朝刊:2020/08/28

FRB議長の講演を受けて、商品市場は乱高下。ゴールドは急反落。オイルは反落。ダウは続伸。

NY為替

ニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比55銭円安・ドル高の1ドル=106円50~60銭で取引を終えた。この日のジャクソンホールでのFRBの年次シンポジウムで行われたパウエルFRB議長の講演を受けて、為替市場は上下動した。議長は金融政策の枠組みについて、平均で2%のインフレ目標に言及し、景気低迷期にはインフレが2%超に上昇しても、しばらく容認する姿勢を滲ませた。金融政策をインフレから雇用重視にシフトし、景気配慮型に変更したい意向を示している。これによりFRBが低金利を長期化させるとの思惑から、講演内容が伝わった直後はドル売りが強まり、ドル円も105.60円近辺まで急速に下落した。しかし、売りが一巡すると米国債利回りの上昇と伴にドルも買い戻しが強まり、ドル円はストップを巻き込んで106円台半ばに上昇。目まぐるしい動きが見られたが、特に議長の発言からはドルを買い戻す材料はない。平均2%のインフレ目標というのは、既に市場でもコンセンサスができていた内容でもあり、ドルもそれを十分織り込んでいた。月末接近もあり、ある種、材料出尽くし感が強まったのかもしれない。

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比160ドル35セント(0.6%)高の2万8492ドル27セントと約半年ぶりの高値で終えた。終値はナスダック総合指数が39.73安の1万1625.34、S&P500が5.82高の3484.55。取引開始前に伝わったFRBの年次シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演を受けて、株式市場は買いが先行した。ダウ平均は一時302ドル高まで上げ幅を拡大。議長は金融政策の枠組み見直しについて、平均で2%のインフレ目標に言及し、景気低迷期にはインフレが2%超に上昇しても、しばらく容認する姿勢を滲ませた。金融政策をインフレから雇用重視にシフトし、景気配慮型に変更したい意向を示している。株式市場はこの変更により、FRBが低金利を長期化させ、株式市場はサポートされるとの思惑からポジティブな受け止めとなった模様。きょうは物色の矛先が銀行や産業株に向かい、その一方で、IT・ハイテク株は利益確定売りが強まった。また、マイクロソフトとウォルマートの上げがダウ平均をサポート。マイクロソフトによるTIKTOKの買収が数日中に決まるとし、規模は200億~300億ドルになると報じられた。マイクロソフトの買収にウォルマートも参加すると伝わった。ウォルマートは長期的戦略の一環としている。

NY貴金属

ニューヨーク金、銀は急反落。終値の前日比は、金が21.7~19.1ドル安、中心限月の12月限が19.9ドル安、銀が42.4~39.2セント安、中心限月の12月限が40.6セント安。金12月限は急反落。時間外取引では、ドル高を受けて戻りを売られて軟調となった。日中取引では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演でインフレ容認が示されたことを受けて急伸したが、ドル高に転じたことから戻りを売られて急落した。長期金利が上昇し、金利がつかない資産である金は売り優勢になった。銀12月限はドル高や金急落を受けて戻りを売られた。ニューヨーク金12月限は急反落。時間外取引では1944.2~1963.3ドルのレンジで推移、前日比4.2ドル安の1948.3ドルとなった。12月限は、高寄りしたのち、ドル高を受けて戻りを売られて軟調となった。日中取引は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演でインフレ容認が示されたことを受けて急伸し、19日以来の高値1987.0ドルを付けた。その後は米国債の利回り上昇からドル高に転じたことを受けて急落した。序盤の安値を割り込むと、テクニカル要因の売りが出て1914.7ドルまで下落した。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は反落した。WTIで期近の10月物は前日比0.35ドル(0.8%)安の1バレル43.04ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比0.38~0.35ドル安。その他の限月は0.49~0.39ドル安。一時カテゴリー4まで勢力を強めたハリケーン「ローラ」が米メキシコ湾岸に上陸し、テキサス州やルイジアナ州に被害を発生させたことが重しとなっている。ハリケーンによる経済的な損害は、コロナ禍から立ち直る過程にある米経済をさらに圧迫する。ルイジアナ州レイクチャールズ付近に被害が集中しているもよう。ただ、全容はまだ明らかではないが、大都市を直撃しなかったことから想定よりも被害は限定的だった。ビューモントやポート・アーサーなどがあるテキサス州東部のジェファーソン郡の当局者によると、大規模な停電は発生したものの、物的な損害や洪水はなかった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレ率の加速を許容する柔軟な姿勢を示し、雇用市場の回復を重視する方針を示したことは支援要因だが、あまり材料視されていない。米新規失業保険申請件数の減少も手がかりにはならず。

シカゴコーン・大豆

コーンは概ね反発。終値の前営業日比は出来高の薄い先限が0.25セント安となったが、それ以外が0.25~4.25セント高。中心限月の12月限は4.25セント高の358.50セント。大豆は期近が大幅続伸。終値の前営業日比は3.50~17.75セント高。中心限月の期近11月限は17.75セント高の942.00セント。USDAが中国向けの大口成約を発表したことや、ハリケーン・ローラの上陸にもかかわらず、米産地の土壌水分が乾燥している地域に降雨をもたらすことは可能性は低いとの予測が買い支援要因となった。ただ、これまでの上昇でイールド低下観測はすでに織り込まれた感が強いうえ、イールドが引き下げられても需給は潤沢となるとの見通しが重石となり、上げ幅は限られた。12月限は、引けにかけて値位置を切り上げる足取りながら上昇に対する抵抗も同時に窺わせる足取りとなった。


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