中国が、内需主導の「双循環」に戦略転換:日本バブルの二の舞or巨大市場誕生?

2020年8月17日 投稿

 

米中の新冷戦やベイルートでの爆発事件などから、貴金属相場は上昇しているのは、再三、お伝えしている通り。米中対立激化もその材料の一つです。

 

そして、中国の習近平国家主席は、世界の工場から内需主導の大消費国にチェンジする「双循環」戦略を呼びかけました。これの成否は、商品先物取引の各銘柄及び経済に大きな影響を与えることになるでしょう。

 

今回は、金融市場も夏休みムードの中、長期的な世界経済のお話として、中国の「双循環」を取り上げます。

 

米中の新冷戦への答えは、中国の双循環

 

 

米国と中国の対決=新冷戦について、米国優勢の見方が強いなか。中国が内需主導にチェンジすれば、世界情勢が変わります。中国勝利になるシナリオをご紹介。まさに、ピンチの後にチャンスあり。

 

●各国の経済指標:製造業購買担当者景気指数(PMI)は、回復トレンド。中国のコロナからの回復は早い可能性あり。日本は、まだまです。

コロナからの回復

もし、習近平国家主席の言う「双循環戦略」に成功すれば、米国に頼らない中国経済圏が成立。世界経済の成長を中国が引っ張ることになります。その過程で、米中対立の激化や日本を含めたアメリカの同盟国は、米中どちらを選ぶかの選択させられる場面も来ると思います。

 

 

もちろん、内需主導型経済への転換が、成功するとは限りません。

 

 

中国企業の株価や資産は、グローバルな市場で、商売ができる前提で組み立てられたモノ。欧米日豪などで、ビジネスが出来なくなれば、そのダメージは大きいはず。その分を内需で補えるかどうか。習政権がそうしろと言ったから、できるものではありませんよね。

 

日本は、内需拡大に失敗し、バブル経済化

 

 

過去、日本も対米貿易摩擦が、起きた時に、円高・市場開放・内需拡大の3つを求められました。この内需拡大・市場開放が上手く行けば・・・。日本は、自国で生産したものを自国で消費するとともに、海外からの輸入も増やして、貿易黒字を減らすという日米ウィンウィンの関係が築けたはずでした。

 

ところが、実際に起きたのは、バブル経済。金融緩和・円高・自由化の3つが揃った日本企業は、技術や生産への投資よりも手っ取り早く儲かる不動産投資に向かうことになりました。その結果、土地と株式が高騰し、今に続く失われた時代と日本衰退のタネとなったのです。

 

中国は、内需主導型の国に転換できるのでしょうか。

 

コロナによるパンデミックと米国の圧力に対して、中国の内需拡大路線はどうなるのでしょう。

 

どちらにせよ、世界的な不況・グローバル化の逆行・地政学リスクの上昇で、中国は、米国をはじめとした西側に頼る経済を続けることは出来ません。中国企業は、米国市場から締め出されかけており、欧州・日本市場には、米国の圧力がかかっています。ファーウェイに続くのが、TikTok ティックトック。

 

習近平国家主席いわく中国の持つメリット

 

  • 最大規模の工業・生産システム
  • 1億人以上の市場参加者
  • 1.7億人以上の高等教育を受けた人材
  • 4億の中間所得者を含む14億人の消費者

 

米国の人口3.28億人に比べても圧倒的な人口を誇る中国。この国の潜在的な消費力が解放されればどうなるでしょうか。世界の需要不足&デフレは一気に吹っ飛んでしまいます。

 

ただ、国内完結型の経済では、日本のバブル経済のようになりかねず。それを防ぐためにも、中国は、双循環を目指しています。世界への扉を閉ざすのではなく、外部に開放していく。それによって、中国経済と世界経済の統合を目指すのが、双循環の目的です。

 

米国が、米国ファーストによる保護主義。中国企業の排除を目指しているのに対して、中国は、逆に向かいます。中国経済を開放し、自由貿易区や港を建設し、巨大な消費市場を創設しようという壮大なプロジェクト。

 

●中国を中心に巨大な市場が生まれる可能性

中国同盟

 

日本が嫌々やらされた規制緩和・市場開放・内需拡大とは、人口が違います。1億数千万人では、世界の工場として成長した需要を吸収することはできず、バブルを生み出しました。中国は、14億人の消費者がいます。この巨大市場が米国のような一大消費国となれば、夢のような話ですね。中国経済とリンクする国々は、自国製品を中国に輸出して稼ぐことができますし、米中の2大国が消費国として並列することになると、世界の不安定リスクが減ります。パンデミックによる世界不況も改善して、各国の経済状況も改善するというのが、最善シナリオだと思います。

 

 




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