原油のシェール革命が世界を変えた

2017年10月5日 投稿

 

商品先物取引で人気の原油。この原油先物価格は、株式・為替相場に大きな影響を与えます。そこで、今回は、21世紀に世界を変える技術となったシェール革命の話。

 

近代は原油こそが命の綱

 

車・飛行機・船・・・いずれを動かすにも【原油から作り出すガソリンなどのエネルギー】が必須。現代社会は、原油をエネルギー源にして動いている世界。そのため、原油を巡る戦争は、世界各地で生じました。一大産地である中東産油国の支配権を巡る争いは、いまだに続いており、シリア・イラク・IS問題などが国際ニュースを賑わします。

 

中国の急成長で石油が足りない!

 

そして、20世紀に入ると中国をはじめとした新興国が工業国として台頭しはじめました。中国は、原油・鉄・銅などの資源を世界中から買い集め、ドイツ・日本を抜き去り、世界第二位の経済大国に成長しました。

 

そうなると、原油が不足する・無くなるとの声が上がり、原油価格がどんどんと上昇していきます。一時的にサブプライムローン危機からリーマンショックの影響で、下落した時期もあるものの、1バレル=100ドルとそれまでの数倍もの高値で買わなければいけなくなったのです。

 

でも、産油国の栄光も長くは続かない。高値が続くと生産が増えるというのが、商品先物取引の原則でしたね。原油も例外ではありません。そう、今回のテーマであるシェール革命が米国で起きたのです。

 

シェール革命とは

 

頁岩

シェールは、頁岩(けつがん)と呼ぶ泥が固まった岩石のこと。原油の元になったのが、古代のプランクトンなど有機物の死骸であるのはご存じの通りですね(異説はあり)。有機物がつもりつもって、時間と圧力を肥やしに、原油や天然ガスに変化します。

 

米国・欧州・中国には、多くのシェール層があり、この中に、原油や天然ガスがたくさん埋まっていることは昔から知られていました。しかし、原油やガスを含んだシェール層は、地下深くにあるため、そこから、取り出すことは、技術・コストを理由に難しいと諦められていました。

 

ところが、20世紀に入って生じた原油価格の高騰により、米国のシェール層から原油・天然ガスを取り出す技術が進化し、シェール革命として花開くことになったのです。このインパクトは非常に大きい。

 

米国が世界一の産油国に

 

世界一の産油国の座を米国がとってかわり、原油を自国で賄うことができるようになったのです。これによって、米国は中東の産油国を守る必要性が薄れました。ちょうど、中国・ロシアの台頭もあり、費用のかかる世界の警察の座を降りるという宣言をオバマ大統領が行う事態。これが、世界唯一の覇権国だった米国一極主義から多くの国が覇権を分散して持つ多極化のスタートです。

 

※覇権国:強い軍事・経済力を持ち、世界に大きな影響を持つ国。

 

このように、原油の価格上昇~シェール革命が世界の覇権・政治に大きな影響を与える結果となり、米国の支配力が薄れた世界は、地域ごとに国・多国籍企業が勢力を競う世界へと変化したのです。

 

そして、米国が大産油国として名乗りを上げたことで、世界的な原油不足が解消されて価格は下落しました。一時は行き過ぎて、1バレル26ドルまで下落した後に50ドル付近まで回復。

 

◆NY原油価格(WTI):月足チャートNY原油価格

 

米国で生産されるシェールオイルの採算価格は、様々な意見があるものの40~60ドル位と言われており、OPECを中心とした産油国も40ドルを割り込むと社会インフラの維持に問題があるため、45~50ドルあたりを当面の目標値にしています。原油価格の高値維持を目的に産油国が行う協調減産は今のところ機能。

 

ただ、このシェール革命にはマイナス要素も多く、石油・ガスのある地層に化学物質を含んだ液体を流して圧力をかけるために、環境汚染や地震を生じさせるのではないかとの疑いがもたれています。

 

また、日本として同盟国の米国が産油国になったことは嬉しいことだけではありません。原油や天然ガスは掘り出してそのまま置いておくわけにいかず、輸送できるように精製や液化が必要になるのです。つまり、生産⇒加工⇒貯蔵⇒輸送というインフラ整備をしなければ、米国からシェールガスやオイルを輸入できないのです。

 

そして、このシェールオイル・ガスは、中国や欧州にも豊富にあります。欧州や中国が、シェール開発に取り組むか否かは、今後の原油価格はもちろん環境・政治・覇権のゆくえに大きな影響を与えることでしょう。

 

◆東商:原油先物月足チャート
原油先物のチャート

原油相場は、世界の経済情勢や中東の政治情勢などによって、価格が変化する面白い銘柄です。



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