原油・ガソリン価格を見るとインフレ率が分かる?

2017年11月5日 投稿

 

前回、シェール革命で、お話しした通り、米国のシェール層から原油・ガスが採れるようになり、原油の供給量が増えたために、原油価格は大きく下がりました。

 

そして、その影響で世界のインフレ率も下がるという連鎖反応が起きました。

 

原油価格とインフレ率

 

1バレル100ドルだった原油価格。なんと、半分の50ドルさらには約25ドルまで下がってしまったために、インフレ率も同じように下落。

 

原油は、全ての産業で使うエネルギーの源ですから、安くなれば、生産・運搬などの費用全体も安くなります。つまり、原油が下がるとモノの価格が下がるデフレ現象が起きやすいのです。

 

現在の日本は、デフレからの脱出を唱えて空前の金融緩和を日銀が実行中。ところが、失業率の改善&人手不足が起きても、なかなか賃金(給料)が上がりません。賃金が上がらないこともあって、インフレの目標である年率2%の物価上昇が達成ならず。そのため、日銀の金融緩和路線は、2018年も続きそうな状態。※いずれ、中央銀行の金融政策も詳しく解説いたします。

 

●消費者物価指数の推移:総合 前年同月比 2008年1月~2017年9月

消費者物価指数の推移

安定して2%近辺の数字が続くようになれば、金融緩和は終る予定。

 

◆2013年4月から黒田日銀の異次元緩和で、インフレ目標2%に向けて強力な金融緩和。

◆2014年4月から、消費税の税率を8%に引き上げ

◆2014年の7月頃から原油価格の下落がスタート⇒消費者物価指数も下落

 

もし、原油価格が下がっていなければ、異次元緩和の効果がもっと出ていたかもしれません。実際、原油価格の回復にあわせて、消費者物価指数も回復しています。

 

●WTI原油価格:月足チャート

WTI原油価格

2016年の安値から回復。

 

消費者物価指数と原油・ガソリン価格

 

消費者物価指数と原油・ガソリン価格は、密接な関係。そのため、商品先物取引を売買していると経済全体への理解度が上がります。

 

協調減産で原油価格が回復

 

さて、原油価格が持ち直した理由は、産油国の減産が実行されているから。さすがに、1バレル25ドル近辺まで落ち込んだ原油価格に耐えられなかった産油国は、これはヤバいと協調減産に踏み切ります。中東産油国の国民は、電気水道代・教育などの費用が格安ですからお金がかかるのです。

 

特に、産油国の中でも経済的に余裕のなかった中米のベネズエラは産油国の意見調整を必死で行い、なんとかサウジアラビアやロシアの意見をまとめることに成功。

 

2016年9月28日に、OPEC(石油輸出国機構)は、アルジェリアの首都アルジェでの会議で減産に合意。さらに、OPECにロシアなどを含めた主要産油国が、12月10日のウィーン会合で、協調減産に合意しました。

 

現在は、原油価格が1バレル50ドル前後で推移しており、産油国の協調減産の効果は十分に上がっています。

 

ただ、ベネズエラの政情不安・中東のイランやシリアを巡る混乱・減産を除外されているナイジェリアやリビアなどの問題も。さらに、原油価格が上昇したことで、協調減産の範囲外である米シェールの生産量は増加傾向にあります。

 

協調減産は守られるのか?

 

すると、出てくる問題が、協定を守らない抜け駆け。すでに、サウジアラビアをはじめとしたOPEC各国は合意内容を超えて生産しているとのニュースも出ており、合意の有効性は疑問視されています。通信技術の発達で、昔に比べて、生産量のごまかしはし難くなりました。だからこそ、合意枠を超えて生産する国が出てくると、他国も追随する可能性が高まります。

 

過去数年の原油価格動向を見ている限りでは、1バレル50ドルを超えてくると、産油国の足並みが乱れ始めるような印象を持ちます。産油国としては、高値で原油を売りたい&売り控えていると他国や米国のシェールにシェアを奪われるという恐怖もあります。

 

将来的には、原油が枯渇する可能性と再生可能エネルギーの技術革新によって原油の需要そのものが大きく減るのではという予想もありますからね。

 

このように原油価格を見ていると今後のインフレ率がどうなるか予想する参考になります。
原油価格は、インフレ率に大きな影響を与え、その結果として金融政策や預金金利に大きな影響を与えることを覚えておきましょう。



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