朝刊:2020/12/10

米経済対策早期合意難航からダウは反落。ゴールドも急反落。オイルは小幅続落。

NY為替

ニューヨーク為替市場はドルの買い戻しが強まり、ドル円はストップを巻き込んで一時104.40円近辺まで上昇した。ロンドン時間には104.05円付近まで値を落とし、103円台をうかがう動きも見せていたが、104円台は維持している格好。特にドル買いを誘発する具体的な材料は見当たらないが、米株が利益確定売りに押されていることもあり、積み上がっていたドルショートの調整が出ているのかもしれない。クリスマスに向けた調整もそろそろ出始めているのかもしれない。EU外交筋の話として、英離脱巡りEU首脳が今週承認することはないと伝わったことも、欧州通貨売り・ドル買いを誘発したようだ。欧州委員長は英首相に姿勢転換を迫る必要あるという。きょうの夕方にフォンデアライエン欧州委員長とジョンソン英首相の夕食会が行われるが、合意は出ない可能性を警戒しているようだ。同外交筋は夕食会が好結果でも交渉再開は必要だとも述べていた。市場は米経済対策の行方に注目しているが、米共和党のマコネル上院院内総務は、「米民主党はゴールポストを動かしている」と非難。暫定予算の期限を迎える中で依然として突破口を見い出せないようだ。それに伴うリスク回避のドル買いが出ているのかもしれない。ドル円に関しては、本日の米国債利回りが上昇していることも下値をサポートしているものとみられる。しかし、全体的にはドル円の雰囲気に変化はない。本日104.30円付近に来ている21日線の下に再び戻しており、突破する勢いまではまだないようだ。一方、103円台に入ると買いオーダーも出る状況。

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比105ドル07セント(0.3%)安の3万0068ドル81セントで終えた。終値はナスダック総合指数が243.82安の1万2338.95、S&P500が29.43安の3672.82。英国ではファイザー社のワクチン接種が開始するなど、ワクチンへの期待から株式市場は来年の景気回復への期待感を高めている。非常に楽観的な雰囲気の中で序盤は買いが先行し、ダウ平均も最高値を更新して始まった。しかし、米経済対策の協議は依然として難航しており、米国での足元の感染拡大も収束の気配を見せない。そのような中で、上値での戻り売りが出たようで、ダウ平均は下げに転じている。クリスマスに向けた調整がそろそろ出てもおかしくはない時期ではある。米議会が経済対策を早期に合意するとの期待は依然として高いが、米民主党のシューマー上院院内総務は、州や地方政府の援助なしに交渉を進めるという米共和党のマコネル上院院内総務の提案は誠実ではないと非難している。一方、ムニューシン米財務長官が新たな提案を行っており、これには米与野党が対立している企業に対する損害賠償も、州および地方政府への救済も含まれている。超党派からの提案の9080億ドルよりも規模が大きい9160億ドル規模となっている。感染拡大は未だ収束を見せていない。ジョンズ・ホプキンス大の最新の集計では累計の感染者は1517万人と1500万人を超えているほか、1日の新規感染者も18万~20万人が連日確認されている

NY貴金属

ニューヨーク金は急反落、銀は大幅続落。終値の前日比は、金が38.1~36.2ドル安、中心限月の2月限が36.4ドル安、銀が75.4~74.6セント安、中心限月の3月限が74.6セント安。金2月限は急反落。時間外取引では、ドル安となったが、新型コロナウイルスの接種開始見通しなどで戻り売り圧力が強まるなか、軟調となった。日中取引では、英国と欧州連合(EU)の通商交渉に対する懸念が残るなか、ドルが買い戻されたことを受けて急落した。今月に入ってから金先物相場は上昇基調となっており、目先の利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。銀3月限は、ドル高や金急落を受けて売り優勢となった。ニューヨーク金2月限は急反落。時間外取引では1855.1~1875.9ドルのレンジで推移、前日比14.1ドル安の1860.8ドルとなった。2月限は、高寄りしたのち、ドル安となったが、新型コロナウイルスの接種開始見通しなどで戻り売り圧力が強まるなか、軟調となった。日中取引は、押し目を買われ、1868.4ドルまで戻した。その後は、英国と欧州(EU)の通商交渉に対する懸念が残るなか、ドルが買い戻されたことを受けて急落した。テクニカル要因の売りが出るなか、1828.2ドルまで下落した。

NY原油

NYMEXで原油先物相場は3日続落した。WTIで期近の2021年1月物は前日比0.08ドル(0.2%)安の1バレル45.52ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比0.08ドル安。その他の限月は0.10ドル安~0.07ドル高。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報で原油在庫が大幅に増加したことが重しとなった。製油所の原油消費量は増加し、製油所稼働率は79.9%まで上昇したが、輸入が増え輸出が減ったことが原油在庫を押し上げた。石油製品需要が日量1853万4000バレルと弱含んでいることは石油製品の在庫増加につながった。ガソリン需要は日量760万バレルまで減少し、5月以来の低水準となった。冬場の天候だけではなく、新型コロナウイルスの流行拡大が需要を圧迫している。10日に米食品医薬品局(FDA)が米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチンの緊急使用を許可する見通しであることは相場を下支えした。米国における新型コロナウイルスの感染者数は急拡大を続けており、死者数の伸びも加速しているが、11日にもワクチン接種が始まり、感染拡大が抑制されて経済活動が正常化することが期待されている。米ファイザーのワクチン接種が始まっている英国では2人に副作用が現れたが、二人とも回復に向かっているもよう。この二人は過去の予防接種でアレルギー反応を起こした経歴があるという。時間外取引で1月限は46.24ドルまで上昇。通常取引開始後は44.95ドルまで下落したが、一時的に売りが強まっただけで引けにかけては底堅く推移した。

シカゴコーン・大豆

コーンは総じて反発。終値の前営業日比は0.25~5.00セント高。中心限月の期近3月限は4.00セント高の423.75セント。大豆は概ね反発。終値の前営業日比は、5.75セント~12.75セント高。中心限月の期近1月限は12.75セント安の1158.50セント。          米農務省(USDA)がメキシコ向けの大口成約を発表したことが買いを支援した。また、USDA月例需給報告の発表を控えて玉整理基調が強まるなか、前日に下落した後の買い戻しが見られたことや、大豆の堅調な足取りも買いを呼ぶ要因となった。この日3月限は月例需給報告前で様子見ムードが強まるなかでの高下となったが、引けにかけて地合いを引き締めた。420セントで取引を開始した後はアジアの時間帯を終えるまで421.25セントを上値抵抗線にし、狭いレンジ内で高下していたが、欧州の時間帯には422セント台まで取引レンジが拡大。それでも上値圧迫感の強さを窺わせる足取りとなっていたが、シカゴの時間帯を迎えるとさらに地合いを引き締めて424.50セントの高値に達した。高値を付けた後には転売が入って値位置を落としながらも423セントを割り込むと買い戻され、この日の高値圏で取引を終えている。


掲載内容は情報提供を目的としております。情報につきましては細心の注意を払っておりますが、正確さを保証するものではありません。また、取引における判断はお客様ご自身で行って下さい。