金先物チャートを逆さまにしてみると米ドルはじめ通貨安が見えてくる

2020年7月3日 投稿

 

ついに、1800ドルのを超えてきたNY金先物。新型コロナ以降の上昇は、かなり早いスピードでした。

 

原油・穀物といった商品は、上がらない中で、金だけ上がる。これ、逆に言えば、金に対して、米ドルや日本円が安くなったと言い換えられます。原油や穀物で、インフレ(モノの値上がり)が起きていないため、気付きにくい現実ですが、米ドルをはじめ通貨の信認は薄れていると考えていいのではないでしょうか

 

金先物チャートを逆にするとこんなに通貨の価値が落ちている

 

米ドル建て金価格(NY金先物価格)の上昇とは、米ドルが安くなったということ。NY金先物チャートの価格を逆にすれば、それがはっきりと分かります。

 

●NY金先物/米ドルチャートの月足を上下逆に

金先物チャート米ドルが、大きく下落。

 

●東京金先物/円の月足チャートを逆にした図

東京金先物
日本円も大幅に下落。

 

上下を逆さまにしたチャートを見ると、米ドルも日本円も安い。これ、通貨が安くなったと考えるべき。金の新たな用途が見つかったわけでも、生産に問題が生じたわけでもありません。

 

米ドルや日本円など通貨の信認が薄れた理由

 

では、なぜ、こんなに、米ドルは、金に対して安くなったのか。そのきっかけを先ほどのチャートで見ると、大きく価格変化したところがいくつかあります。それが、米中貿易戦争と新型コロナウイルス。

 

かつて、米国及び米ドルが、ベトナム戦争で傷ついたように、中国の台頭による米国の地位低下&双子の赤字が背景にあります。さらに、新型コロナウイルスで、米ドルの供給を増やしたことが、通貨安の要因だと考えられます。

 

経常収支について

 

米国は、常に経常赤字を抱えており、為替レートは、下落しやすい宿命。しかし、基軸通貨である米ドルを持つ米国。決済や外貨準備のため、米ドルは買われます。そのため、経常赤字でありながら、強い米ドルを維持してきました。
米中貿易戦争は、双方にダメージ

 

しかし、米中貿易戦争の勃発は、米中双方にダメージを与えました。米国は、日本に続いて挑戦者となった中国に対抗するため、貿易戦争を仕掛けました。

 

IMD世界競争力ランキング2019
1.シンガポール
2.香港
3.米国
4.スイス
5.アラブ首長国連邦(UAE)

 

スイスのビジネススクールIMDの競争力ランキングでは、米国が3位(2019年)⇒から10位(2020年)に、中国が14位から20位に落ちています。

 

米中双方ともにダメージを受け、痛み分けとなるところに、新型コロナウイルス!

 

価値を失う現金及び通貨

 

今のところ、お金の価値が下がり、モノが上がるインフレは、起きていません。しかし、資産インフレという形で、金や株価が上昇しているのは、危ない兆候。金利も低く、現金の価値は、過去にないほど、弱くなっていることを知っておいた方がいいでしょう。

 

米国のみが、金融緩和すれば、他の通貨に対して、米ドルが下がってしまいます。しかし、コロナウイルスのため、先進国のほとんどで、金融緩和&財政拡大という通貨安政策を実行しました。そのため、大幅な米ドル安は、ゴールドに対してだけ起きています。

 

●米ドル/円の月足チャート:横ばいの中、じりじりと円高

通貨チャート

 


そして、金融緩和というお祭り騒ぎはいつか終わります。終わったときに残るのは、金融緩和&財政拡大で、じゃぶじゃぶになったマネー。しかも、デジタル通貨が世界中で発行されるようになれば、今以上に、通貨発行量を増やせます。(様々な規制やルール化はされますが)

 

そのため、今後、通貨がどうなるか、皆が心配しているところ。そのため、通貨安を先取りして、ゴールドが上昇しているわけですね。

 

プラザ合意など金融史上に残る大転換もありえる

 

アメリカは、第二次大戦後、保ってきた覇権国としての地位を失いつつあります。欧州や日本に比べて、強い国であることは確か。しかし、米ドルの基軸通貨としての地位は揺らいでおり、コロナウイルスで溢れた米ドルは、いずれ価値を下げるでしょう。すでに、金に対して、価値を下げているのは、見ての通りです。

 

2020年大統領選挙で、不利を伝えられるトランプ大統領。逆転の秘策を検討している可能性もあります。そのため、ニクソン大統領の金本位制廃止や双子の赤字に悩んだレーガン時代のプラザ合意のような一大転換もありえるかもしれません。そのことを予測しておいた方がいいと思います。



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