原油価格は、2018年も経済好調で上昇中

2018年2月5日 投稿

 

原油価格は2016年の2月に底入れ後、2018年に入っても上昇中で、1バレル当たり65ドルを超えてきました。この原油の上昇トレンドは、どこまで進むのでしょうか。今回は、原油の上昇理由を中心にピックアップいたします。

 

◆WTI原油価格の週足:フジフューチャーズ
原油の週足チャート


原油の上昇でインフレに

 

原油価格が上がれば、物を作る・運ぶためのエネルギー費用が上昇。そのため、インフレ率も上昇しやすくなり、日銀の目標とするインフレ目標の2%を達成できる可能性が出てきました。米国のFRBは、2018年1月のFOMCで今年のインフレ率は上がる見込みと予想。原油とインフレ率

 

原油価格の上昇理由

 

さて、それでは、商品先物取引市場で原油価格が上昇している理由を見てみましょう。まず、世界経済の成長が最も大きな原因。

 

1. 経済成長の拡大

 

2016年から成長速度を速めた世界経済は、現在も上昇ムード。2018年1月22日にIMF(国際通貨基金)が公表した世界経済見通しによると、2018年と2019年の経済成長率を前回から0.2ポイント上昇の3.9%に上方修正。

 

IMFは、米国経済に注目。トランプ政権の目玉だった米国の税制改革による経済効果は大きく、米国経済は2020年までに1.2%成長。2022年以降に経済成長を鈍らせるデメリットがあるものの、しばらくは、米国及び貿易相手国の経済にプラスの影響を与えます。これによって、原油の消費量は拡大するため、原油価格の上昇が予想できます。

 

さらに、ドイツ・イタリア・オランダなどの欧州諸国の経済も回復しており、世界経済の好調と金融市場の安定(緩和政策)が続けば、予想以上の景気回復が起きる可能性も出てきました。

ゴルディロックス経済とは(適温経済)

 

2. 中東の地政学リスク


原油価格に大きな影響を与える中東情勢は混迷中。なんといってもサウジアラビアとイランの地域覇権を巡る対立が、中東の安全と安定を大きく揺さぶっています。

 

サウジアラビアでは、権力争いと併せて脱原油に向けての改革中。汚職・腐敗を理由に、反対派に与しそうな多くの王子が逮捕・財産の没収という処分を受けています。その中には、アラブ最大の資産家とも言われる有力者、アル=ワリード・ビン・タラール王子も含まれている程。サウジ王家は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子への権力集中が進んでおり、石油オンリー経済からの脱却を目指して様々な改革を実行し、反対者を粛清しているのです。

 

イランは、年末年始に反政府デモが発生するなど治安面への不安が生じています。さらに、トランプ米大統領は、イランが核合意を守っていないとして、経済制裁の可能性がほのめかし。イランの核合意見直しや破棄は、中東情勢における大いなる不安材料。

 

現在の中東は、イスラエル・サウジアラビア・イランという三つ巴での地域覇権・国家の存在を賭けた争いが表面化。さらに、中東の人口増加による若年層率の上昇は、紛争リスクを高めており、紛争が生じた場合に原油を安定して供給できるかどうかに不安が生じています。


3. 原油在庫の減少と米国シェール


米国の原油在庫は経済成長による需要拡大などで減少、価格上昇に繋がりました。シェールオイルの生産量・稼働リグ数も横這いから減少しており、需要に供給が追い付かない状態が続きました。シェール革命とは

 

米国の生産が上昇する兆し


ただし、米国の石油掘削リグを集計しているベーカー・ヒューズデータでは、2018年1月26日までの週間稼働リグ数が759基と前週から12基増加するなど生産拡大の兆しが見えています。リグ数が増えると生産量も増えます。IEA(国際エネルギー機関)は、原油の上昇を理由に、米国の石油生産量が爆発的に増えて日量135万バレルになると予想しました。

 

リグ稼働数:2018年1月26日

稼働リグ数

4. 米ドル安による原油高

 

米ドルと原油は、反対の動きになりやすく、逆相関関係にあるといえます。原油上昇と米ドル下落は表裏一体の間柄となっており、このところ、米ドルは下落トレンド。その理由は、欧州中銀の政策転換でした。

 

欧州の景気は回復しており、欧州中央銀行は、金融政策を緩和から引締めに方向転換しつつあります。金融政策の引き締めは、通貨高をもたらすことから、ユーロ高米ドル安へと動き、結果的に原油価格を上昇させます。

 


5. 投機マネーの流入


このような原油相場の上昇から、投機筋による思惑買いが増えました。CFTC(米国商品先物取引委員会)が公表している投機筋の買いポジションは増え続けており、投機の資金が商品先物市場及び原油市場へと動いているのです。

 

ファンドの買い越し枚数は、2017年12月26日の63万2,161枚から2018年の1月23日には71万6,695枚まで増加。総取組高も246万193枚から259万3,128枚まで増えました。

 

今後の原油価格動向

 

ここまで上昇を見せてきた原油価格ですが、さすがに弱気材料が揃ってきました。

 

まず、欧州中銀関係者から、ユーロ高に対するけん制発言が出始めています。急激なユーロ高は、欧州景気の回復に障害となることから、ユーロが上昇しすぎないようにコントロールされそうです。逆に米国は、ドル安・減税に支えられての好景気が続きそうですから、緩やかな利上げを継続しやすい環境で一方的なドル高は考えにくい。需給面では、シェールオイルに増産の兆し。

 

ただし、地政学リスクはイレギュラー要素として存在していますし、世界経済の好調が続けば、ある程度の高値を維持したまま、やや下落する場面もあるでしょう。

 

テクニカル的にもWTI原油の先物価格は、1バレル70~75ドルあたりが壁になりやすい形。

 

●WTI原油先物週足チャート

原油週足:一目


2018年1月30日 フジフューチャーズ



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