朝刊:2020/05/22

ゴールドは大幅反落。ダウも軟調。オイルは小幅高。経済の楽観ムードは本物か見極めが必要。

NY為替

ニューヨーク外国為替市場で円相場は小反落し、前日比5銭円安・ドル高の1ドル=107円55~65銭で取引を終えた。米中対立への警戒感から、流動性の確保を目的としたリスク回避のドル買いが優勢だった。そのような中でややドル高の動きも見られていた。市場では経済再開への期待と伴に米中対立への懸念も強まっている。トランプ大統領が議会に、中国に対する戦略的なアプローチについて書簡を送付したこともドル買いの手掛かりになっているようだ。ドル円もやや買いの動きが見られていたが、108円台を目指す動きまでは見られず、相変わらず107円台での膠着した値動きが中心。この日の米経済指標は強弱まちまちの内容だったが、特に反応は限定的となった。注目の米新規失業保険申請件数も発表され、申請件数は243.8万件と予想を上回ったものの、特に悪材料視されていないようだ。明日は日銀の緊急会合が予定されており、ドル円にとっては注目の材料となりそうだ。日銀は中小企業などへの新たな資金繰り支援制度を正式に決める見通しだ。一方、金融政策については現状維持が見込まれている。

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は反落した。前日比101ドル78セント(0.4%)安の2万4474ドル12セントで終えた。終値の前日比は、ナスダック総合指数が90.89安の9284.88、S&P500が23.10安の2948.51。寄り付きは売りが先行し反落して始まったものの、売りが一巡すると直ぐに買い戻しも見られていた。ただ、今週の大幅上昇からの上げが一服しており、利益確定売りが出ているようだ。ただ、下値では押し目買い意欲も強く、底堅い推移が続いている。このところの市場は米中対立がエスカレートするリスクを感じながらも、経済再開に伴う景気回復に楽観的で、特にIT・ハイテク株中心に最高値を更新する動きが見られていた。ただ、一部からは、米中対立を市場は過度に楽観視しているとの苦言も聞かれる。ウイルス感染とそれに伴う深刻な景気低迷により、米中合意第1弾の達成ははるかに困難になっているとの指摘も聞かれる。トランプ大統領による習近平国家主席への非難のほか、きのうはポンペオ米国務長官が、習主席が新型ウイルス対策費として20億ドルの拠出を打ち出したことに対して「無礼」と述べていた。取引開始前に米新規失業保険申請件数が発表になっていた。申請件数は243.8万件と予想を上回ったものの、特に悪材料視されていない。ダウ採用銘柄ではボーイングに買いが強まり指数をサポート。そのほか、トラベラーズやレイセオンも買われている。一方、エクソンモービルやインテル、IBM、JPモルガン、ディズニーが下落。

NY貴金属

ニューヨーク金、銀は反落。終値の前日比は、金が31.6~28.7ドル安、中心限月の6月限が30.2ドル安、銀が66.7~64.3セント安、中心限月の7月限が66.7セント安。金6月限は反落。時間外取引では、ドル高を受けて戻りを売られて軟調となった。日中取引では、欧米の総合購買担当者景気指数(PMI)の改善やドル高を受けて下げ幅を拡大した。ドルの代替資産とされる金の売りが優勢になった。週初に上値を試す展開となっていたため、利益確定や持ち高調整の売りも出た。銀7月限は金軟調やドル高を受けて売り優勢となった。ニューヨーク金6月限は反落。時間外取引では1731.0~1751.7ドルのレンジで推移、前日比15.1ドル安の1737.0ドルとなった。6月限は、安寄りしたのち、ドル高を受けて軟調となった。日中取引は、ユーロ安一服を受けて押し目を買われた。ただ欧米の総合購買担当者景気指数(PMI)の改善などを受けて1743.4ドルで上げ一服となると、ドル高をきっかけに戻り売り圧力が強まった。時間外取引の安値を割り込むと、テクニカル要因の売りを巻き込んで1715.3ドルまで下落した。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は続伸した。WTIで期近の7月物は前日比0.43ドル(1.3%)高の1バレル33.92ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比0.40~0.43ドル高。その他の限月は0.60ドル安~0.48ドル高。前日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報で原油在庫が2週連続で減少し、供給過剰が改善に向かう兆候があることが相場を押し上げた。新型コロナウイルスの流行の抑制に成功した各国は経済活動を段階的に再開し、石油需要は回復しつつある。石油輸出国機構(OPEC)加盟国を中心とする主要な産油国が日量970万バレルの減産を行っていることも需給の改善に寄与している。6月にはサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、クウェートが自主的に減産を強化する予定。米国と中国の対立が強まっていることは懸念要因。急激に縮小している世界経済の見通しをさらに不透明するリスクがある。22日に開幕する中国の全国人民代表大会(全人代)で国家安全法が採決され、混乱する香港の治安維持を強化する取り組みが強化される見通し。一方で、香港情勢を巡り、米上院議員らが中国に制裁を科す法案を提出するとの報道がある。

シカゴコーン・大豆

コーンは期近が続落。終値の前営業日比は1.75~0.25セント安。中心限月の期近7月限は1.75セント安の317.75セント。大豆は大幅反落。終値の前営業日比は11.75~0.75セント安。中心限月の期近7月限は11.75セント安の835.00セント。米中対立に対する懸念や大豆市場の軟調な足取りが売りを呼ぶ要因となった。また、米産地の一部では洪水が発生していることで生育に対する影響が懸念される一方、異例の寒波に見舞われながらも5月17日時点の作付及び発芽ペースが平年を上回っていることが明らかになったことを受けて米産地の生育に対する安心感が強まったことや、USDA週間純輸出成約高が前週比で大きく減少したことも弱材料となった。


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