サウジアラビア=ムハンマド皇太子の脱石油改革で波乱!?

2018年11月05日 投稿

 

唐突におきたトルコ総領事館でのカショギ記者殺害で、外国との関係を不安視されるサウジアラビア。長く、石油の支配者として原油価格に影響を与えていた彼らも、アラブの春や石油価格低迷の影響を受けて、改革の真っ只中。

 

サウジアラビアのムハンマド皇太子による改革:権力争い激化

 

サウジアラビア改革の旗を振るムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、2017年に皇太子に昇格した33歳の若きプリンス。

 

米国のワシントン・ポストでコラムニストを務めていたジャマル・カショギ記者殺害の黒幕ではないかと言われている方。しかし、欧米をはじめとした各国は、サウジアラビアをとことん追求することはしないはず。

 

カショギ記者殺害は、原油相場の波乱要因か?

 

カショギ記者殺害事件を追求すれば、1970年台のオイル・ショック時のように、石油を武器にされてしまう可能性があり。当時と違い、米国の石油生産力向上・商品先物市場の整備などで、狂乱暴騰までには至らないと思います。とはいえ、サウジアラビアがイラクやシリアのようなカオスに陥るのは、避けたいシナリオ。

 

欧米は、ムハンマド皇太子が失脚すると、マイナス要素が大きいので、上手に折り合いをつけるはず。改革の頓挫や後継者争いが生じると、原油価格にも大きな影響を与えることでしょう。

 

WTI原油価格は、76.9ドルをピークに落ち着き

 

■WTI原油価格月足チャート 2018年10月30日 フジフューチャーズ

原油価格のチャート

カショギ記者は、10月2日に行方不明となるも原油価格の大幅な上昇はなし。ストキャスティクスの勢いは弱い。

 

石油と再生可能エネルギーの勝負

 

今も繁栄を謳歌する産油国。しかし、数十年先を見据えると石油の未来は、危うさと背中合わせ。枯渇・代替品の登場リスクにさらされています。それゆえに、サウジアラビアは、石油時代の終わりに備えた改革を独裁に近い形で実行中。

 

もともと、石油は、限りある資源で。堀尽くされてしまうのではないかという説が主流でした。ところが、海底油田やシェール開発といった技術の進化で、枯渇するリスクは大きく減少。

 

代わりに、新たなライバルが登場しました。石油の前に立ちはだかるのは、環境問題。石油・石炭などの化石燃料は、二酸化炭素を大量に排出するなど環境へのダメージが大きいとして、2016年11月に地球温暖化対策を定めたパリ協定が発効しました。

 

これ以降、世界のエネルギーは、太陽光発電などの再生可能エネルギー重視に舵を切ったのです。最もトランプ大統領がパリ協定からの脱退を示唆するなど、化石燃料の巻き返しも強く、今すぐに主役が交代するわけではありません。

 

しかし、サウジアラビアの次期国王と目されるムハンマド皇太子は。まだ若いだけに将来、石油から再生可能エネルギーへと主役交代を視野に入れた行動(ビジョン2030)をしています。

 

すなわち、石油に頼りすぎない国家運営・厳格すぎる宗教規則の一部緩和・女性の社会進出など西側先進国にとり、歓迎すべき指導者だったのです。

 

ただ、懸念する点は急ぎすぎ。イエメン内戦への介入・カタールの孤立と湾岸協力会議を壊したこと・サウジ国内の反対派粛清などを行い、国内外を問わずに敵を作り出しています。

 

日本の明治政府も西洋に追いつき追い越せと急いだ結果、佐賀・薩摩をはじめとした不平士族の反乱を呼び起こします。政府の主要人物も大久保利通をはじめ、凶器に倒れます。サウジアラビアの改革も、これと同じといえるでしょう。トルコで殺害されたカショギ記者は、独裁反対を唱えていたムハンマド皇太子反対派。これからもサウジアラビアの権力闘争は、商品先物取引及び原油相場の大きな波乱要因。

 

再生可能エネルギーが主役になるのはまだ早い

 

こういった要素を踏まえると、石油の時代は終わり、再生可能エネルギーに変わるのではないかと思いがち。ところが、世界の原油需要は、増加する見込みで、すぐに安くなるとは限りません。

 

一方、石油が安かった2015・16年に石油会社は、新規投資を削減。2022年まで、世界の原油需要は、毎年120万バレル/日も増えることをIEA(国際エネルギー機関)は予想しています。この需要を賄うのは、アメリカやカナダのシェール供給。

 

トランプ米大統領は、前に80ドルの原油価格を高すぎると文句を言っています。サウジアラビアも80ドルを超えないように生産調整をしていた様子。落ち着きつつある原油相場。

 

■WTI原油の日足チャート フジフューチャーズ

原油の日足チャート

日足のトレンドチャネルは、緩やかな上昇。世界株式市場や経済の落ち込みが強くなれば、原油価格も下がる可能性があるため、抵抗線を割り込むリスクに注意したい。



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