一触即発:アメリカとイランは、本当に戦争するのか? トランプ大統領が好戦的な理由

2019年5月24日 投稿

 

2019年5月12日、サウジアラビアの石油タンカーが、何者かに攻撃を受ける事件がおきました。これの背後にいる勢力は、イラン・・・それとも・・・どこが攻撃したのか気になります。

 

イランの核問題が話題の中東地域。タンカーへの攻撃で、石油の供給不足懸念が広がり、一時的に原油価格は上昇

 

●WTI原油価格日足 フジフューチャーズ 2019年5月21日

原油価格のチャート

 

日本では、原油及びガソリンは、簡単に手に入ると思いがち。しかし、石油の一大産地である中東諸国は、数々の火種を抱えており、生産や運輸網にダメージを受ける可能性があります。

 

商品先物取引の経験者でなくても中東情勢悪化が原油上昇につながるのは、オイルショックや中東戦争でご存知の通り。石油は、船やパイプラインで運ぶしかありませんから。

 

もし、中東からの石油がストップすれば、ガソリンや灯油の値段も一気に上昇。商品先物相場も大波乱になるでしょう。ガソリン価格の上昇は、生活に直結するため、インフレや政治不安に繋がります。

 

イランと米国の対立は戦争に向かうのか?

 

今、ホットなのは、米国とイランの対立。米国とイランの対立は、トランプ大統領の就任後に激化。この対立はどこまでエスカレートするのか気になります。はたして米国は、イランと戦争するのでしょうか?

 

ブッシュ政権時は、大量破壊兵器があると強弁し、フセイン大統領打倒を目指して、イラクを攻めた前例がありますからね。

 

先程の、石油タンカー攻撃は、ノルウェーの保険会社(ノルウェー戦争保険)の報告書では、イランの革命防衛隊が関与していた疑いが強いとロイターが報道。このあたりは、イラク戦争時の状況を思い出させます。

 

本当にイランとアメリカの戦争は起きるのでしょうか。

 

米政府は、湾岸地域に、空母エイブラハム・リンカーンを派遣し、中東の派兵強化を検討。ドナルド・トランプ大統領は、イランが戦いを望めば、イランは終わる。アメリカを脅すなと警告。

 

そして、中東の大国、サウジアラビアは、戦争を防ぐためにできるだけのことをするとの声明。

 

米中貿易戦争や北朝鮮問題の背後で、イランとの対立も激化中。

 

ここで、トランプ大統領とともに注目してほしい人物がいます。それが、イラク戦争で活躍したジョン・ボルトン氏。当時、ブッシュ政権下で、イラク戦争への流れを作ったネオコン派のジョン・ボルトン氏。トランプ政権下で、安保担当補佐官を担当。彼を起用したことからも、対イラン戦争への道筋ができつつあるように見えます。

 

●イランとの核合意離脱
●イランの脅威を宣伝
●ペルシャ湾に軍隊を派遣
●イラン側によるテロ攻撃(イランの関与が事実かどうか不明)

 

このまま、米国とイランのにらみ合いが続けば、偶発的な軍事衝突や不幸な事故をきっかけに戦争へと踏み出すことになりかねません。

 

イラク戦争時との違い

 

しかし・・・イラク戦争時とは大きな違いがあります。それは、米国覇権の弱さと同盟国の混乱。2003年のイラク戦争ですら国連の全面賛成は得られず、有志連合での戦いでした。その時に味方したイギリスは、ただいま、ブレグジットでイランどころではありません。

 

トランプ大統領の好戦的な姿勢は、アメリカが仕掛けるかもしれない無茶な戦争に付き合いたくないという考えをドイツはじめ欧州諸国に生じさせています。

 

さらに、中国とは貿易交渉で揉めている最中。ロシアとは大統領選挙の介入を巡るロシア疑惑。そして、両国はイランに接近している状態。

 

このように、国際世論の賛成を得られない中で、戦争を仕掛けることはないと思います。イラク戦争で大量破壊兵器が見つからず、IS(イスラム国)の台頭を許した過去は、記憶に新しいですからね。

 

トランプ大統領:米国ファーストのために好戦的な理由

 

トランプ大統領は、北朝鮮・イラン・中国と次々に経済・軍事的挑発を繰り広げています。なせ、彼は、こんなに好戦的なのでしょうか。その理由を考えてみます。

 

●トランプ大統領の目的は、原油価格の維持及び化石燃料の重要度アピールが第一。

 

再生可能エネルギーに押されてきた石油産業の再生を掲げていることから、中東地域の混乱とリスクアピールは、アメリカ国内でのエネルギー開発を進めるのに絶好のデモンストレーションになります。彼の求める米国ファーストにとって、高すぎる石油・安すぎる石油ともに、避けたい事態です。

 

●軍事・防衛産業

 

もう一つは、米国の軍事・防衛産業の強化が考えられます。世界一の軍事大国にとって、戦争は大儲けのチャンス。しかし、対イラクやアフガニスタンの失敗から、軍事侵攻の愚を学んでいます。そのため、挑発レベルにとどめて、周辺諸国の軍事費拡大ニーズを煽る意味があるのではないでしょうか。

 

●覇権の委譲

 

最後に、歴史的に孤立主義と干渉主義を繰り返してきた米国は、オバマ大統領の時代に世界の警察官を降りています。唯一の覇権国たる米国が世界の平和を維持するのではなく、各国が責任を持って、自国と周辺の平和を維持する役目を果たせというのが、就任以来のトランプメッセージ。そのために、今後も世界の各地で、同じような挑発を繰り返していくと思います。

 

●東京ガソリンの日足 フジフューチャーズ 2019年5月21日

東京原油

東京ガソリンは、上昇トレンド。

 

原油・金などは、トランプ大統領就任以来、彼の言動に左右されることが増えています。彼は、世界最高の経済力を持つ「米国」の動向を率直にトレーダーに伝えてくれるありがたい存在です。



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