商品先物取引のトレードスタイル【短期から長期まで】
商品先物取引を始める場合、自分の性格・生活にあわせたトレードスタイルを決めてください。
サラリーマン・会社経営・自営業・主婦&主夫)などの生活スタイルによって自由になる時間は様々。トレードスタイルによって、商品先物取引の売買戦略は変わります。
商品先物取引の主なトレードスタイル
主なトレードスタイルは、ポジション保有の長さによって4つに分類可能。自分のリスク許容度や商品先物取引に割ける時間に合わせて、スタイルを決めることが肝心。
例えば、常にポジションを持つことによるリスクを避けたい・小さい損失に耐えられても大きな損失に耐えられない場合は、スキャルピングやデイトレード向き。損失を怖がる慎重な性格の人ほど、短期トレードに向いているのです。
素早い判断力必須:スキャルピングトレード
スキャルピングは、数秒から数分の短い時間で、わずかな利益を狙うトレード方法。狙う利幅は、わずかに数テイックレベル。そのため、短期チャートを見ながら、何回・何十回と売買を行い、利食い&損切りを繰り返して、利益を積み上げていくことになります。
※テイック:最小の値動き単位。金の1テイックは1円。
サラリーマン投資家でも、夕方や夜間など自分の自由になる時間に、スキャルピングを行うことは可能。コツとして、狙う利幅が小さい分、ダメだと思えば、即座に損切りをすること。リスクが大きいと考えられがちな短期売買は、しっかりと損切りさえすれば、大損する可能性は低いトレードスタイル。
1回あたりの利益は小さい分、損失も小さいため、リスクを抑えることも可能、そして、商品先物取引の売買経験を多く積むことができます。
一日の流れを読む:短期のデイトレード
デイトレードは、1日の中で取引を終了する短期トレード。相場を止める時間を作るために、取引終了時は、保有しているポジションをゼロにします。
1日の中で、取引を完結させることを狙う取引。スキャルピングよりは、大きい利幅を狙います。チャート分析や値動きの法則を重視した売買を行います。商品先物取引は、海外の値動きや為替の影響を受けやすいことから、値動きパターンを読むことが大切。
●スキャルピング及びデイトレードの失敗パターン。
1. 利食いを小さく、損切りを大きくというトレード。何回も売買を行って稼いだ利益を1回で吹っ飛ばしてしまう。
2. 利食い幅が小さく、売買手数料で損をする手数料負けトレード。
3. 教科書的に、こまめな損切りを繰り返すうちに、塵も積もればで、損失が膨らんでしまう。
短期トレード(スキャルピング&デイ)で大事なことの1番目は、チャートによるテクニカル分析。二番目は、利食いと損切りのバランス。
相場イベントに注目:スイングトレード
数日から数週間単位での中期での売買をスイングトレードと呼びます。テクニカル分析に加えて、ファンダメンタルズ分析での判断が重要で、重要イベントでの値動きを予想した売買を行うことになります。
例:OPECの石油会議で、減産が決まることを予想して、売りポジションを取る。
スイングトレードとポジショントレードは、仕事等が忙しく、値動きやチャートを頻繁に見ることができない方でも、商品先物取引を行うことが可能。
ファンダメンタルズのトレンドを見極める:ポジショントレード
スイングトレード以上に長期のポジション保有を行うトレードスタイル。長期トレンドを判断する知識と分析能力が必要。損切り回数を減らすためにも、ある程度の資金力を有して、売買する方が有利。
ファンダメンタルズ分析を元にした相場予想と、テクニカル分析による売買タイミングの決定力が大事です。
●スイングとポジショントレードの失敗パターン
1. 相場予想が外れても、そのまま、ポジションを持ち続けて、1回のトレードで大きな損失を出す
2. 取引高が大きいなどで、ポジションを持っている間は、日常生活に支障をきたす
◆東京金の日足チャート:フジフューチャーズ 2018年10月9日
上昇トレンドの中でも、相場は波のように、山と谷を形作って上下動。
ポジショントレードは、緑の矢印のように大きなトレンドを狙う取引。そして、スイングトレードは、もう少し小さなトレンドを狙います。
デイトレードやスキャルピングは、一日の値動きの中で売買を行う短期取引。東京金の場合、1日の中で、20~30円くらい動く傾向。その中で、10円の利幅を取ることができれば、1枚あたり、10円×1,000g=1万円の利益を得られます。
どのトレードスタイルにも、共通して言えるのは、以下の通り。
1.取引量を増やし過ぎない
2.利食いと損切りのバランス
3.短期トレードでも取引回数を増やし過ぎない
4.売買タイミングを重視する
5.売買にパターンを作り上げる
そして、なんといっても大事なのは、トレンドとレンジの見極め。上や下に方向性を持っているトレンド相場と横這いのレンジ相場かを判断することが、どのトレードスタイルでも大事です。