両建ては賛否両論の投資手法

2018年8月25日 投稿

 

商品先物取引やFXで活用する両建てという手法をご存じでしょうか。

両建て=同じ銘柄で、売り建玉と買い建玉の両方を持つこと。

商品先物取引の両建て

 

今回は、商品先物取引で、同一商品、同一限月の売り建玉と買い建玉を同時に持つことの意味を考えてみましょう。

 

両建て推奨の禁止

 

両建ては、商品先物取引会社の登録外務員が、お客様に、【どうでしょう。両建てしてみませんか?】と勧めることを法令で禁止しています。

 

同一商品・同一限月の両建てを同じ枚数で行うと、価格がどちらに動いても損失・利益が生じない状態をキープできます。そのため、買い建玉を持っていて、相場が下落した時の対応として、決済しての損切りではなく、両建てを選ぶ・奨めるケースが多かったために、法令が出来ました。取引手数料も稼げますしね。

 

なぜ、両建てを多用したか?

 

決済して損失を確定したくないという顧客の考えと、決済して取引終了を恐れる登録外務員の考えが、一致したから。両建てをしている間は、現実のお金が減ることなく、含み損のまま、損失を先送りできるというメリットがあります。いわゆる株式投資の塩漬けと同じ感覚。

 

慌てて、ナンピン・追証をするよりも良い結果に繋がることも!

 

両建ての状態

 

下記のように、相場がどちらに動いても損益が生じないため、両建ては、一時的な対応として利用。両建てにすれば、どのタイミングで決済するかじっくりと考える時間が取れるメリット。

●東京金先物チャート フジフューチャーズ 2018年8月20日

金のチャート

もし、価格が4,000円まで下がっても、損失は5万円で変わりません。その分、4,400円まで上昇しても損益は同じ。

金の両建て


理想的な両建て外し

 

思わぬ急落で、考えがまとまらない時などに、損失を防ぐのが有用な使い方。その後に、相場が下げ止まり、反転上昇すれば、売り建玉を決済。そして、さらに、価格が上昇していけば、買い建玉を決済します。

両建ての外し方


含み益の両建てと含み損の両建て

 

もちろん、含み損を防ぐためだけではなく、含み益のある状態で両建てを行う時もあります。上昇トレンドの中で、一時的な押し目がありそうな時に、両建てを行えば、下げた時に、売りを決済し、押し目を終えて、上昇した後に買いを決済して利益を得られます。

 

その他、買いと売りの枚数を変えるなどの両建てバリエーションも。

 

両建てのはずし方

 

さて、理想的な両建て外しのように、上手くいくとは限りません。

 

なにしろ、両建ての両損という相場格言がある程、難しい。外し方に失敗すると、両方に損が生じて、踏んだり蹴ったりになることもあります。

 

両建てパターン

 

  • ●両方の建玉に損が生じている
  • ●買い建玉に利益、売り建玉に損失
  • ●買い建玉に損失、売り建玉に利益

 

この3パターンを考える必要があります。なお、両方の建玉に利益が出ている場合、いつでも決済できますから、悩む必要はありません。

 

さて、人間心理的としては、利益の出ている玉から決済したくなります。とりあえず、利食い千人力とばかりに利食いを行い、含み損の玉は、値を戻してから決済しよう・・・なんて虫のいい事は止めましょう。もし、幸運の女神が微笑んで、1回2回は成功しても、そんなに虫の良い話は続きません。

 

両建てをするならば、損から外せがセオリー。

 

損失が出ている玉は、引かれ玉とも呼ぶくらい、後ろ髪を引かれるもの。しかも、相場の勢い・トレンドにも逆らっているからこそ含み損が出ていることを忘れてはいけません。大抵は、最初に持った建て玉ですから、愛着=執着も生じているでしょう。さっさと決済して、利益の出ている玉を残した方が賢明です。

 

両建てを外す時は、慎重に考えること。気軽に外して、すぐに、両建てをしなければいけなくなっては、本末転倒。

 

1.相場の動きを確認して、天底からの反転を確認してから外す。
2.両建てを外した後に、相場が上昇・下落・横這いに動いた時にどうするかをあらかじめ決めておく。両建て時は、損益が増えないため、決める時間はたっぷりあります。

 

さらに、両建ての値幅が大きすぎて、一方の建玉を外せば窮地に陥る。保有している建玉の量が多すぎて、どうしたら良いか分からないというのが対応に困る相談。

 

こういうのは、因果玉ともいいます。残酷なようですが、全て決済してまっさらにするのが一番。大きな損失を抱えた玉を持っている状態で、冷静に判断をすることは、お釈迦様でも難しく、次々に資金をつぎ込んで失敗するパターン。

 

それよりも、リセットしてから、新たに売買を始めないと、判断ミスばかりで、そのうち、なぜ、自分はこんなにダメなんだろうとメンタルにダメージを与えてしまいます。

 

海外の両建ては?

 

ちなみに、海外の投資家は、あまり両建てを使いません。含み損を抱えた場合は、両建てよりも決済することを好みます。そのため、取引システム自体に、両建てが出来ない場合も。買い建玉を持っている状態で、同一銘柄に、新規で売り注文を出せば、問答無用で、保有建玉を決済するシステムもあります。

 

商品先物の両建て:まとめ

 

  • ●両建てを行う時も外す時も慎重に
  • ●含み損を先送りするよりも決済優先で
  • ●両建てを外す時は、損をしている建玉から外しましょう。
  • ●両建てを外す時は、失敗した時の想定を考えてから
  • ●値幅の離れた両建ては、思い切って、全て決済するのが上策

 

両建てに頼るよりも素直に損切りする方が、簡単だと思います!



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