仮想通貨(暗号資産)が上昇した理由:米中貿易戦争で、中央銀行と国家への不安が再燃

2019年7月12日 投稿

 

ビットコインをはじめとした仮想通貨は、2019年前半に大きく上昇しました。なんと、ビットコインは、36万円から140万円へと、3倍以上の値上がり。

 

仮想通貨が値上がりした理由は?

 

ブームが去ったはずの仮想通貨に何が起きたのでしょうか。その理由を明らかにしておきます。何しろ、商品先物・株そして、マネーの動きに、大きな変化がありそうです。

 

●ビットコイン/日本円の値動き 2019年7月10日


テクニカル的には、ダウントレンドをブレイクして上昇。


ここでは、仮想通貨のなかでも、代表的なビットコイン中心に話を進めていきます。

 

ビットコイン値上がりの理由。

 

さて、今回の値上がり。金先物の上昇と同じような状況で値上がりしているところに注目。主に3つの理由で上昇したのではないかと考えます。


1.法的な整備

 

今回の値上がりは、仮想通貨に対する規制緩和やビットコイン先物の本格化など制度的な背景整備がバックにあります。

 

3月に金融商品取引法と資金決済法の改正案を閣議決定し、仮想通貨を暗号資産へと呼び替えるとともに、様々な法整備に取り組みました。そして、米国のインターコンチネンタル取引所のバックトは、ビットコイン先物の試験運用を7月に開始予定。

 

大手SNSのフェイスブックは、仮想通貨の「リブラ」を運用開始に向けて準備中。

 

このように、仮想通貨を取り巻くポジティブなニュースが多かったのが第一。


2.米国と中国・イランが対立

 

そして、米中貿易戦争&イラン制裁を背景にした米ドル及び人民元への不安感。これは、金先物の上昇と同じ理由になります。

 

米中貿易戦争の本格化で、世界経済の鈍化・中国経済及び人民元への不安が強まった結果、中国を中心に人民元や米ドルの代替資産を買いたいニーズが強まりました。人民元がだめなら米ドルを買えばいいじゃないかと思うところですが・・・。

 

もし、米中の対立が激しくなり、イランのように経済制裁まで進めば、中国にとって、米ドルは安心な資産ではありません。資産の没収や凍結されては、いくら資産があっても意味がありません。

 

そのため、金が買われたのと同じ理由でビットコインも買われたのではないかと思います。

 

3.FRBの金融緩和路線

 

米国が利上げをやめて、利下げ路線(金融緩和)へ変わったのは、以前にお伝えしたとおり。

 

FRBは、金融引き締めから緩和へとお金の蛇口を開いたため、一部がビットコインをはじめとし仮想通貨に流れ込んだのでしょう。

 

最短翌日には取引可能! 無料口座開設


今後、日米欧の中央銀行が、さらに、緩和路線を推し進めれば、インフレ圧力が高まり、仮想通貨や商品先物に上昇圧力がかかるのではないかと思います。

 

中銀は、通貨の番人から株価の番人へと変節。

 

これらの根本にあるのは、米ドル及び中央銀行への不信感。今の中央銀行は、通貨の番人ではなく、株価の番人に変わってしまいました。

 

本当は、株価を維持しなければいけないのは、株価を発行する会社であって、中央銀行ではありません。ところが、今の中銀は、自国通貨を安くしてでも、株価を維持することに夢中です。

 

トランプ大統領の米国はもちろん、日本の黒田日銀は、株価を必死に支えています。自国通貨は守りよりも安くしたい位。

 

これが、永遠に続けば・・・いいのですが。しかし、株式市場と中銀の愛が永遠である保証はありません。両者の恋が悲恋に終わった時、株式市場の崩壊・中央銀行の信用失墜といったシナリオを投資家達は感じています。

 

これらの理由から、ゴールドやビットコインが買われました。

 

お金は管理するのは、国家か企業か

 

そして、フェイスブックが発行する仮想通貨「リブラ」は、いよいよ中央銀行と国家通貨に対して、企業通貨が挑戦をスタートする魁になります。フェイスブック・グーグル・アップル・アリババ・アマゾン・ソフトバンク・アリアンツなど世界の大企業が、それぞれ仮想通貨を発行すれば、もう・・・お金の流通量に制限がなくなりますし、大きすぎて潰せない論が再燃。
※リブラの未来は、まだ見えず。資産・マネー・証券・・・?

 

お金の価値が弱まる

 

こうなると、短期的な上下はあるとして、そろそろインフレを警戒する必要が出てきたのではないでしょうか。仮想通貨の大競争時代が始まれば・・・勝ち残りが決まるまでは混乱の時代が続ききそうです。

 

すなわち、仮想通貨・米ドルなど国家のお金が、大量にばらまかれる時代が到来するリスクを考えた方が良さそうです。

 

現在の仮想通貨の中で、最有力はビットコイン。しかし、仮想通貨の動きをよく見ておかないと、すぐに新たな通貨に取って代わられるリスクがありますよね。米ドル・人民元・日本円に対する不安があるなら、金先物(ゴールド)と仮想通貨の双方を検討しておきましょう。

 

●NY金価格の日足チャート 2019年7月10日

ビットコインの値上がりチャート

ビットコインと金が、足並みを揃えて上昇したのを考えると、両者の相関性は高まり、似たような材料に反応しやすくなっている様子。仮想通貨を買いたいけれど、資産として不安定だから怖いという方は、金取引はいかがでしょう。

 


米中貿易戦争が激しくなり、中国経済が、一気に悪化するシナリオが実現した場合は、かなりのマネーが、ゴールドや仮想通貨に逃げ出すのではないかと思います。逆に、米国が中国やイランと和解していくシナリオだと、仮想通貨やゴールドは、売られやすくなります。



初めての先物取引をご検討の方へ 初心者への手厚いサポート


初めての先物取引をご検討の方へ 初心者への手厚いサポート