次のバトルはアメリカの対イラン三国包囲網(サウジアラビア&イスラエル)

2018年7月5日 投稿

 

北朝鮮の核問題の次は、イランを巡るアメリカとイスラエルの対立に注目しましょう。中東は、産油国の集まりですから、原油相場への影響は大きく、紛争激化は、世界へのリスク拡大につながります。つまり、商品相場が動く重要な要因。政治と関係が深いからこそ、原油・金は面白い。

 

イランを巡るアメリカ&サウジアラビア&イスラエルの三国包囲網

 

中東の混乱を理解するには、米国の考えを知る必要があります。現在、中東では、イランを仮想敵国に、アメリカ・イスラエル・サウジアラビアによる包囲網を形成中。

米国とイランの対立

イラン核合意からアメリカが離脱

 

アメリカは、イランと2015年に結んだ6カ国核合意からの離脱を表明(米英仏独中露の6か国)。あらたに、核開発中止と周辺諸国への影響力行使(テロ組織支援)を止めることを目的にポンペオ米国務長官は、イランに12項目の要求を突き付けています。

 

イラン産原油の輸入禁止を世界に要請

 

そして、世界各国に、イラン産原油の輸入を2018年11月4日までに停止しゼロにするように求めています。イラン産原油の減少分は、先日のOPEC総会(6月22日)で、協調減産の緩和が行なわれたことで賄われる予定。これ、北朝鮮を締め上げたのと同じ図式です。

 

米国の中東介入は失敗続き?

 

そもそも、米国は、イラクのフセイン政権を打倒してから、中東への関与は失敗続き。フセイン後は、IS(イスラム国)がイラクやシリアを支配しての内戦が続きました。ようやく、ISが打倒されつつあるものの、米国よりもロシア・シリア・イランやクルド人の貢献度が上。

 

このころ、米国が中東に介入した目的は、何といっても原油の確保。原油の先物相場もオイルショックで激しく動いた時期がありました。

石油の世紀

アフガニスタンは、タリバンを崩しきれず。リビア・イエメンやパレスチナなどの治安も悪化。内戦から逃れた難民が欧州に殺到しているのは、ご存じの通りです。

 

それなりに、地域大国のひとつだったイラクが失った空白を巡り、イランとサウジアラビアが勢力争いを繰り広げているのが、中東情勢の構図。

 

中東大混乱の主なプレイヤー

 

●アメリカ:介入しても改善しない中東に倦怠感。米国人の犠牲を出すことは許されず、イスラエルを守りつつ、直接的な介入を減らしたい意向。米国製兵器を輸出したい。

 

●イラン:中東の盟主を目指して、周辺諸国への影響力を増している。イスラム教シーア派のもとで、イスラム共和制を樹立しており、地域最大の大国化が目標

 

●サウジアラビア:中東およびイスラム教スンニ派の盟主を自認。王家の後継者争いの中、石油だけに頼らない国へと衣替えを目指す。イランの影響力拡大を認める位なら、水面下でイスラエルと手を組みそうな勢い。

 

●イスラエル:ユダヤ教の国で、周囲のイスラム教徒と対立。土地が狭く、宗教だけでなく、入植者達の土地を返したくない考えも強い。イランに対しての強い警戒心を持ち、常に、米国を味方につける。

 

●ロシア:原油の生産・輸出の面で、中東各国と利害関係を保っている。米国が手を引きつつある中で、自国の影響力拡大を狙う。

 

危ないのは、イランおよびイスラエルの暴発。すでに、イランとイスラエルによる小競り合いは起こっています。

 

米国のイラン包囲網の目的は何?

 

アメリカは、財政&貿易の赤字を解決するのが重要な目的。トランプ政権のアメリカファーストは、中国や中東を西欧文明化できなかったことへの反省から出発。

 

米国の赤字額は継続不可

 

★2019年度予算:歳入3.4兆ドル、歳出4.4兆ドル、財政赤字1.0兆ドル


★2017年の貿易統計(モノ):輸入2兆3429億ドル、輸出1兆5468ドル 貿易赤字7962億ドル サービス収支は2440億ドルの黒字

 

この膨大な赤字を何とかしないと、国として成り立ちません。貿易赤字を減らすために、中国をはじめとした各国に、赤字削減要求を突き付けました。さらに、米軍の傘の下に守られていた国々に対して、お前達も自国は、自力で守れと米国製兵器を売りつけたい。

 

その点で、好都合なのは、各地域で核兵器抜きの対立が生じること。地域紛争には係わらないが、核開発や本格的な戦争への発展は許さないというのが米国の立場。

 

敵国より自国と同盟国が大事

 

もうひとつは、米国こそが大事であり、その次に同盟国を大切にするという外交上の姿勢。近年のグローバル&リベラル派の主張として、仮想敵国を優遇することで、敵国を民主的な同盟国に変えられるという考え方。中国・ロシア・イラク・・・無理だったようです。

 

トランプ政権は、米国こそが一番、次に米国に味方する国の利害を守るという姿勢を明確に打ち出しています。つまり、中東では、同盟国イスラエルやサウジアラビアを優遇するということ。そして、米国に敵対する国には容赦せず、経済制裁や米ドル制限を仕掛けます。

 

商品先物で原油相場の値動きは、激しくなりそう

 

中東の地域覇権をどの国がどの程度担うかはっきりするまで、混乱は続くのではないでしょうか。原油や金にとっては、下支え要因ですし、イランとイスラエル&サウジアラビアの対立が本格化すれば、原油の大幅上昇シナリオもありえます。逆に、米国がイランを屈服させれば、原油相場は落ち着くでしょう。

 

日本は、原油をサウジアラビア・UAE・イラン・カタール・クウェートなどから輸入しイラン原油輸入停止の影響は大。中東依存度は約90%。その内訳は、サウジ約32%・UAE約27%・イラン約15%となっており、イラン原油の輸入禁止の痛手は大きい。



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