朝刊:2020/11/10

バイデン氏勝利宣言でリスク選好。ダウは大暴騰、ゴールドは急反落。オイルは急反発。

NY為替

ニューヨーク為替市場は円安が強まり、ドル円はストップを巻き込んで一気に105円台を回復した。ファイザーが取引開始前にドイツのビオンテックと共同開発している新型ウイルス向けワクチンの臨床試験の中間結果で、良好な暫定結果を報告したことで、市場のムードが高まった。米株式市場でダウ平均が一時1600ドル超上昇するなど、市場全体にリスク選好の雰囲気が強まる中で、ドル円は急速に買い戻され本日安値から200ポイント超急上昇した。米大統領選ではバイデン候補が勝利を宣言し、市場の不透明感が緩んでいる。今年の最重要イベントが通過し、市場も米欧で拡大しているウイルス感染の動向に関心を向けようという最中に、ファイザーの発表は敏感に反応せざるを得なくさせたようだ。これまで先行きへの不安感が消えなかった中で為替市場では、安全通貨としての円への買いが根強く続いて来た。きょうの流れが本格的なゲームチェンジャーになるのか、市場では判断目安としてドル円が105円台を維持できるのか注目している模様。リスク選好の雰囲気が強まる中で、米国債利回りも逃避買い需要の後退から急上昇している。米10年債、30年債利回りは3月以来の高水準に上昇しており、為替市場も途中からドルに買いが強まっている。ドル円は円安とドル高の二重の追い風に105.65円付近まで一時上昇した。ユーロドルは1.18ドル台前半に下落。序盤はリスク選好のドル売りからユーロドルは1.19ドル台に上昇したものの、1.19ドル台に入ると戻り売り圧力も強まり、1.18ドル台前半に下落した。ECBが12月に追加緩和を打ち出すことが確実視される中で、ユーロ自体も上値に慎重になっているのかもしれない。米商品先物協会(CFTC)が先週末に発表した建玉報告によると、レバレッジ・ファンドを含めて投機筋はユーロの買い越しを大きく減少させていた。

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反発した。前週末比834ドル57セント(2.9%)高の2万9157ドル97セントと2月中旬以来、ほぼ8カ月ぶりの高値で終えた。終値はナスダック総合指数が181.45安の1万1713.78、S&P500が41.06高の3550.50。取引開始前にファイザーがドイツのビオンテックと共同開発している新型ウイルス向けワクチンの臨床試験の中間結果で、良好な内容を報告したことが期待感を高めている。臨床試験には4万3538人のボランティアが参加しており、そのうち42%は多様な背景を持っている。感染歴の無い参加者のうち、90%以上が感染を予防したとしている。必要なマイルストーンが達成された場合、米FDAへの緊急使用許可(EUA)の申請は11月の第3週になるとも語った。米大統領選ではバイデン候補が勝利を宣言し、市場の不透明感が緩んでいる。今年の最重要イベントが通過し、市場もウイルス感染に関心を向けようという最中のファイザーの発表に市場は敏感な反応を示したようだ。パンデミックでこれまで下げが厳しかった航空株や旅行レジャー関連中心に買い戻しが強まったほか、米国債利回りが3月以来の水準に上昇しており、銀行株も上昇。原油高でエネルギー株も買われた。一方、逆にパンデミックによる巣ごもりで恩恵を受けてきたEコマース関連やテレワーク関連に売りが強まった。ウイルス感染の検査機器を手掛ける銘柄も下げが目立った。

NY貴金属

ニューヨーク金、銀は急反落。終値の前日比は、金が98.4~97.1ドル安、中心限月の12月限が97.3ドル安、銀が198.1~196.1セント安、中心限月の12月限が196.1セント安。金12月限は急反落。時間外取引では、米大統領選で民主党のバイデン元副大統領が勝利宣言をし、リスク選好の動きとなったことを受けて9月18日以来の高値1966.1ドルを付けた。日中取引では、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスのワクチン開発進展を受けてドル高に転じたことから急落した。一時は7月下旬以来の安値をつけた。9日の米債券市場で長期金利が急騰したことも、金利のつかない資産である金の売りにつながった。銀12月限は、ドル高や金急落を受けて戻りを売られた。ニューヨーク金12月限は急反落。時間外取引では1899.5~1966.1ドルのレンジで推移、前日比40.9ドル安の1910.8ドルとなった。12月限は、高寄りしたのち、リスク選好の動きを受けて堅調となり、9月18日以来の高値1966.1ドルを付けた。その後は、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスのワクチン開発進展を受けて急落した。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は大幅に反発した。WTIで期近の12月物は前週末比3.15ドル(8.5%)高の1バレル40.29ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比3.13~3.15ドル高。その他の限月は1.24~3.07ドル高。米製薬大手ファイザーが独ビオンテックと共同開発している新型コロナウイルスのワクチン候補が90%を超える確率で感染を防いだことが好感された。ファイザーが暫定結果として発表した。高齢者に対する有効性など詳細な結果はまだ判明していないほか、7月に始まった治験の2回目のワクチン接種がごく最近だったことなど、データはまだまとまっていないが、安全性の確認が終われば、月内にも米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可の申請を行う。これまでの治験参加者で重症者は一人も発生していない。混乱した米大統領選後、バイデン氏が勝利宣言を行い、金融市場がリスク選好的な雰囲気に包まれたことも支援要因。トランプ米大統領は敗北を認めていないものの、混乱が長引かなかったことが好感された。米上院の最終的な議席がまだ判明していないが、来年1月のジョージア州の決選投票で共和党が有利とみられていることは増税懸念を抑制している。時間外取引で12月限はしっかりと推移した後に急伸。一時41.33ドルまで上昇し、先月21日以来の高値をつけた。ただ、通常取引開始後は上げが一服している。改質ガソリンとヒーティングオイルは反発。ファイザーの発表で需要下振れ懸念が後退している

シカゴコーン・大豆

コーンは小幅高。終値の前営業日比は0.75~3.75セント高。中心限月の期近12月限は0.75セント高の407.50セント。大豆は期近の中心限月は反発。終値の前営業日比は、1.25セント安~9.50セント高。中心限月の期近1月限は9.00セント高の1110.50セント。      USDA発表の週間輸出検証高は前週を下回る弱気な内容ながら、ファイザーによる新型コロナウイルスワクチンの中間報告としての良好な暫定結果やこれを好感した欧米株高、そして大豆市場の堅調な足取りが買いを支援した。405.75セントで取引を開始した12月限は欧州の時間帯にかけて値を落とし、一時は401.75セントの安値を付けた。ただ、ファイザーによる新型コロナウイルスワクチンの中間報告の暫定結果が良好だったことを受けて新型コロナウイルス感染拡大による世界経済への影響に対する懸念が後退したほか、欧米株式市場が堅調となったことが買いを促し、シカゴの時間帯には浮上。シカゴの時間帯には一時は410.00セントの高値まで上昇した後は、南米諸国の降雨や弱気な輸出検証高報告が重石となって値を落としたものの、シカゴの時間帯後半は407セントを下値支持線とする高もみとなり、この水準を維持したまま取引を終えた。


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