ドイツ経済の黄金時代が終わる時、新興国を道連れにするリスクあり

2019年11月15日 投稿

 

さて、8月に世界経済悪化の様子をお伝えした時とは、相場のトレンドが変わりました。米中通商交渉の合意が近く、米国経済の好調に対する欧州経済の悪化が目立ちます。特にドイツ経済の冷え込みが厳しくなり、景気後退に陥るリスクがあります。

 

  • ●米経済は、引き続き好調
  • ●ドイツ及び欧州経済のリスク

 

場合によっては、ドイツ発の世界不況に繋がりかねず、資産分散の点から、ゴールドを選択肢に入れる投資家やファンドが増えています。

 

ドイツ経済黄金時代の終わり

 

以前、購買担当者景気指数PMIが落ち込んでいることをお伝えしました。そして、今度は、経済成長率の見通しが悪化。

IMF(国際通貨基金)のデータ

  • ●2019年の欧州経済成長率見通し:1.2%、2020年:1.4%。
  • ●ドイツの2019年見通しは、わずかに0.5%!

 

ドイツ経済は、非常に強かったはず。それがなぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。

 

ドイツ経済悪化の理由

 

● ブレグジットの影響
●ドイツ銀行危機
●ドイツ自動車産業の悪化
●米欧貿易摩擦
●中国経済の失速
●環境規制強化

 

ドイツ経済が悪くなった理由は、いくつも挙げられます。ブレグジット・貿易摩擦・環境問題と課題は山積み。実は、日本も同じような問題を抱えている似たもの同士なんです。

 

これまで、自動車や機械など製造業で力を発揮してきたドイツ。しかし、肝心なドイツ車の生産・輸出とも落ち込み。

 

米中貿易交渉の激化による中国消費の落ち込み・厳しくなる環境規制への対応は、世界全体での自動車産業を減速させており、クルマのドイツには大きなダメージ。中国の2018年自動車販売台数は、前年比2.8%減となり、経済減速の影響が出ています。

 

環境規制について

 

ドイツと環境規制といえば、2015年の排ガス不正事件。フォルクスワーゲンをはじめとするドイツの大企業に大きなダメージを与えました。そして、今年は、グレタ・トゥーンベリさんの国連演説が行われたように、環境規制の強化は、時代のうねりとなっています。

 

少なくとも欧州において、環境規制は、ビジネス上の大きな波であり、様々な業界が加わった大きな流れ。彼女だけが起こしたムーブメントではないと、投資家ならば、考えるべきでしょう。

 

環境規制の影響で、パラジウムは、大暴騰

●パラジウムの月足チャート 2019年11月12日

パラジウムの月足


プラチナ以上の高値を付けています。

 

●白金の月足チャート

プラチナの月足チャート

 

世界は、グーグルやアマゾンなど、IT化・サービス経済化している中で、ドイツ経済の強みである製造業だけでは苦しいのです。欧州及び世界でのドイツ経済の独り勝ちは終わりを迎えました。

 

米中貿易交渉がどのような結果になるかはまだわかりませんが、中国は米国に妥協をすると思います。となれば、中国は、米国からモノを買うことになるでしょう。その時に割を食うのは欧州。

 

米国独り勝ちの中、ブレグジットで、英国を引き入れることに成功すれば、欧州には大きな痛手。米欧貿易交渉・自動車関税も控えており、ドイツが稼ぐ黒字の大きな部分を占める米国・英国との貿易の数字が悪化することは避けられません。

 

欧州経済悪化は、新興国からの資金流出につながるリスク

 

数年前から、ドイツ経済が悪化するたびに囁かれるドイツ銀行破綻。マイナス金利の中、トレーディング業務でもうまくいかないドイツ銀行は、株式トレーディング業務から撤退し、コスト削減の大リストラを展開中。

 

もしも、欧州経済がさらに悪化すれば、欧州の銀行経営が危なくなります。そうなると、新興国に大量融資をしている欧州の銀行は、新興国からの資金回収に動くかもしれません。そうなると、欧州経済の不況が新興国へと飛び火する事態が起きてしまいます。

 

米国をはじめ、先進国の金利が上昇しつつあるため、それに伴って、新興国の資金流出圧力が高まります。

 

金融危機が起きる前には、ラストで大幅な上昇という熱狂が起きがち。同時に天井での乱高下が起きやすくなります。

 

リーマン・ショック以降、株式・債券ともに、歴史的な買い相場が続きました。いつか来る悲劇のきっかけがドイツ経済になるのか米国の不動産になるのかは、わかりません。

 

なぜ、こんなに金先物が上昇しているのか。本連載をじっくりとお読みいただければ幸いです。

●金の月足チャート

金の月足チャート

 

投資家にできることは、その日に備えることだけ。得に、ゴールドを資産に加えておくことは、とても有用な手段です。



漫画で解説 Venusはいかがですか お取引をお考えの方必見です