朝刊:2020/11/19

ワクチン開発の期待は高まるもダウ、ゴールドともに続落。オイルは続伸。ドル円は103円台後半。

NY為替

ニューヨーク為替市場でドル円は戻り売りが強まり103円台に下落。ファイザーがNY時間の朝方に、ワクチンの臨床試験の第3フェーズが終了し、95%に有効性が見られたと発表したことから、ドル円は買い戻しが強まり、104円台を回復する場面も見られた。しかし、買いの流れを維持できずに直ぐに103円台に値を戻している。104円台が重くなって来ている印象。根強いドル安期待がドル円を圧迫している模様。早期に104円台に戻せないようであれば、テクニカル的には今月安値の103円台前半を再び試しそうな気配が強まっている。本日のファイザーのニュースなどワクチン開発への期待は高まっているものの、普及にはある程度時間がかかり、今冬の現状を変えるのに十分な即効性は持たないと考えられている。足元では感染拡大が依然として続く中で、少なくとも2021年半ばまでは経済の軌道を変える見込みは薄く、来年1-3月期の景気回復も小幅に留まると予想されているようだ。そのような中でFRBの低金利長期化への期待は温存され、ドルは売られやすい状況が続くと見られている。ファンダメンタルズとテクニカル両面からドル円は戻り売りを強めている印象だ。きょうは円高の動きもドル円を圧迫したようだ。一部からは日米の実質金利差を指摘する向きもいる。名目金利からインフレ期待を差し引いた実質金利を表すインフレ連動債の利回りは、10年物で米国債が-0.85%なのに対して日本国債は-0.01%に留まっており、日本国債のほうがマイナス幅は小さい。日本の消費者物価が再びデフレに接近しており、直近9月の全国消費者物価指数(CPI)は総合指数で前年比0.0%となっている。今週の20日に10月分の数字が発表になるが、-0.4%が見込まれている。日銀の緩和余力に限界も見られる中で、デフレが円高を招いている面もあるのかもしれない。

NYダウ

米株式相場は続落し、ダウ工業株30種平均は前日比344ドル93セント(1.2%)安の2万9438ドル42セントで終えた。前日比は、ナスダック総合指数が97.74安の1万1801.61、S&P500が41.74安の3567.79。序盤は買いが先行し、ダウ平均も反発して始まったが、引けにかけて戻り売りが加速し、ダウ平均は300ドル超の下げとなった。NY市が明日、学校を再閉鎖すると伝わり、上値が重くなっていた中で利益確定売りが加速したようだ。ワクチン開発への期待などから、ダウ平均は再び最高値圏に上昇し、3万ドルの大台をうかがう展開も見せているが、ここに来て上値に慎重さも出ている。ただ、下値では押し目買いも見られ底堅さは堅持している印象。ファイザーが独ビオンテックと共同開発している新型ウイルス向けワクチンの臨床試験の第3フェーズが終了し、95%に有効性が見られたと発表。数日中にFDAに対し緊急使用許可(EUA)の申請を行う予定だという。ワクチンの使用には摂氏マイナス70℃での保管が必要だが、ワクチンの配布能力には自信があると述べていた。米連邦航空局がきょう、事故を起こして運航が停止していたボーイングの737MAX型機の運航再開を承認した。序盤のダウ平均の上げはボーイングがサポート。ただ、両銘柄のニュースはある程度事前に織り込まれていた面もあり、序盤は両銘柄の株価は上昇して始まったものの、伸び悩む動きが見られ、ボーイング、ファイザーとも結局、下げに転じた。

NY貴金属

ニューヨーク金、銀は続落。終値の前日比は、金が13.8~11.0ドル安、中心限月の12月限が11.2ドル安、銀が20.8~20.2セント安、中心限月の12月限が20.3セント安。金12月限は続落。時間外取引では、押し目を買われる場面も見られたが、リスク回避のドル高を受けて戻りを売られると、米ファイザーの新型コロナウイルスのワクチン開発の良好な結果も圧迫要因になった。日中取引では、押し目を買われたが、景気回復期待から戻りは売られた。新型コロナワクチンの開発進展を受け、リスク回避の際に買われやすい金先物には売りが優勢だった。銀12月限は、景気回復期待で金の戻りが売られたことにつれ安となった。ニューヨーク金12月限は続落。時間外取引では1860.3~1883.8ドルのレンジで推移、前日比16.0ドル安の1869.1ドルとなった。12月限は、安寄りしたのち、押し目を買われる場面も見られたが、リスク回避のドル高を受けて戻りを売られると、米ファイザーの新型コロナウイルスのワクチン開発の良好な結果も圧迫要因になった。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は3日続伸した。WTIで期近の12月物は前日比0.39ドル(0.9%)高の1バレル41.82ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比0.36~0.39ドル高。その他の限月0.20~0.34ドル高。米ファイザーと独ビオンテックが新型コロナウイルスのワクチン候補の治験データを公表し、95%の確率で有効性が示された。先週の暫定結果よりも前向きな内容だったとが相場を押し上げた。このワクチンは年齢や人種を問わず有効で、これまでの治験で重大な安全性の問題は発生していない。両者は数日以内に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する。米エネルギー情報局(EIA)の週報で原油在庫の増加幅が限定的だったことも支援要因。原油生産量が日量1090万バレルまで増加したことが在庫を押し上げたが、製油所稼働率も77.4%まで上昇し、在庫増を抑制した。石油製品需要は前週の日量2000万バレル超の水準から減少し、同1956万4000バレルとなったが、4週間移動平均は引き続き上向き。石油輸出国機構(OPEC)プラスが来年からの増産を見送る構えであることは下支え要因。主要産油国の決定も新型肺炎のワクチン次第であり、今週の共同閣僚監視委員会(JMMC)で正式な勧告は行われていないが、少なくとも3ヶ月間は増産を見送る見通し。従来の合意では来年1月から日量200万バレル増産する予定だった。

シカゴコーン・大豆

コーンは総じて続伸。終値の前営業日比は変わらず~5.50セント高。中心限月の期近12月限は5.50セント高の425.75セント。大豆は揃って続伸。終値の前営業日比は、1.50~7.75セント高。中心限月の期近1月限は6.00セント高の1175.75セント。前日に続いて米農務省(USDA)が大口成約を発表したことが買い支援要因となった。また、ファイザー社が新型コロナウイルスワクチンの最終分析での予防効果が95%に達したと発表したことを受けて新型コロナウイルスのワクチン開発期待やリスク選考の動きが高まったことが強気材料となり、12月限は一時、一代の高値を更新。場中に発表された週間エタノール生産および在庫報告が弱材料視されて転売が見られたが、終値ベースでも一代の高値を記録して引けている。この日12月限は419セントで取引を開始した後は、欧州の時間帯後半まで420~422セントのレンジ内での高下となった。欧州の時間帯後半に地合いを強めた後はシカゴの時間帯にはUSDAの大口成約の発表や新型コロナウイルスワクチン開発期待を受けてさらに値位置を切り上げ、428.50セントの高値に到達。終盤には上げ修正のための転売が入って値を落としたものの、425.75セントと高値圏を維持して取引を終えた


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