまで下落する中、リスク回避の円買いも出ている。クロス円は下落。ドル円は再び21日線を下回る展開を見せている。週初に買い戻しが強まり、反転の兆しも見せていたものの、テクニカル的にはなお、下向きの流れを維持している気配だ。目先は今月の安値106円ちょうどの水準が下値メドとして意識される。ユーロドルはNY時間に入って戻り売りに押され、1.08ドル台前半に値を戻した。NY時間の早朝には一時1.09ドル台をうかがう動きも見せていた。しかし、パウエルFRB議長の発言を受けて、リスク回避のドル買いが強まる中、ユーロドルは伸び悩む動き。きょうの21日線は1.0855ドル付近に来ているが、その水準を一時回復したものの、再び下回っている状況。下値の底堅さも見られては来ているものの、依然として上値は重いようだ。

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比516ドル81セント(2.2%)安の2万3247ドル97セントで終えた。一時700ドル近く下落する場面も見られた。終値の前日比は、ナスダック総合指数が139.38安の8863.17、S&P500が50.12安の2820.00。取引開始前にパウエルFRB議長のテレビ会議でのスピーチが伝わり、議長は「我々が期待するより数カ月長く回復にかかる可能性がある」と言及したことで、市場は回復は期待よりも遅いのではとの警戒感を強めた。一方、注目されたマイナス金利に関しては「現時点で検討の対象ではない」と否定。市場では、感染第2波への不安感や米中対立への懸念はあるものの、経済再開への期待感が投資家のセンチメントを維持していた。そのような中でのパウエル議長の発言に失望感が広がったようだ。

NY貴金属

金は続伸、銀は反落。終値の前日比は、金が8.2~9.6ドル高、中心限月の6月限が9.6ドル高、銀が6.6~2.4セント安、中心限月の7月限が3.8セント高。金6月限は続伸。時間外取引では、新型コロナウイルス感染の第2波に対する懸念などを受けて堅調となった。日中取引ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が長期にわたり成長が低迷するとし、株安に振れたことを受けて上値を伸ばした。景気停滞が長引くとの警戒感から実物資産の裏付けがある金には買いが優勢となった。銀7月限は金堅調につれ高となる場面も見られたが、ドル高を受けて上げ一服となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が長期にわたり成長が低迷するとし、株安に振れたことを受けて上値を伸ばした。前日の高値を突破すると、テクニカル要因の買いが入って1726.5ドルまで上昇した。その後はドル高を受けて上げ一服となったが、押し目は買われた。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は反落した。WTIで、期近の6月物は前日比0.49ドル(0.2%)高の1バレル25.29ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比0.65~0.49ドル安。その他の限月は0.65ドル安~0.61ドル高。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、新型コロナウイルスによる打撃から回復が勢いづくまで時間がかかるとし、慎重な景気見通しを示したことが重しとなった。これまでの景気対策に加えて、財政や金融政策の両面で追加的な支援が必要になるほど景気回復に向けたリスクが伴っているとの見解を述べた。米株式市場は下落し、米長期債が買われるなど、金融市場はリスク回避に傾いている。外為市場では逃避通貨である円やドルが買われた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報では、市場予想に反して原油在庫が減少したほか、石油製品需要は一段と回復していたものの、買いは続かなかった。米原油生産量が30万バレル減の日量1160万バレルまで減少したことや、原油輸出が堅調さを維持する一方で輸入が減少傾向にあることが原油在庫の取り崩しにつながった。製油所稼働率は前回の70.5%から67.9%まで低下した反面、石油製品需要は前週比146万バレル増の日量1681万4000バレルまで一段と回復した。

シカゴコーン・大豆

コーンは概ね反落。終値の前営業日比は4.00セント安~0.25セント高。中心限月の7月限は4.00セント安の318.25セント。大豆は総じて続落。終値の前営業日比は13.25~5.50セント安。中心限月の7月限は12.50セント安の839.50セント。米コーンベルトでの気温上昇予測とこれに伴う生育環境改善見通しを受けて売り優勢で運ばれた。一方、週間エタノール生産量は回復、在庫は減少が報告されたものの、エタノール生産量は依然として過去最少量に近い水準にとどまっていることが嫌気された。7月限は322セントで取引を開始したが、これがこの日の高値となった。その後のアジアから欧州の時間帯は概ね320.25セントを下値支持線として意識する中でのもちあいとなったが、シカゴの時間帯を迎えると急速に軟化し、一気に317.75セントの安値まで値を落とした。季節外れの低温に見舞われている米産地ではすでに気温上昇の兆しが見られていることに加え、週後半には平年並み水準まで気温が上昇すると予測されていることで低温懸念が後退したことが背景。


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