朝刊:2020/05/29

全人代も終わりダウも一服。3営業ぶりに反落。ゴールドは小幅続伸。オイルは反発。

NY為替

ニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に反発し、前日比5銭円高・ドル安の1ドル=107円60~70銭で取引を終えた。ユーロドルやポンドドルなどの上昇、ユーロ円やポンド円などの上昇が優勢で、ドル安円安の動きが強まる中で、ドル円はドル売りと円売りに挟まれる形で、動きが膠着した。米株が引け前まで堅調。ダウ平均株価は寄り付き後にいったんマイナス圏も、その後200ドル高近辺まで上昇を見せるなど、株高の動きが目立つ中で、リスク選好の円売りに。一方でリスク選好がドルのひっ迫感後退を誘いドル売りにもつながるという流れが見られた。引けにかけてはポジション調整が強まり、マイナス圏に値を落とした。中国全人代最終日の28日、東京市場午後に採択された香港に対する国家安全法は、圧倒的多数で賛成可決した。基本的に採決が否決されることはないということもあり、織り込み済みであったあ、今後の米中関係などへの警戒感を誘う格好に。ドル円にとっては若干のドル売り円買い材料となった。

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比147ドル63セント(0.6%)安の2万5400ドル64セントで終えた。朝方いったんマイナス圏に落とした後、すぐにプラス圏に浮上し、その後前日比200ドル高近辺まで上値を伸ばしたが、引けにかけて株安の動きが一気に強まり、マイナスに転じている。28日東京時間午後に閉幕した中国の全人代(全国人民代表大会)において、香港に対する国家安全法が可決成立したことを受けて、トランプ大統領が29日にも会見を行うと発表。香港に対するこれまでの優遇措置の解除などが示されると見られ、米中関係の悪化が強まるとの懸念が、引け前のNY市場でのポジション調整売りを誘ったとみられている。終値の前日比は、ナスダック総合指数が43.37安の9368.99、S&P500が6.40安の3029.73。ダウ平均株価は14銘柄がプラス圏、16銘柄がマイナス圏とまちまち。朝から相場を支えた医薬品・衛生用品は堅調地合いを維持し、医薬品大手メルク及びファイザーはともにしっかり。衛生用品大手ジョンソンエンドジョンソン及びP&Gも強い。銀行株に売りが出てゴールドマンサックスが4%超の下げに、JPモルガンチェースも弱い。その他売られたのが、米中関係の悪化による原油需要の減退懸念からの石油関連株。石油メジャーのエクソンモービル、シェブロンはともに大きく下げた。

NY貴金属

金、銀は総じて続伸。終値の前日比は、金が変わらず~3.5ドル高、中心限月の8月限が1.5ドル高、銀が変わらず~21.6セント高、中心限月の7月限が21.0セント高。金8月限は反発。時間外取引では、中国が香港の国家安全法を制定するとの見通しを受けて堅調となった。日中取引では、米経済指標の悪化を受けて1743.7ドルまで上昇したのち、株高を背景に利食い売りが出て上げ一服となった。外国為替市場ドルがユーロなど主要通貨に対して売られ、ドルの代替投資先とされる金先物の買いを誘った。米中対立への警戒感もリスク回避の際に買われやすい金先物の上昇につながった。銀7月限は金堅調につれ高となった。ニューヨーク金8月限は反発。時間外取引では1720.0~1741.9ドルのレンジで推移、前日比10.3ドル高の1737.1ドルとなった。8月限は、安寄りしたのち、中国が香港の国家安全法を制定するとの見通しから押し目を買われて堅調となった。日中取引は、米経済指標の悪化を受けて1743.7ドルまで上昇した。その後は、香港の国家安全法を非難する共同声明が出たが、株高を背景に利食い売りが出て上げ一服となった。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は反発した。WTIで期近の7月物は前日比0.90ドル(2.7%)高の1バレル33.71ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比0.83~0.90ドル高。その他の限月は0.53~1.06ドル高。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報で、輸入の増加を背景に原油在庫は増加したものの、製油所稼働率がやや上昇し、在庫の取り崩し圧力が高まっていることが相場を押し上げた。製油所稼働率は71.3%と依然として低水準にあるが、コロナショックを経て上向く兆候がある。原油生産量が日量1140万バレルまで減少し、生産調整が続いていることや、ガソリン需要が日量725万3000バレルと回復傾向にあることも支援要因。ただ、石油製品需要は全体で日量1595万8000バレルと、2週連続で減少した。中国の全国人民代表大会が香港の国家安全法を制定する方針を採択したことも上値を抑えた。中国と西側諸国の対立が深まることによる景気見通しの悪化が警戒されている。国際社会は反発を強めており、米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は「米国として見過ごすことはできない」、「中国は極めて大きな過ちを犯した」と批判した。中国当局は香港の人権や自由を制限する本法案の詳細を今後数カ月間かけて整備する。

シカゴコーン・大豆

コーンは総じて続伸。終値の前営業日比は2.75~7.00セント高。中心限月の期近7月限は7.00セント高の327.50セント。大豆は概ね反落。終値の前営業日比は1.50安~0.50セント高。中心限月の期近7月限は1.50セント安の847.00セント。米産地での降雨過多による作付及び生育遅延懸念に加え、米コーン産地では来週に高温乾燥の天気が広がるとの予測が発表されたことが強気要因となった。また、米エネルギー省(EIA)の発表で、週間エタノール生産量が需要増加で増産する一方で在庫が減少していることも買いを支援したほか、欧米株式市場の堅調な足取りも強気材料視された。7月限は320.25セントで取引を開始。その後は欧州の時間帯を終えるまで概ね320.50~322.00セントの狭いレンジ内での高下にとどまった。シカゴの時間帯を迎える頃に売られて319.50セントの安値を付けたが、その後は米産地での降雨過多に伴う作付及び生育遅延に加え、来週には気温が上昇し高温乾燥に見舞われる地域が見られるとの予報が手掛かりとなって買いの手が膨らみ320セント台後半まで上昇。


掲載内容は情報提供を目的としております。情報につきましては細心の注意を払っておりますが、正確さを保証するものではありません。また、取引における判断はお客様ご自身で行って下さい。