急激な円安相場は、日本景気後退による日本円売りの兆しか?

2020年2月25日 投稿

 

急激に、米ドル/円相場が、米ドル高円安へと動き、商品先物トレーダーの方もびっくりされたと思います。2020年2月19日に、これまでのレジスタンスを突破しました。

 

新型コロナウイルスによるリスクオフで、円高へ動いたのはわずかな期間でした。その後、どんどん円安が進んでいます。ユーロも売られており、ドル高&ゴールド高という状態がリスク回避なのに、続いています。この動き、今までと違う動きなんです。


●米ドル/円の月足チャート フジフューチャーズ 2020年2月20日

米ドル円チャート

ドル高になれば、金は安くなるのが普段の動き。本来のセオリーは、ドル高金安ですけどね。ユーロや日本円から米ドルや金に資金がシフトしている感じがします。

 

●NY金の月足チャート

金月足チャート

上昇トレンド継続中。商品先物取引で金先物を買っている人は利益が乗って大喜びだと思います。

 

なぜ、新型肺炎によるリスクオフなのに、円安になっているのか

 

今回、急に円安になった直接的な原因はこれ。

 

新型コロナウイルスによる売りの巻き戻し


コロナウイルス拡大によるリスクオフを期待して、米ドル/円のショート(売り)ポジションが溜まっていた。予想に反して、円安に動いたことで、損切りの動きが出た。

 

2020年2月20日に、それまでの抵抗線をブレイクして上昇した為替相場。トランプ砲による米ドル高警戒が怖いながら、これまでのリスクオフ=円高相場と考えては危険な様子。

 

では、中長期的な円安要因を見ていきましょう。

 

1.新型コロナウイルスによるインバウンド・経済の落ち込み

 

新型肺炎の感染拡大の影響は大きく、日本へのインバウンド客は、減少しています。私も今週、京都に行きました。電車・新幹線は、空いており、街も以前より静かでした。今こそ、嵐山に行こうなどというキャンペーンも話題になったのを見た方も多いかと。

 

何しろ、東京五輪の開催すら危ぶまれているわけですから、日本経済への影響が甚大になりそうな気配です。

 

原油相場安から、見る新型コロナウイルスの影響。



2.消費税増税&新型肺炎による景気後退

 

2019年10-12月期の実質GDP速報値は、マイナス1.6%!(年率マイナス6.3%)と大きくダウン。2019年の過去3期は、0.6%・0.5%・0.1%と何とかプラスを保っていたのに、大きなマイナス。これは、日本経済に大きな痛手になります。

 

民間の最終消費支出は、実質マイナス2.9%ですからね。民間企業設備なんてマイナス3.7%ですよ!

 

ここに、新型肺炎による経済活動の一時停止が加わってきます。次の数字は、惨憺たるものになるでしょう。5,000億円の経済支援だけだと焼け石に水。

 

ここまで悪くなると、黒田日銀による金融緩和や政府による財政出動を考えなければいけないでしょう。政府が肝いりで進めてきた観光立国。いきなり、苦境に立たされた観光関係の企業に対して、明確な対策を打てるのでしょうか。もちろん、新型肺炎の感染拡大を防ぐことは大事。しかし、外国人観光客の入国全面禁止なんてことをすれば、人道的・経済的にアウトです。江戸時代と違い、簡単に鎖国はできないのです

 

そこで、またも期待される日銀の緩和期待。金融緩和は通貨安ですから、米ドル/円相場も円安期待が高まることになります。金先物をはじめ、国内の商品先物市場には、上昇要因です。

 

通貨安競争と商品先物

 

3.米国に資産が集中でドル高

 

中国の1-3月期GDP成長率は、3.5%まで減速するとの予想も出ています。中国経済の減速は、一国だけにとどまらず、繋がりの大きいドイツ経済への影響も大きい。影響度の小さい米国が、一人勝ちする様子が強まりました。

 


日本は、マイナス金利が続く中で、日本の投資家による外債投資は拡大。そればかりか世界中の投資家が米国にマネーを集中させており、米ドル高が実現しています。

 

日本経済悪化とインフレ

 

このような中、しばらく、円安トレンドが続く可能性があります。何しろ、日本の貿易収支は、赤字状態。2020年1月は、1兆3,126億円の赤字。大幅な貿易黒字による実需による円高は過去の話になりつつ。

 

そして、日銀および政府は、インフレ目標2%は、まだまだ遠いと主張しています。確かに、消費者物価指数も低いまま。2019年12月総合は0.8%。これ、統計のとり方が悪いと思います。

 

皆さん、どうでしょう。実質値上げや量や質を減らすステルス値上げ多いのではないでしょうか?

 

実生活で、感じるのは統計以上のインフレ。住宅・加工食品は、かなり値段が上がっていますし、サービス業や飲食の価格上昇は、顕著です。もしも、ラーメン価格指数でもあれば、ここ2年ほどで、2%どころか10%位上がっているのではないかと思いますよ。

 

つまり、今回の円安は、日本の景気後退や物価高を伴う性質の円安になる可能性があるということ。東京五輪年は、新型コロナウイルスの襲来に始まり、日本の南欧州化を告げるターニングポイントになるかもしれません。

 

その意図は、日本円からの逃避や財政不安が明らかになる日が近いということ。だからこそ、セオリーから外れてのゴールド買いが増えているのでしょう。


●東京金先物の月足チャート


円安金高で大幅に上昇した金先物相場の動きに注目していましょう。しばらく、株式・米ドル/円をはじめとした金融市場は、大荒れになりそうですから、ご注意ください。



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