危険シグナルが点灯した2019年の世界経済と商品先物市場

2019年8月23日 投稿

 

欧州・米国をはじめ世界経済の景気悪化が明らかになってきました。どうやら、市場は、今後の景気後退を予想しています。

 

今後の株式や商品先物取引はどうなるのでしょうか?

 

景気悪化を見越して、低くなる金利とPMI

 

まず、景気悪化を示す経済指標の一つ。PMIを確認しておきましょう。

 

2019年の夏、金利はどんどん低くなり、景気の先行指標であるPMIは下落。GDP(国内総生産)などの数字はまだ強めですが、PMIの数値は明らかな低下を示しており、ユーロやドイツは、好不調の基準となる50を大きく割り込んでいます。

※PMI (Purchasing Manager’s Index)=「購買担当者景気指数」。景況感を指数化して表示。50を超えると景気拡大、50を割り込むと景気後退を示します。景気の先行指数として有効な経済指標。

 

◆主要国のPMIを御覧ください。2018年の12月と2019年7月を比較。

PMIの悪化

2018年の12月(赤棒)に比べて、2019年7月(青棒)は、全般的に下がっていることがわかりますね。

 

そして、米国の中央銀行であるFRBも2019年以降の景気後退は予想していました。

 

利下げを織り込む金融市場

 

シカゴマーカンタイル取引所の金利先物では、米国の金利水準予想を確認できます。現在のFF金利は、2.00-2.25%。2019年9月の利下げ確率は100%!

 

まだ、金利は下がると予想していることになりますね!

 

「2019年9月の利下げ確率」

●1.50-1.75%:16.5%
●1.75-2.00%:83.5%
●2.00~2.25%:0%

 

「2020年4月の利下げ確率」

●0.75-1.00%:14.6%
●1.00-1.25%:32.3%
●1.25-1.50%:33.0%
●1.50-1.75%:14.7%

 

パウエルFRB議長が、利下げは調整だと主張しても、金融市場は、将来の金利低下を織り込んでいます。2019年9月の時点ですら、利下げを行わない確率は0%であり、利下げの水準がどうなるかの問題になっています。

 

そして、もし、利下げを行わなければ、株式市場がクラッシュするでしょう。

 

しかし、前回のFOMCで利下げ反対派がいたように、市場の期待に対してFRBの判断は少し遅れています。そのズレが大きくなった時は、株式・商品市場に大きな変動が起きます。

 

2019年7月のFOMCで利下げをしたにもかかわらず、株式市場が下落したのは、市場が感じる景気後退をFRBが受け止めていないから。世界中でマイナス金利など国債が買われて金利が下がっているのもリスクを察知した投資家が、債券に逃げているのが理由。

 

もちろん、金が大きく上昇しているのもそれが原因です。

 

では、このまま、世界中の景気が悪くなり、株式市場や商品市場は、大幅な下げに見舞われるのでしょうか。

 

そうとも言い切れないのが、現在の市場の面白いところ。

 

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まず、米中貿易摩擦と商品先物市場

 

米中の貿易摩擦は、世界経済にはマイナス材料。中国の景気悪化・世界全体の貿易量が減るリスクがあります。

 

そのため、石油の需要も減り、原油価格を下げる要因になります。実際、米中貿易交渉がうまく進まず、緊張が高まる中、原油価格は減少傾向。

 

ただし、米国のシェールオイルの生産コストは、50ドル前後であるため、このレベルを長く割り込むと先行きの供給懸念が生じてきます。

 

米国の金融緩和と商品価格の上昇

 

さて、そうなると、世界的な景気後退で、商品先物市場は、下落していくのではないかと思いますよね。

 

もしも、政府や中央銀行がなく、完全に市場に委ねるならば、そのシナリオが実現する可能性は高いかもしれません。ただし、現実には、大幅な株安や商品市場安=デフレにストップをかけることができます。

 

株安・デフレを防ぐために、米国・欧州・中国と各国が、さらに金融緩和を行えば、商品先物市場が上昇する可能性があります。今は、大幅な株安が許されない時代であり、企業の債務も大幅に増えているがゆえに、中央銀行は、景気が後退するのを黙って見ていることはできません。

 

トランプ大統領と市場の圧力に抗しきれずに、FRBが利下げサイクルに突き進んでいけば、商品先物市場も反発に向かう時が来るでしょう。

 

そして、もしも、米中貿易交渉が締結したならば、世界経済は反転して、バブル化していくシナリオが出てきます。トランプ大統領・・・サプライズでやりかねません。

 

その場合、短期的な景気回復とサイクルの先送りが生じるでしょう。株式や商品市場には、プラス材料ですが、金にはマイナス材料になります。商品先物市場を見れば、先行きの景気を判断する材料にもなりますから、原油・貴金属・穀物など、見ていくと面白いですよ。

 



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