株式市場の守護神と化した中央銀行に逆らうのは危険な相場

2020年7月15日 投稿

 

現在の金融市場は、中央銀行に逆らえない相場。株式市場が、テクニカル的に買われすぎでも、中央銀行が、支え続ける限り、下がりにくい。さらに、ゼロ金利なので、金は上昇しやすく、原油や穀物など商品市場でのインフレは起きにくい相場環境にあります。

 

今の相場は、中央銀行に逆らえない

 

中央銀行は、コロナでダメージを受けた経済を支えるため、必死。金利を下げてマネーを供給する政策で、コロナで景気悪化にもかかわらず株価は上昇しました。

 

怖いシナリオは、中央銀行による市場コントロールが失敗したとき、ハイパーインフレや株式の大暴落が起こります。しかし、中央銀行に逆らうポジションを取ってもリスクが大きいだけ。FRB・日銀ともに、中央銀行の独立性・通貨の番人としての役目は弱まり、政府と一体化しての、株式市場の守護神としての立場が強まっています。これがどういうことかを説明します。

 

株式相場の守護神は、FRBをはじめとした中央銀行

 

新型コロナウイルスの影響で、先進国の中央銀行は、金融緩和をどんどん実行しています。そのため、GDPをはじめ実体経済は悪化しているのに、株式は上昇するといういびつな状態になっています。新型コロナで需要が落ち込んでいる中、景気を回復させる特効薬は、なかなか無いありません。なぜなら、いくら、お金があっても、売れなければ、企業は、商品を作りませんから。新型コロナに効く薬が、開発されるまで、経済は、以前の状態には戻らないでしょう。そのため、格差の拡大や株式バブルに目をつぶりながら、中央銀行は、マネーを供給して、株式市場を支えるしかありません。いわゆる国策相場を日米欧そして中国が実行しています。

 

●FRBのバランスシート:新型コロナの影響で、無限緩和を行い、中央銀行の資産は増加。7兆ドルを超える史上空前の資産に。拡大を止めれば、株価は下げやすくなる。

FRBのバランスシート
出典:FRB

 

低金利が続けば、モノの価格は上がりにくい。

 

政府と中央銀行が一体化して、マネーを供給し続ければ、インフレが怖いというのがセオリー。こちらの心配も近い将来にはなさそう。なせなら、政府も中央銀行も金利が上がると困るからです。本来、これだけのお金を供給すれば、インフレになりやすいのは事実。国債を大量に発行すると、国債価格の低下=利回り上昇に繋がります。しかし、日本は、低成長経済の元、運用難の家計と金融機関が、良い運用先が無いため、せっせと国債を買っています。米国債も、新興国リスクが、大きいことなどで、他の資産より買われやすい環境にあります。また、中央銀行自身が、債券を買うことで、金利を抑えることができます。そのため、金利上昇は、まだ先でしょう。

 

金利が上がらない状態を、ゴルディロックス経済と言います。もし、中央銀行が介入せずに、金利を市場まかせにすれば、金利は上がるでしょう。それは、借金の利払いが増えることになるため、耐えられなくなった企業や国は倒れます。そして、モノの供給不足が生じます。つまり、低金利を続ければ、低収益企業や赤字企業が生き残り、低価格競争となり、良くも悪くもデフレになりやすいのです。

 

ゴルディロックス経済とは

●コロナの影響で大幅ダウンした米経済。その反動で回復している経済指標もあります。

経済指標

 

金利が上がれば、借金で支払うお金が増えます。つまり、政府の抱える借金の返済金利も上昇しますし、これ以上の借金ができなくなります。そのため、政府&中央銀行の共同作業で、金利を抑えている状態が、今の市場。

 

かつて、ジョージ・ソロスをはじめとする金融市場は、イングランド銀行を負かしました。中小の国一つなら、市場は、中央銀行を負かすこともできます。でも、先進国すべての中央銀行を打ち負かすのは難しい。それゆえに、中央銀行に逆らってはいけないのです。

 

ゼロ金利が味方する金相場

 

では、いつまでも、この状態が続くのでしょうか。日米欧と多額の赤字を抱えて、永遠にこのままが続くとは、誰も考えていません。その不安を抱えているから、金が上がっているのだと思います。

 

いつか中央銀行の金融緩和は、行き詰まり、ハイパーインフレや新通貨の登場というドンデン返しが起こりうる。それに備えて、金銀を集める投資家が増えているということ。

 

2019年に、金の目標値2,000ドルの記事を書きました。遠かった価格は、もうすぐそこまで来ています。

 

でも、その日がいつ来るかは予想できません。いつか大地震が来るのと同じです。その日までは、中央銀行に逆らわずが、今のテーマ。そして、リスクヘッジのために、金を買うこともお忘れなく!中央銀行と通貨の負ける日はいつか来ます。



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