中国による豚肉爆買いで、穀物&肉類のインフレが起きる!?

2019年10月15日 投稿

 

中国で、大変なのは、香港のデモだけではありません。

 

豚肉不足による物価上昇=インフレも大きな危機に発展するかもと警戒されています。たかが豚肉とあなどるなかれ。食料品の高騰は、政権の安定を揺るがしかねない大きなリスク要因。古代から国の存在は、国民の安全と食の2つを保障できるかが大きな意味を持ちます。それこそ、中国の歴史が証明している通りです。

 

豚肉不足のインフレ、確実に起きるとは言えないものの、注目しておきましょう。

 

中国の豚肉不足の物価上昇で、インフレリスク

 

今、中国で起きている物価上昇の原因は、豚がかかる伝染病の一つ。「アフリカ豚コレラの流行」。この病気にかかった豚を処分しなければならず。しかも有効な治療法がないため、新たな豚の飼育も難しいという状態。

 

●中国の消費者物価指数:前年同月比

中国のCPI:消費者物価指数


日本をはじめ先進国の物価は、インフレ目標の2%に届かず、利下げ・緩和だと叫んでいる中、中国はインフレ。平均2%の物価上昇率、特に、2019年4月以降は、2.5%を超える伸び。

 

豚がなければ、魚・牛・鳥を食べなさいというのは、フランス革命時の「パンがなければケーキを・・・」のたとえ話を思い出します。何しろ、中国の人口は約14億。この胃袋を満たすのは、そうそう簡単なことではありません。

 

中国の豚肉不足などで、商品先物にインフレのキザシあり

 


すでに、中国は、世界中の畜産物を買い始めています。アフリカ豚コレラが収まらず、タンパク源の不足が激しくなれば、中国による爆買いがスタートする可能性があります。そうなれば、21世紀に原油・金属などの資源価格が高騰したように、穀物・畜産価格は一気に上昇していくでしょう。

 

※穀物価格は、中国の飼料用輸入が減少して安くなる可能性もあり。豚肉の代替物として、何が中心になるかが穀物価格の鍵を握ります。

 

●中国の食肉生産量(単位;万トン)

豚肉をはじめとした生産量
データ:USDA 三石誠司氏(宮城大学教授)

表を御覧ください。2019年の中国は、豚肉の生産量が大きく減っていますよね。消費量の5,054万トンに対して、生産量4,850万トンと大きく不足。そのため、2019年の輸入量は、約220万トンと141%の伸び。鶏肉も168%と大幅な伸び率。どうなるか心配です。

 

アフリカ豚コレラが広まっていけば、深刻な食料不足になるかもしれません。外国産の鶏肉・羊肉などの値段は、上昇傾向にありますから、スーパーの肉コーナーで値段の推移を見ても、面白いかも。

 

日本の商品先物取引に、豚肉や鶏肉といった、肉類の銘柄が無いのは、少し残念。大豆やとうもろこしといった飼料用穀物の値段を気にしておきましょう。さらに、金先物の上昇要因に、また一つインフレという要素が加わります。

 

中国&インドの人口増加に食料が足りるかどうかは、人類が常に抱えている爆弾ですからね。今年から来年にかけて、中国の畜産物爆買いが起きれば、ブラジル産鶏肉・米国産豚肉・牛肉が値上がりして、世界的な食糧危機・インフレが生じる可能性あり。

 

食糧危機は、地政学リスクを高める

 

それだけではありません。食糧不足・高騰は、政治に対する不満がたまる原因。そうなると、ただでさえ揺れている中東・アフリカ地域の治安が悪化するリスクが高まります。

 

つまり、食糧不足⇒インフレ⇒治安・国への信頼低下⇒地政学リスクの高まりという新たな問題が2019-20年に生じるシナリオを頭に入れておいた方が良いということ。

 

●米国大豆価格の日足チャート フジフューチャーズ 2019年10月9日

米国産大豆


株・為替相場だけでなく、とうもろこし・大豆価格の動向も、金・原油価格とあわせて見ておきましょう。日本の食卓にも、豚肉が高くて出てこない事態が来るかもしれません。それどころか、アラブ・中国などの地政学リスクが高まる可能性があります。原油・金・穀物を扱う商品先物取引が相場の主役になるかもですね!



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