株式と原油相場のミスマッチ。新型コロナウイルスの影響はどちらが正しい

2020年2月14日 投稿

 

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、大幅に下落した株価。ところが、中国の金融支援のおかげで、上海株の下げが小さく、上昇に転じた結果、NYダウは最高値を更新。名前がついに、COVID-19と決まりました。

 

今回は、前回に引き続き、コロナウイルス関係の記事。予想より相場の回復が早かったと思います。

 

新型コロナウイルスで、大幅に下落した原油相場

 

一方、上昇する株式に対して、大幅下落した原油相場という面白い事象が生じています。新型コロナウイルスの被害自体は、まだ、これから。今後、中国を中心に経済指標の悪化が出てくるでしょう。悪くならなければ、そんな統計は信ずるに足りませんね。

 

●WTI原油の週足チャート フジフューチャーズ 2020年2月10日 

原油チャート
WTI原油は、65ドルから50ドルに下落!

 

原油と株式のミスマッチ

 

原油と株式のミスマッチは、面白い現象です。それでは、株価と原油。どちらが実情に近いのでしょうか。

 

私は、原油の方が、コロナウイルスによる中国経済の悪化と世界への影響を表していると思います。株式市場の上昇は、中国による約18兆円もの金融支援や空売り規制のおかげ。これがなければ、原油と同じようなレベルまで下落したのではないでしょうか。

 

需給で価格が決まる原油の方は、政府や中銀の思惑の入る余地が小さい。新型コロナウイルスの影響で、中国の石油需要は、消費全体の約2割にあたる日量300万バレルほど減少するとの情報が出ています。(ブルームバーグ)

 

もっとも、原油相場は、大きく下落したため、産油国による減産調整が行われて、いずれ、切り返すタイミングがあると思います。

 

新型コロナウイルスでも、株が上昇した理由

 

株式市場は、新型コロナウイルスの影響で、一時的に経済が落ち込んでも、後で取り返す事ができると見込んでいる様子。1-3月期の生産や消費が落ち込んでも、その分、4月期以降の数字がよくなる。

 

うーん、これは、あまりにも楽観的な見方すぎる気がいたします。確かに、こういった災害や流行病は、パニックになった金融市場に過大評価されがち。その後、元に戻りやすい性質を持ちます。しかし、今回は、パニック前より高い状態になりましたからね。

 

原油市場の下げが正しいければ、株は暴落する?

 

それなら、株価は上げすぎで、すぐに、暴落するかというと、そう単純ではありません。今の市場は、少々、悪いニュースがあっても、乗り越える位、株価フレンドリー。大手ファンド会社「ブラックストーン」のバイロン・ウィーン氏は、株価は3~5%調整し、米10年債利回りは、1.3%近辺まで下がるとの予想をしています。株式相場や債券の実情はそんなところでしょう。

 

中国の金融支援について

 

株価が反発する大きなきっかけになったのが、中国政府による金融支援。中国人民銀行は、1兆2,000億元(約18兆7,400億円)もの資金を市場に投入することで、金融市場の動揺を抑えることに成功。債務削減も後回しで、なんとか株式市場と経済成長を支えようと必死。

 

でも、どこかで限界は来ます。このツケはいつか回ってきます。永遠にツケ払いをすることはできず、投資家のモラルもどんどん甘くなっていく。これからの市場は、いつ、ツケを払うことになるのかヒヤヒヤしながら、付き合うことになるでしょう。

 

中央銀行のドーピング

 

ただ、政府や中央銀行に頼る相場は、中国だけではありません。米国もトランプ大統領によるFRBへの圧力を好感した投資家が強気に出ています。FRBの利下げ確率も上昇。えっ・・・こんなに経済や株式好調なのに利下げするのという疑問の声も株式市場の上昇という甘い蜜の前に、小さくなっています。

 

2020年7月29日のFOMC利下げ確率(CMEのFedWatchツール)

 

  • ●現状維持(1.50-1.75%):42.1%
  • ●25bp利下げ(1.25-1.50%):41.2%
  • ●50bp利下げ(1.00-1.25%);14.5%

 

半年後は、現状維持より利下げ確率の方が高い!


ほら、資産価格バブルの足音はすぐそこです。この状態の株式に対しては、商品先物のパラジウムなどと同じく、売り向かうのは難しい。おっかなびっくり買い進む2020年相場になりそうです。

 

FRBは、金融政策報告書において、リスク要因を警告。

 

1. 新型コロナウイルスの感染
2. 上昇した資産価格
3. 低格付け企業の債務

 

実態と乖離しつつある資産価格に対する警鐘が囁かれ始めました。ダンス終了の鐘が、いつ鳴りはじめるのか、周りを見ながら、株式市場は、踊り続けています。

 

特に、新型コロナウイルスが経済に与える影響については、原油相場を灯台代わりに見ていくと良いと思います。まだまだ、下がるようだと、世界経済に与える影響は大きく、上昇していけば、影響は小さいと見ておきましょう。今の株式市場は、経済の実情を見ることについては、少し当てになりませんからね。

原油相場も産油国の協調減産や紛争や災害といった需給面による動きには気をつけなければいけません。



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