米中貿易戦争による不透明感で原油をはじめ商品先物市場は急落:2018年秋

2018年12月05日 投稿

 

原油価格をはじめとした商品市場が冴えません。アップルやフェイスブックといったハイテク株を中心に米株式が下落している上に、米中の貿易戦争に対する懸念が重くのしかかっており、投資家のマインドが冷え込んでいます。

米中貿易戦争への不安

 

なんといっても、投資家や金融政策の当局が恐れるのが、米中貿易戦争による世界経済の規模縮小。そうなると、原油をはじめとした商品の需要が減るとの考えから商品市場は下落しました。なんとか、G20で米中協議を行い、貿易戦争の一時休戦(90日間の猶予)が決定。

 

商品先物市場は、原油や銅・アルミ・白金など景気に左右されやすいモノが下落そして、リスク時に買われやすい金は横ばいで動くという投資家の不安感を示した形。

 

◆NY金の月足 2018年11月30日 フジフューチャーズ

NY金の月足

◆WTI原油月足

WTI原油

原油価格の下落は、株価や実体経済にプラス・マイナス両方の効果

 

原油価格下落は、産油国の株買いパワーを弱めるため、今のふらついている株式市場にとって、短期的に弱材料になりかねません。そして、原油価格の下落は、インフレ率の低下につながります。

 

インフレ率が低下すれば、2%を目標にするFRBは、利上げをする根拠の一つを失います。つまり、原油価格の下落は、今後の米国金利に大きな影響を与えることになります。実際、FRB内で、そろそろ利上げ打ち止めについて議論されるようになりました。

 

FRBの要人は、利上げについてやや慎重な姿勢を見せつつあり、米国の長短金利は低下。相次いで、FRBの副議長・議長が利上げに慎重なハト派発言を行い、株価は上昇。今後もトランプ大統領の意向もあることから、株価や景気に優しい金融政策を取ると思います。

 

●クラリダ副議長:景気を過熱も冷やしもしない中立金利に近い
●パウエル議長:米経済は年率3%で成長。中立金利をわずかに下回る

 

このまま、原油価格が50ドル近辺で安定すれば、2019年に3回と予想されている米利上げは、緩やかになるとの見方も浮上するでしょう。そして、米長期金利が下がっていけば、株式市場も持ち直し、またまた景気過熱感が出てくるリスクあり。

 

商品市場にチャンスありか?

 

しかし、ここ最近の下げが強かったこともあり、コモディティ市場の持ち直しもあるのではないでしょうか。以前のバブル崩壊時に比べて、現状、投資家及び金融市場の警戒感は根強いまま。真のバブル崩壊は、仮想通貨のようにイケイケムードになってから。

 

その意味では、現在、下落し続けるコモディティ投資へのチャンスではないでしょうか。逆張り投資家はウズウズしてくる相場です。

 

原油価格を左右するOPEC総会とG20

 

OPEC(石油輸出国機構)は、12月6日に、定例の総会をウィーンで開きます。ここで、減産合意できるかが、原油価格反発の鍵。50ドルまで下げましたから、これ以上の下落は、産油国側も避けたいところ。しかし、その前に立ちはだかるのが、米国のトランプ大統領。

 

G20で大きな成果

 

アルゼンチンのブエノスアイレス開催のG20(20カ国・地域首脳会議)で、サウジアラビアのムハンマド皇太子・ロシアのプーチン大統領と原油価格について協議する様子。オモテ及びウラでどのような話し合いになるのか注目。サウジアラビアとロシアは、G20で減産について協議した様子。サウジは、1月から日量100万バレルの減産を提案しており、減産幅がどの程度になるか注目。

 

また、米中首脳会談の結果、貿易戦争が90日間の停戦となったこともプラス。中国製品2000億ドルの輸入関税引き上げ(10-25%)を90日間猶予(2019年1月1日引き上げ予定でした)することになりました。さらに、中国は貿易赤字削減のために、米国製品を大量購入・知的財産権等の協議を行うなど、かなり米国側に譲歩した格好。まあ、このあたりは、かつて、日米で行われたことをなぞっている形です。

 

米WTI原油のフィボナッチから見る相場動向

 

●2016年2月の安値:26.05ドル
●2018年10月の高値:76.9ドル

 

過去の高値及び安値から、どこまで下がれば止まりやすいかフィボナッチから計算してみました。フィボナッチ・リトレースメント:上昇・下落(押し目)のめどになりやすい水準。

 

●23.6%:64.8994
●38.2%:57.4753
●50%:51.475
●61.8%:45.4747
●76.4%:38.0506

 

週足チャートでは、一直線の下落は終わって、調整局面。材料次第で、どちらに動くかという状態。

◆WTI原油 2018年11月30日 フジフューチャーズ

原油の週足チャート

いわゆる半値押し=50%水準が51.475ドルとちょうど現在のレベル。ここから反発するかさらなる下落があるか。まずは、OPECとG20を材料に動くでしょう。



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