朝刊:2020/12/15

ドル円は上下に大きく動く。ダウは3万ドル割れの反落。ゴールドも反落。オイルは反発。

NY為替

ニューヨーク外国為替市場でドル円は上下動した。序盤は売りが強まり103.50円付近まで一時下落。米追加経済対策や英・EUの貿易交渉、そして、きょうから米国内で始まったワクチン接種への期待が高まり、市場にはリスク選好の雰囲気が出ていた。為替市場もリスク選好のドル売りが強まり、ドル円は下値抵抗が観測されていた103.80円付近をブレイクした。しかし、売りが一巡すると今度は買い戻しが強まり、ドル円は急速に104円台に戻す展開となった。特に買い戻しを誘発するような材料は見当たらなかったが、ロンドンフィキシングにかけて実需の動きが出たのかもしれない。月半ばにはよくある動きとの声も聞かれた。日銀が新型ウイルス対応の企業の資金繰り支援策について、期限を現在の2021年3月末から半年程度、延長する方針と一部報道で伝わった。感染再拡大で景気の下振れ懸念が強まり、地方の企業や金融機関から延長を求める声が相次いでおり、この日の12月の日銀短観が引き続き資金繰り環境の厳しさを示したことも踏まえ、今週の決定会合で延長を決める公算が大きいという。ただ、それ自体へのドル円の反応は限定的。一方、ユーロドルは1.21ドル台後半に上昇して始まったものの、1.21ドル台前半に急速に伸び悩む場面がみられた。ただ、その後は1.21ドル台半ばまで戻す展開。先週のECB理事会を通過して、今年のユーロ関連のイベントも終了した感もある。欧州は感染拡大がひとまず落ち着いている中で、計2.2兆ユーロ規模のEU予算と復興基金も決まり、ワクチンの普及と伴に来年の欧州経済への回復を期待する向きも少なくない。それに伴ってECBの資産購入ペースも今年ほどは大きくはならないと予想されている。一方で、FRBの低金利長期化姿勢の強調は継続されるものと思われ、ドル安・ユーロ高はさらに続くとの見方は根強いようだ。

NYダウ

米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比184ドル82セント(0.6%)安の2万9861ドル55セントで終えた。終値は、ナスダック総合指数が62.17高の1万2440.04、S&P500が15.97安の3647.49。序盤は買いが先行し、ダウ平均は一時279ドル高まで上昇した。しかし、原油相場が一時急速に利益確定売りに押され、株式市場もエネルギー株を中心に戻り売りが強まった。序盤の上げについては、米追加経済対策や英・EUの貿易交渉、そして、きょうから米国内でも接種が開始されたワクチンへの期待が押し上げたようだ。米議会は先週末に1週間のつなぎ予算案を成立させ、政府機関閉鎖をひとまず回避したが、今週中にも与野党が何らかの妥協案を見出すのではとの期待に繋がっている。また、フォンデアライエン欧州委員長とジョンソン英首相が13日の会談で協議継続で合意した。バルニエ首席交渉官が、EU加盟国の大使との非公開の会合で、英国との通商合意に週内にも達する可能性があると述べたことが伝わっていた。一方、足元の感染拡大は依然として収束の気配を見せず、米国における累計死者数は30万人を超えている。デブラシオNY市長は「完全封鎖の可能性に備えるべきだ」と述べていた。来週のクリスマス休暇を控える中で、米経済にとっては不安要因ではある。徐々に売りが強まる中でダウ平均は3万ドルを割り込む展開となった。ダウ採用銘柄ではディズニーが反落したほか、シェブロン、メルク、ジョンソン&ジョンソン、ダウ・インクが下落。一方、マクドナルド、インテル、アムジェンが上昇した。

NY貴金属

ニューヨーク金は反落、銀は続落。終値の前日比は、金が11.6~10.8ドル安、中心限月の2月限が11.5ドル安、銀が4.7~3.9セント安、中心限月の3月限が4.5セント安。金2月限は反落。時間外取引では、英国と欧州連合(EU)が通商交渉の継続で合意し、ドル安に振れたことを受けて買い優勢で始まったが、米食品医薬品局(FDA)が米ファイザーの新型コロナウイルスのワクチンの緊急使用を承認し、景気回復期待から戻りを売られた。日中取引では、ドル安を受けて押し目を買われたが、原油安をきっかけにリスク回避の動きに転じたことを受けて売り優勢となった。米英でコロナワクチンの接種が始まり、世界経済の正常化観測が強まった。リスク回避時に投資資金の受け皿となりやすい金先物は売り優勢だった。銀3月限はドル安を受けて押し目を買われる場面も見られたが、リスク回避の動きに転じたことを受けて戻りを売られた。ニューヨーク金2月限は反落。時間外取引では1820.0~1845.6ドルのレンジで推移、前日比16.6ドル安の1827.0ドルとなった。2月限は、英国と欧州連合(EU)が通商交渉の継続で合意し、ドル安に振れたことを受けて買い優勢で始まったが、米食品医薬品局(FDA)が米ファイザーの新型コロナウイルスのワクチンの緊急使用を承認し、景気回復期待から戻りを売られた

NY原油

NYMEXで原油先物相場は反発した。WTIで期近の2021年1月物は前週末比0.42ドル(0.9%)高の1バレル46.99ドルで取引を終えた。終値の前営業日比(速報値)は、期近2限月が前日比0.40~0.42ドル高。その他の限月は0.36~0.42ドル高。米ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンの緊急使用許可が米国で下り、医療関係者やリスクの高い高齢者に対する接種が始まったことから、感染者数の拡大がいずれ沈静化すると期待されている。接種から長期間が経過した後の副反応を警戒する声はあるものの、順調に開始された。サウジアラビアの西部ジッダ港に係留されていた燃料タンカーに爆発物を積んだボートが衝突したと伝わったことも支援要因。サウジはテロ攻撃だったとの認識を示した。攻撃された燃料タンカーで火災が発生したものの、鎮火された。乗組員22名に怪我はなかった。石油輸出国機構(OPEC)は月報で2020年の需要見通しを従来の日量9001万バレルから同8999万バレルまで引き下げた。新型コロナウイルスの再流行が2020年10-12月期の需要を圧迫している。2021年の1-3月期、4-6月期、7-9月期の需要見通しも下方修正された。2021年全体の需要見通しは日量9626万バレルから、同9589万バレルに引き下げられた。

シカゴコーン・大豆

コーンはまちまち。終値の前営業日比は5。00セント安~0.75セント高。中心限月の期近3月限は0.50セント高の424.00セント。大豆は揃って続伸。終値の前営業日比は、2.50~9.25セント高。中心限月の期近1月限は9.00セント高の1169.50セント。          この週末のブラジルの降雨が予想されていたほどではなかったことが強気要因となった。ただ、米農務省(USDA)発表の週間輸出検証高報告は買いを支援するインパクトをもたらせるほどの内容ではなかったうえ、ロシアの輸出関税発表を受けて材料織り込みとなったうえ、輸出関税が付加される前のロシア産需要増加見通しを受けた小麦の大幅安が重石となったため、上げ幅は限られた。なお、この日当限12月限は納会を迎えている。423.50セントで取引を開始した後に上昇し、428.50セントの高値をアジアの時間帯序盤で付け、その後のアジアの時間帯は426セントを下値支持線とする高もみとなった。ただ、その後は次第に値位置を切り下げる足取りとなり、欧州の時間帯には425セントを割り込み、シカゴの時間帯には崩れて421.25セントまで下落。小麦市場の軟調な足取りが重石となった。


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