スレイマニ司令官殺害により、中東の乱世が始まる!

2020年1月15日 投稿

 

米国とイランの対立は、事前連絡をした上で、イランのアリバイ攻撃に終わりました。そのため、リスクオンの流れはわずかで、またもや株価は上昇。有事の金買いが起きたのも数日だけ。

 

ただ、中東の争いはまだまだ終わらないどころか混乱を深め戦国時代のように乱世化していくと思います。金と原油の商品相場にとっては、目を離せない展開が続くでしょう。

 

●NY金先物の日足チャート 2020年1月10日 フジフューチャーズ

金の日足チャート


●WTI原油先物の日足チャート 2020年1月10日 フジフューチャーズ

原油の先物チャート

 

トランプ大統領がスレイマニ司令官を殺害した事件

 

スレイマニ司令官は、2019年秋以降にイラクで起きた米軍駐留基地への攻撃指揮をしていた人物。いわば、イラクをはじめ、中東のイラン支配地域を拡大するための現地司令官。ISとの戦いにおいても活躍し、イラン国内で、英雄視されていましたが、米側は、テロ司令官とみなしていました。そして、大使館や基地へのさらなる攻撃を計画していたため、米国の逆鱗に触れて殺害されました。

 

トランプ大統領は、前から、ISを打倒し、シリアから米軍を撤退させることを公約しています。米国が軍隊を派遣して、地域平和を守るのではなく、その地域自身や他の大国も治安維持を担うべき。浮いた資源を米国内の投資に回す方針、いわゆる米国ファーストですね。

 

イランと米国が戦うとどちらが勝つのか

 

イランと米国が本気で戦ったら、さすがに、戦力差は歴然。それは、イラク戦争でイラクがあっさりと敗れたことでも分かります。戦って勝てないことは、イランのハメネイ師もわかっています。戦争で負ければ、現政権は倒されて、イラクのフセイン大統領の後を追うことになりますし。

 

もちろん、戦いのあとに起きる占領・治安維持において、多くの問題が起きますし、現在のイラクの状態を見ても、米国によるイラン統治は無理でしょう。というかトランプ政権の方針に反しているからやりたくない。

 

お互いの利害が一致して、イランのミサイル攻撃は、アブドゥルマフディー・イラク首相に事前通告。被害は抑えられるという出来レース。そして、安心した金融市場は、株買い金売りを開始。

 

さて、ここからが問題です。そんな茶番が通用するのでしょうか?
くさいものの蓋をしただけのように、見えてしまいます。

 

中東からの米軍撤退は、乱世開始のシナリオ

 

イラク議会において、サイルン連合とファタハ連合が、米軍撤退法案の提示に合意。サイルン連合のサドル師は、反米の方向に舵を切った様子。

 

スレイマニ司令官殺害に対して、賛成を示した米国やNATOへの嫌悪感をもとに、イスラム過激派がまとまる可能性が出てきました。

 

ここから想像するに、平和な社会が中東に訪れる前に、混乱と戦いの日々が起きそうです。スレイマニ司令官殺害は、中東のパワーバランスを崩し、地政学リスクを高めるきっかけになると思います。

 

イラク政府及び民衆が民主的に米軍撤退を求めれば、トランプ大統領は、それに乗る可能性もあります。もし、そのシナリオが実現し、治安悪化から原油高になっても、シェール革命で、原油・ガスを生産できる米国のダメージは小さい。各国から武器購入の問い合わせは殺到し、中国・欧州・日本は、シーレーン防衛にコストがかかります。米軍を雇うなら、費用を負担せよと言えますしね。

 

まさに、米国復活のシナリオといえるのではないでしょうか。

 

●イラクからの米軍撤退及びその後に起きる混乱
●米国や欧州でのテロ増加
●サウジアラビアの核武装
●イスラエルとイランの対立
●イスラム過激派の蜂起

 

これらは、全て地政学リスクの拡大につながり、原油や金を上昇させる材料となります。今後の日本は、資源確保に、今まで以上の力を注がなければいけなくなります。

 

●東京金先物の日足チャート 2020年1月10日 フジフューチャーズ

金先物の日足


米国ファーストに抵抗するために、各国中銀の金を買う意欲も上がるのではないでしょうか。安値の金は、買いが2020年のキーワードです。




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