米ドル/円の変動要因:その2 金利とリスクオン・オフ

2019年1月25日 投稿

 

前回の貿易収支は、長期の為替相場予想についてのお話。

 

為替相場の変動要因

 

今回は、もっと短期で、日々の値動きに影響する二国間金利差と金融政策の違いそして、リスクオン・オフを取り上げます。商品先物トレーダーに、為替はとても重要。

 

お金は、金利の高い方に動く性質を持つため、高金利通貨は、短期的に上昇しやすい傾向があります。高金利通貨=金利の高い通貨。南アフリカランドやトルコリラ、先進国では豪ドルなど。

 

なお、長期的には、高金利=高インフレのため、通貨安に向かうため、短期と長期で、逆の値動きをする天の邪鬼さ。

 

ということで、米ドル/円の動きを見るためには、日米の金利と金融政策に着目しましょう。

 

日米の金利差が重要

 

日米の金利差が開けば、高い金利を求めて、米ドル/円相場は、動きます。現在の水準だけでなく、将来どうなるかが大事。

金利差について

米国の金利が上昇傾向、日本の金利が低下傾向だと、日米金利差が拡大し、米ドル高円安に動きやすくなります。つまり、片方だけを見るのではなく、両者を比較するのが大切。

 

前回もお話したアベノミクスの円安相場は、貿易収支の悪化とともに日銀による金融緩和が二大要因。安倍政権は、三本の矢として、金融緩和・規制緩和・財政出動の3つを実行。この中でも、インフレ目標導入・量的緩和の拡大・財政出動は、円高是正の大きなプロジェクト。その効果として、米ドル/円は、大幅に円安へと進みました。

 

為替相場を読むために、日米の金融政策と10年・2年債の利回りは、確認しておきましょう。

 

2019年1月18日の長期国債金利

長期国債の金利

日米の金融政策

 

金利差の今後を予想する上で、大事なのは、中央銀行の金融政策。中銀の金融政策やインフレ動向で、上記の金利は変わりますからね。

 

2019年1月現在の日米金融政策は以下の通り。

 

●日銀:質的・量的緩和を実行中。2%のインフレ目標達成に四苦八苦。米欧が、先に量的緩和(QE)を終了したことから、いつ、緩和終了し出口に向かうかに注目が集まっている。金利は、低いレベルに抑えたまま。

 

●FRB:量的緩和策を終え、出口戦略を実行中。つまり、利上げ及び保有資産の減少=金融引き締めを行っているため、金利は上昇傾向。しかし、2019-20年の景気後退リスクから、利上げ中止や利下げへの転換という話も出ている。


三点目のポイントは、リスクオン・オフ

 

上の金利差と同じく、金融市場は、「高金利=高リスク高リターン」「低金利=低リスク低リターン」というセオリーがあります。

 

リスクオンの場合

 

そのため、金融市場・世界経済のリスクが少ない場合、高金利の国や通貨にお金が集まります。そして、利益拡大を狙って、低金利の通貨でお金を借り、高金利の通貨で運用するキャリートレードで利ざやを稼ぐ取引が行われます。

 

1%の金利でお金を借りて、5%で運用すれば、4%の利ざやが稼げますからね。(金利差が大きい程、為替の変動幅を補い利益が出やすい)

 

リスクオフの場合

 

リターンを追い求める市場に、2019年のお正月に起きたアップルショックのようなリスク要因が生じると大変。投資家は、リスクを嫌い、ポジションを解消する方向へと舵を切ることに。

 

そうなると、低金利通貨の日本円や商品先物取引の金「ゴールド」は、買われやすくなります。

 

他にも、為替相場の変動要因は、たくさん。あまりにもたくさんありすぎて、初めての方には、分かりにくいというお声をたくさんいただきます。そこで、二度に分けて紹介した3つの要因に注目して、米ドル/円を見ることをおすすめいたします。

 

貿易収支・金利差と金融政策・リスクオン&オフには、インフレ・景気など為替相場の変動要因がたくさん盛り込まれていますからね。3つだけですべてがわかるとはいいませんが、トレードの初心者に、為替相場への理解が深まると思います。

 

米ドル/円の動きをまとめると・・・

 

  • 1.貿易収支の黒字が続けば、円高に動きやすい
  • 2.日米金利差と金融政策で、米ドル/円は動く。
  • 3.市場のリスク回避時は、円高に動きやすい

 

2018年1月現在の注目は、日銀がいつ量的緩和を終えるのかと米国の利上げスピード。それによって、金や原油といった商品先物取引の値動きも変わりますので、重要です。



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