2020年の金価格予想:緩和マネーが押し上げる株と商品

2020年1月6日 投稿

 

2019年は、2018年の世界同時株安・米中貿易交渉の影響による金先物が上昇し、NY金は、1,500ドルの大台に。さて、2020年の金相場は、どのような動きになるのでしょうか。

 

いきなり、米国とイランの対立激化が起きてしまいました。

 

世界的な景気上昇から株価が上がれば、金先物の需要は減る

 

2018年の大幅株安に怯えたFRBは、利上げから利下げに方針転換。さらに、トランプ大統領の減税政策やFRBへの圧力もあり、米景気と株価は堅調。金融緩和による低金利政策で、株高・商品高になりました。このまま、トランプ再選に向けて、株高を維持していくのが、2020年のメインシナリオ。そのため、金市場は、安値での、買い拾い戦略と見ています。

 

●NY金先物月足 2020年1月4日 フジフューチャーズ

NY金月足

年末に、中国の景気刺激策やドル安の影響で上昇。さらに、2020年1月3日、年明け早々に、イラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官を米国が殺害。中東の危機リスクが高まったことで、金先物は、大きく上昇。

●日足チャート 2020年1月4日

NY金の日足
下落チャネルを上抜け。さらに上値を追えるか

 

もし、株価が下げそうになれば、FRBの利下げと米中貿易交渉の進展という2つのカードを切ることができるため、2020年前半もしくは大統領選挙まで、高い高いと言われながら、株価を維持するという予想。緩和マネーが、株や商品を押し上げる流れの継続。


5Gに伴う設備投資や電子機器ブームによる株価上昇

 

2020年は、いよいよ次世代通信5Gがスタート。それに伴う投資&消費増加が期待そうです。総務省の計画では、ドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天の4社の5年間投資額は、約3兆円。

 

景気好調&原油価格上昇によるインフレ率上昇で、金利は、2019年前半よりは、高めで推移しそう。そうなれば、金利を産まない金先物は、やや魅力が薄れると見ています。

 

しかし、米長期金利の大幅上昇は、2018年の世界株安のようなクラッシュを引き起こしかねず、大幅な上昇は難しいのではと思います。トランプ大統領は、株価や金利動向に敏感ですから、SNSを駆使して、FRBに利下げ&ドル高是正圧力をかけるでしょう。

 

もしも、何らかの要因で、金利が急上昇すれば、それは、悪い金利上昇になり、金が買われる可能性もあります。後で、述べますが、メインシナリオが崩れるリスクはたくさんありますからね。

 

それでは、金の魅力は、弱まり、大幅な下げへと至るのでしょうか。

 

いえいえ、そうは考えていません。多少、安くなったところは、中央銀行や新興国の買いが集まるため、安値は拾われると思います。

 

すでに、米国一極集中は崩れ、世界は覇権分散の時代に入っています。ゆえに、今の米ドル一極集中を避けなければ、経済的に米国の言いなりになってしまいます。

 

中国やロシアなど米国と対等でいたい国は、米ドル依存から脱するためにも、外貨準備に占める金の割合を増やしたいと考えています。相手国通貨に頼るようでは、真の独立と言えませんし、経済封鎖に弱いので。とはいえ、人民元・ルーブルなど自国通貨は弱いため、金を保有することで、米ドルを減らし、自国通貨の裏付けにする動きを続けていくでしょう。

 

金高騰につながるリスク要因

 

トランプ大統領の敗北

 

株価など市場重視のトランプ大統領。もし、民主党左派のサンダース氏やウォーレン氏が大統領になれば、富裕層やIT企業への課税・規制が強化される政策を採用する可能性があるため、金融市場が大混乱に陥るリスクがあります。


米景気好調の終わり


米国が引っ張る景気好調は、世界全体を強めるよりも独り勝ちの様子。そして、景気サイクルによる好不調の波を嫌った世界は、金融政策だけでなく、財政拡大に動こうとしています。そうなると、ITバブルや土地バブル再びと後始末が待っています。すでに、スタートアップ企業のバブル化が話題になっていますしね。

 

ユニコーン企業などの市場悪化(スタートアップバブル)


スラック・ウーバー・ウィーワークと、時代の寵児になりかけたスタートアップ企業の一部は、太りすぎた体をもてあましているかのよう。清らかな乙女しか見つけられないユニコーンを欲張って探すのは、むずかしいのかも。

 

低金利継続によるモラル・ハザード。ジャンク債をはじめとした債権バブル


マイナス金利が続く欧州や日本は、銀行の収益力低下に悩んでいます。さすがに、預金者にマイナス金利を押し付けるわけにはいかず、利回りを稼げる債券への買いが集中。高利回りのジャンク債の発行も増えており、アラートが鳴っても不思議ではありません。

 

●10年債利回り 2019年12月26日

国債利回り
米国の利回りは、他国よりはるかに魅力的。ドイツや日本は、いまだ、マイナス金利。

 

米中衝突や中東危機など地政学リスク


米中の貿易交渉が、急遽、破談になるリスク。膨張しているイスラム勢力とキリスト教勢力・中国との対立が激化すれば、地政学リスクが高まります。中国が行っているスポーツや映画など娯楽・文化への介入も問題になりつつあります。

 

世界が対立へと傾けば、ゴールドの持つ危機に対するヘッジ能力がクローズアップされます。

 

1月3日のソレイマニ司令官殺害は、危惧していた地政学リスクの一つ。米国とイランの対立がエスカレートしていけば、金先物価格も一段と上昇に向かうことに。

 

米ドル頼みの危険性


米ドル及び米国に頼っている世界経済の現状は、まるで賭博黙示録カイジのような、先に行けば行くほど細くなる綱渡りをしているようなものです。米ドル高や金利上昇があれば、あちこちで、債券のデフォルトの声が聞こえてきます。

 

米国以外の銀行が持つドル建て資産は、IMFによると、2012年の9.7兆ドルから2018年に12.4兆ドルに膨らんでおり、米ドル不足が起きるリスクを回避するのは、大きな課題です。万一のために、中央銀行の外貨準備を米ドル及びゴールドで増やしておくのも一つの方法ですから、金の需要を支えることになるでしょう。


●東京金月足チャート 2020年1月4日 フジフューチャーズ

東京金日足

2019年8月6日、金先物は、2013年4月以来の1g5,000円台と大台乗せ。その後も5,000円台をキープしており、ここがサポートライン。割り込むと4,600円~4,800円などが視野に入ります。もちろん、イベント次第で、さらなる高値もありえます。

 

ブレグジットもいよいよ。2020年の基本シナリオは、緩和マネーによる株高・商品高。ただし、緩和すればするほど、将来のリスクは高まります。そのため、ヘッジのために金は買われるとともに、イベントリスクが生じれば、金価格は、跳ね上がることになりやすい状況が続くと思います。



7,200円からの金投資 約60倍のレバレッジ効果 仮想通貨が注目されているからこそ 金投資で分散投資


7,200円からの金投資 約60倍のレバレッジ効果 仮想通貨が注目されているからこそ 金投資で分散投資