金で資産を持つ意味:脱グローバル化で、金は通貨の面を重視される

2020年9月4日 投稿

 

金は、商品=モノと通貨の両面を持った金属。今、商品としてより、米ドルやユーロ・日本円と並ぶ通貨の面が目立ってきました。それも、インフレや株価下落ヘッジなど資産のラスト・リゾートという金の強みが注目されています。

 

新型コロナショックで、金は、通貨としての面が強調されるようになりました。米ドルへの不安感や各国の財政拡大で、通貨安やインフレリスクが高まっているからです。

 

米ドルの通貨価値が揺らいでいるのは、以前にお伝えしている通り。

 

問題は、基軸通貨である米ドルにとってかわる通貨がないこと。そして、世界の国境をなくし、統一ルール化するグローバル化の逆回転。米国・EU・中国の三極を中心としたブロック化が進んでいます。これによって、金で資産を守る考えが当たり前になってきました。

 

金の新たな魅力

 

金で資産を持つ意味

 

米国と敵対している国で、多くの資産を持っている人を考えてみましょう。その方は、おそらく政府や企業の要人です。米ドルや米株式を持っていれば、いつ、取引停止や資産没収されるかわかりません。でも、自国通貨や資産だけでは、役不足。そうなると、どこの国でも使えるゴールドを持ちたくなりませんか。

 

米ドルの代替に人民元がなりえるか?

 

第二次大戦後、英ポンドから米ドルへの基軸通貨の移行は、スムーズでした。しかし、米ドルから人民元への移行は、うまく進まないでしょう。理由は、3つあります。

 

1. 中国の国力が、米国を圧倒せず、両国が拮抗している
2. 中国の経常収支が、黒字であり、世界全体に人民元を供給できていない
3. 規制が多く、貿易や決済等で使うときの使い勝手が悪い

 

通貨の中心=基軸通貨は、広く貿易・資本取引に利用される決済通貨・取引規制が少ない・売買しやすく流通量が多いという条件が必要。さらに、価格が安定していないと、保有リスクが生じてしまいます。

 

そのため、人民元が、米ドルの代替にはなりません。というより、米ドル一強基軸通貨時代から、複数の強い通貨がある時代へ変わりつつある時代だと考えます。

 

グローバルから地域(ブロック化へ)

 

米中貿易戦争と新型コロナウイルスのダブルパンチは、グローバル経済に大きなショックを与えました。効率を求めて、グローバル化してきた世界経済は、それでなくても格差という副作用が無視できないレベルまで広がりました。

 

これからは、脱グローバル化とオンライン化の動きが加速するでしょう。もし、米国大統領選挙で、バイデン候補が勝っても、この流れは、大きく変わらないと思います。米国民全体の意思として、中国と距離を置く方針は、示されていますから。バイデン候補の方が、中国に対して甘いと思いますが、それだけです。

 

米ドルの受け皿は、人民元・ユーロそして、金・日本円で補う。

 

今後、可能性の高いシナリオは、米ドル経済圏・人民元経済圏・ユーロ経済圏の3つを中心に・円・ゴールドなどで支える世界です。その中で、米ドルが最強であることは、今まで通りで、簡単には変わらないと思います。

 

●複数の通貨が並び立つ世界

通貨の世界

 

米ドルを、唯一の基軸通貨とする世界だと、取引相手ごとに通貨を用意する必要がありません。万一に備える外貨準備も米ドル(米国債)を積み立てておけば安心。グローバル化には、統一通貨や統一ルールがある方が楽ですからね。

 

しかし、今後の世界は違いますグローバル化からブロック化への移行です。米ドルだけを保有していると、米国と対立した時の金融制裁に対抗できなくなります。必然的に、ユーロや金を保有しておくことになります。そして、経済圏自体も内需中心のブロック経済型に変わっていく可能性が高いと思います。そのため、米ドルに加えて、ゴールドでの外貨準備を増やしておく必要があります。これは、国や中央銀行だけの話ではありません。巨大ファンドや資産家達もそのポートフォリォに金を加えはじめています。

 

新型コロナウイルスによる財政刺激策や通貨不安の流れが続く限り、金価格は、高値を続けると思います。目先は、ワクチン開発や米大統領選挙の材料出尽くしなどが、調整要因になりそうですので、お気をつけください。



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