2019年の商品先物市場の振り返り:貿易・地政学・天候の3リスクで胸騒ぎ

2019年12月25日 投稿

 

2019年の商品先物市場は、パラジウムの高騰が凄い年。さらに、米中貿易交渉に絡んで、ゴールドが動くなど、多くのイベントがありました。

いよいよ、今年も年末年始を迎えますね。年末年始は、急激な相場変動に要注意。昨年は、正月明けに、米ドル/円のフラッシュクラッシュ(急落)が生じました。そうそう、クラッシュが起きないように、FRBは、米ドルを用意してくれる様子。

 

2019年の商品先物取引市場は、貿易・地政学リスク・天候の3つ

 

2019年は、米中貿易交渉が、相場の大きな変動要因。米国ファーストによる保護主義は、経済活動の低迷と米国の独り勝ちを引き起こしています。それを補うために、各国の中央銀行は、金融緩和のスタンスを継続しており、米国の消費も強いままです。

 

また、米中の覇権争いは、世界的な地政学リスクを高めており、中東地域の緊張とサウジアラムコのIPOは、原油と金を支える要因の一つ。

 

そして、商品先物市場に大きな影響を与えたのが天候。米国を襲った春先の洪水は、大豆やコーンといった穀物相場を上昇させました。夏から秋にかけては、アジアを大型台風が襲い、ゴム相場が上昇。日本も千葉をはじめ台風の被害が大きい年でしたし、今後も異常気象による天候相場が生じる可能性は高いでしょう。

 

●東京コーンの週足チャート 2019年12月20日 フジフューチャーズ

コーンの週足

レンジが続くコーン相場。安値で買い高値で売りの逆張りが効きやすい。出来高が多ければ、面白いんですけどね。

 

●ゴムRSS

ゴムの週足
天候や真菌病拡大の影響で夏以降に上昇したゴム。さて、そろそろ過去の高値に接近で、ローソク足が陰線に。天井になるか押し目になるか?

 

さて、相場の波乱要因に対し、中央銀行は、緩和スタンスで臨みました。これがなければ、特に、株式市場は、大荒れだったと思います。

 

2019年のFRBの動き

 

商品先物・株式市場に大きな影響を与えるFRBの金融政策。2019年は、昨年の利上げ路線から転換。2019年7月から利下げに転じて、3回の利下げを行いました。

 

米国の政策金利は、2.50%から1.75%まで、低下。中立金利を下回るレベルに押し下げられた金利は、景気拡大の持続に成功したと言えます。このため、金利低下で恩恵を受ける金先物市場は上昇。

 

年末に向けて、FRBが行う隠れQE4

 

そして、市場で注目されているのが、FRBによる隠れQEの動き。9月中旬に置きたレポ市場危機以降、米株の上昇に一役買いました。これは、資金供給オペと短期国債の購入を行うことで、QE(量的緩和)と似たような働きをしている現象のこと。ついに終わりを迎えたスターウォーズサーガの最終作でも敵役にかつての皇帝が登場するように、非伝統的金融政策「QE」はしぶとい。

 

結果、FRBのバランスシートは縮小から拡大へと変化。マネーを市場に出すことで、株式市場は、世界的に上昇しました。為替相場もややドル安に動いています。短期国債の買い入れは、2020年4から6月期までとなっていますが、7月以降も続くかが大事。

 

もし、7月以降も続けば、量的緩和=株高という流れ。そして、通貨は米ドル安に動きやすい。

 

そして、FRBは、年末年始のドル不足を補うため、4900億ドル(約53兆円)もの資金供給を行う見込み。規制の影響で、大手銀行が米ドルを市場に出さなくなっているため、万一の危機に対応する方針。

 

少し一休みの金市場も高値安定のまま。

 

さて、それでは、主な銘柄の2019年のチャートをチェックして締めにいたします。

●東京金の週足チャート

東京金の週足チャート
2019年、米中貿易交渉激化やFRBの利下げによって、金先物は上昇しました。

 

●パラジウムの週足チャート

パラジウム週足
環境規制の強化と品不足で上昇の止まらないパラジウム。ようやく少し下げています。

 

●プラチナの週足チャート

プラチナ週足

下値を切り上げたプラチナ。過去の高値を超えて行けるか注目の銘柄です。

 

●原油の週足チャート

原油の週足
大きなレンジを描いた2019年の原油。サウジアラムコのIPOや中東の地政学リスクを気にしたいところ。


2019年の商品先物市場は、もうすぐ終わります。いつも、本連載をお読みいただきありがとうございました。来年も変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。

皆様のご健康をお祈りして。



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