世界は好景気真っただ中。ゴルディロックス経済とは?

2017年12月5日 投稿

 

1年程前まで、世界経済は不況の泥沼にあえいでいました。企業はモノが売れずに在庫を抱え需要不足に苦しみ、金融市場は米国株こそ上昇するも波乱含み。

 

2016年半ばに世界経済は回復。

 

ところが、2016年半ばごろから世界経済は回復しはじめ、2017年現在も好景気が継続中。この状況をゴルディロックス経済と呼びます。好景気が2018年も続けば、商品先物取引の原油・ゴムなどの銘柄も楽しみです。

 

ゴルディロックス経済とは

 

ゴルディロックスとは、英国の童話「3匹のくま」からとられた言葉。これは、3匹の熊と少女の物語。大きな熊・中くらいの熊・小さな熊と3匹の熊が住んでいる家に、ゴルディロックスという少女が迷い込んでしまいます。そこには、大きなお皿に熱すぎるスープ、中くらいのお皿に熱いスープ、小さなお皿にちょうど良いスープの3つがありました。お腹が空いた少女は、ちょうど良いスープを飲みほして満足、3つのベッドの中から、ちょうど良いベッドを選び、ぐっすりと寝てしまいます。そこに、家の持ち主である熊が帰ってきて、寝ている少女を見つけて大騒ぎ、目覚めたゴルディロックスは、慌てて逃げ出すというおとぎ話。

 

このことから、現在の経済は、【熱すぎず冷め過ぎず、ちょうど良い状態】だとしてゴルディロックス経済と名付けられました。これには、いつまでも「ちょうど良い状態」が続くとは思えないという不安感も込められています。

 

日本・米国ともに株価は上昇。ユーロ圏経済も回復しており、世界経済の成長率は、2017年に3.6%、そして2018年は3.7%となかなかの成長が予想されています。ユーロ圏・日本・ロシア・新興国の経済が良くなったために世界全体の成長率が伸びました。来年は、先進国の景気回復・安定した金融政策と市場の影響によって、新興国の経済成長が期待されています。

 

◆世界のGDP成長率推移と今後の予想

世界経済の伸び率
出典:IMF

 

2010年の5.4%から2016年には3.21%まで成長率は下落。しかし、ここが大底だった可能性!

 

このまま、ゴルディロックス経済が続けば、経済成長に伴って商品先物の取引対象となる原油や穀物・ゴムなどの需要は拡大し、値上り方向に進む可能性があります。まだまだ、一次産品の価格は上がっていませんから。

 

ゴルディロックス経済のリスク

 

では、シナリオ通りに進まないリスクはどこにあるのでしょうか?

 

驚異的な成長を遂げた中国の成長は、さすがに陰りを見せて、普通の国へと変化の途中。
それは、資源輸出を経済の主力としていた新興国経済をまともに直撃しダメージを与えました。しかし、ようやく立ち直りはじめ、先進国においても、AI(人工知能)・IoT(家電製品のインターネット直結)・自動車革命(自動運転&エコ・電気)によって、新たな産業が立ち上がっています。これらは関連しあい、世界経済に大きな需要をもたらすでしょう。

 

一方で、帰ってきた熊に驚いて逃げだしたゴルディロックスのようにリスクを抱えているのもまた事実。今回は、3つのリスクポイントを上げておきます。

 

上がらないインフレ率

 

一つは、なんといっても上がらないインフレ率。ちょうど良い適温のゴルディロックス経済の中、好景気と言われながらも、先進国のインフレ率が上がりません。日本も将来の高齢化社会を踏まえてか、人手不足なのに賃金は上がらず、食料・衣料の価格も上昇は緩やか。

そうなると株価上昇の恩恵を受ける富裕層と労働賃金で生活する労働者の格差は広がり、一生懸命働けば報われるはずという労働意欲を損ないます。これを是正するための政策が求められていても実現するのは難しい課題。

 

少しインフレの芽は見えているので、今がアベノミクス&リフレ派の正念場

 

少子高齢化社会の到来

 

日本・中国・欧州がいち早く迎えている少子高齢化社会は、経済成長の大きな重し。成長前提の政策では破たんしてのやり直ししかないレベル。米国の自動車会社GMや日本の航空会社日航で起きた年金負担増加・企業風土の硬直化が国家で起きていると考えると分かりやすいかもしれません。

 

カギを握るはやっぱりこの国! 米国ファーストのゆくえ

 

米国ファースト

その中で、米国ファーストを掲げるトランプ政策は、税制改革・インフラ投資などの実行力に疑問が生じています。米国の進める緩やかな利上げスピードが早くなると、ドルに連動している新興国も利上げを余儀なくされて、ダメージを受けることになります。

 

米国の利上げは、米国の政策金利・2年債金利を上昇させました。ところが、10年債金利は上昇せずに、米ドルは下落トレンド。なぜなら、ゴルディロックスによる経済安定が、米ドル・日本円の売りを呼び、金利の高い新興国が買われる状況を招いています。これが、2017年現在起きている円高トレンドの要因であり、不安要素の一つ。



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