朝刊:2020/11/11

ゴールドは大幅反発。ダウは続伸でリスク選好がさらに高まる。オイルも続伸。ドル円は105円台を堅持。

NY為替

ニューヨーク為替市場はドル買い戻しの流れが見られているが、その動きも一服した。ただ、ドル円は105円台を堅持している。前日のファイザーの中間報告を受けて、市場はワクチンへの期待を高めている。アザー米厚生長官は「ファイザーのワクチンが11月下旬に配布開始の可能性がある」と述べ、ファウチ米感染研所長は「ファイザーのワクチン候補は、向こう1週間もしくは1週間半で緊急使用許可(EUA)が下りる可能性が高い」と述べていた。ドル円については105円台を維持できるかが目下の最注目だが、きょうの展開はロング勢を勇気づけたかもしれない。東京時間には105円台での輸出企業の売りなども観測され、21日線が控える104.80円近辺まで下落した。これまでであれば、そのまま失速していたが、きょうは下値での買いが活発に入り105円台を回復している。21日線に支えられて反転した格好ともなっており、下値が底堅いサインとも取れよう。ドルの買い戻しがこのまま続くとの見方は依然として少数派ではあるが、しばらくはドル円は戻りを試しそうな気配も出て来ている。ユーロドルはロンドン時間に一時1.17ドル台に下落したものの、NY時間にかけて買戻しが見られ、1.18ドル台前半に戻す展開。ユーロドルは戻り売りに押されているものの、21日線の上はまだ維持している。ただ、今回のドル買い戻しは短期的な動きで、ユーロドルはいずれ1.20ドルを試す展開に戻すとの見方も根強い

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比262ドル95セント(0.9%)高の2万9420ドル92セントと2月以来の高値で終えた。上げ幅は一時300ドルを超えた。一方、IT・ハイテク株は売りが続いており、ナスダックは逆に大幅安の展開となった。終値はダウ工業株30種平均が262.95ドル高の2万9420.92ドル、ナスダック総合指数が159.93安の1万1553.86、S&P500が4.97安の3545.53。前日にファイザーがドイツのビオンテックと共同開発している新型ウイルス向けワクチンの臨床試験の中間結果で、良好な内容を報告したことが期待感を高めている。前日のダウ平均は一時1600ドル超急伸するなど大幅高となったが、市場からはワクチン開発について慎重な見方も出ている。一方、今回の市場の反応はこれまでとは異なり、状況が良くなると言う証拠に基づいているとの声も出ており、アザー米厚生長官は「ファイザーのワクチンが11月下旬に配布開始の可能性がある」と述べたほか、ファウチ米感染研所長は「ファイザーのワクチン候補は、向こう1週間もしくは1週間半で緊急使用許可(EUA)が下りる可能性が高い」と述べていた。ダウ平均は序盤に一時マイナスに転じる場面も見らた。前日の急伸からの戻り売りが出たことや、IT・ハイテク株への売りがきつく、全体の雰囲気を悪化させた面もあるようだ。IT・ハイテク株については、パンデミックに伴う巣ごもりやテレワークで恩恵を受けた分、スピード調整が出ているものと思われる。ワクチンが開発されたとしても、それらの需要が以前の状態に戻るとも考えにくいが、これまで買われ過ぎていた面もあり、IT・ハイテク株を売って、他の割安感が出ているセクターへのシフトが加速しているものと思われる。

NY貴金属

ニューヨーク金、銀は反発。終値の前日比は、金が21.1~22.5ドル高、中心限月の12月限が22.0ドル高、銀が76.1~76.9セント高、中心限月の12月限が76.1セント高。金12月限は反発。時間外取引では、ドル高一服を受けて安値拾いの買いが入って堅調となったが、欧州時間に入ると、戻りを売られて上げ一服となった。日中取引では、ドル安再開を受けて押し目を買われたが、米ファイザーのワクチン候補に対する疑問が残り、上値は限られた。前日の外国為替市場で上昇したドルに買い一服感が出たのも、ドルの代替投資先とされる金先物の買いにつながった。銀12月限は、ドル高一服や金堅調を受けて買い優勢となった。ニューヨーク金12月限は反発。時間外取引では1858.9~1888.9ドルのレンジで推移、前日比24.1ドル高の1878.5ドルとなった。12月限は、高寄りしたのち、ドル高一服を受けて安値拾いの買いが入って堅調となったが、欧州時間に入ると、戻りを売られて上げ一服となった。日中取引は、ドル安再開を受けて押し目を買われた。ただ1884.5ドルで上値を抑えられて上げ一服となった。米ファイザーの新型コロナウイルスのワクチン開発進展に対する期待感もあるが、疑問が残ることで積極的な商いは見送られた。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は続伸した。WTIで期近12月物は前日比1.07ドル(2.7%)高の1バレル41.36ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比1.05~1.07ドル高。その他の限月は0.25ドル安~1.01ドル高。米製薬大手ファイザーが独ビオンテックと共同開発している新型コロナウイルスのワクチン候補の接種が近々始まる可能性があることが相場を押し上げた。このワクチンによって効果が得られる期間などまだ不明な部分は多いものの、経済活動の正常化が期待されている。国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は来週中には緊急使用許可が下りる可能性が高いと述べた。アザー米厚生長官によると、ファイザーのワクチンは早ければ11月下旬に2000万単位で提供可能になるという。月末の石油輸出国機構(OPEC)総会で、来年から再び減産が強化される可能性があることも支援要因。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、主要産油国の政策を調整する用意があることを示唆している。ファイザーのワクチンが期待されているとはいえ、ロックダウンで欧州の石油需要は落ち込んでおり、需要がさらに下振れするリスクがある。米ジョンズ・ホプキンス大学の調査によると、米国の感染者数は一日あたり10万人超増加し続けており、感染拡大に歯止めがかかっていない。米大統領選の混乱が始まりそうな気配があることも潜在的な圧迫要因。時間外取引で12月限は39.41ドルまで軟化したが、売りは続かず下げ幅を消した。プラス圏で通常取引が始まると41.46ドルまで上昇し、前日高値を上回った。

シカゴコーン・大豆

コーンは大幅高。終値の前営業日比は3.25~15.75セント高。中心限月の期近12月限は15.50セント高の423.00セント。大豆は大幅続伸。終値の前営業日比は、6.75~35.50セント高。中心限月の期近1月限は35.50セント高の1146.00セント。USDA発表の月例需給報告で、生産量予測が引き下げられると同時に、輸出量予測が過去最大まで引き上げられた結果、期末在庫量が2013/14年以来の低い水準まで低下するとの見通しが示されたことが買いを支援した。12月限は427.25セントと一代の高値を更新。その後は転売で上げ幅を縮小したが、終値ベースでも420セント台を維持した。この日、407セントで取引を開始した12月限はアジアの時間帯は408セント、欧州の時間帯は412セントを上値抵抗線とするなかでのこう着場面を演じ、シカゴの時間帯も序盤は様子見で運ばれていたものの、米農務省(USDA)が月例需給報告を発表し、需給の大幅な引き締まり観測が明らかになったことで急激に値を伸ばし、一気に420セント台に到達した。売り方の踏み上げも促されるなか、一時は427.25セントまで上昇。上げ修正が入り高値からは値を落としたものの押しは浅く、高値圏を維持したまま取引を終えている。


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