株式バブルのなか、マイルドなインフレリスクに備えましょう

2020年9月15日 投稿

 

株式市場での調整が続く中、市場では、中長期的なインフレリスクが囁かれています。

 

FRBパウエル議長は、インフレ容認

 

FRBのパウエル議長は、2020年8月27日の講演で、インフレ率2%を一時的に超えても問題ないというインフレを認める発言を行いました。雇用と景気を重んじ、金融政策を低金利・量的緩和に維持するという考えで、その副作用として、少々、インフレになっても構わないという方針を打ち出しました。

 

中長期的な流れとして、世界経済は、デフレからマイルドなインフレに、変わりつつある動きが出ており、パウエル議長の発言もその後押しになりそうです。新型コロナからの景気回復期待。そして、世界各国の財政出動によるインフラ需要で、銅や亜鉛などの非鉄金属は上昇し、相場の過熱感も出てきています。

 

太陽光発電で銀ブームの時代が来る。この記事を書いた7月から、さらに銀先物は上昇しました。

●COMEX銀の月足チャート 2020/9/10

銀相場

 

さて、インフレといえば、商品先物の出番。もし、本当にインフレが生じれば、金だけでなく、原油・ゴム・穀物などが上昇していきますので、その値動きを見ておきましょう。


●WTI原油の月足チャート 2020/9/10

原油相場

 

今後の世界は、マイルドインフレになる可能性

 

新型コロナ直後は、需要が減ったために、デフレマインドが強まりました。今後は、コロナ対策による財政拡大の影響で、インフレを警戒すべきタイミング。そうはいっても、石油ショックのようなハイパーインフレではなく、マイルドなインフレになる可能性が高いでしょう。

 

インフレになる理由は、2つ。

 

1. グローバル化の終焉
2. 大きな政府による社会主義体制

 

この2つの理由により、これまで続いていた経済効率に重きを置くグローバル経済が変わっていくのではないかと考えています。新たな世界は、グローバル経済より、非効率ゆえに、供給不足が起きやすいため、インフレになりやすい環境と言えます。

 

グローバル化によるデフレ問題

 

なぜなら、グローバル化は、効率と低コストを求めて、分業を行う経済。自国よりも安い賃金の国で生産することで、生産コストが下がるため、デフレになります。さらに、その副作用として、先進国の中間所得層が減り、富裕層との二極化や格差が進み、問題が生じています。

 

この、グローバル化が止まれば、先進国への安い輸入品の流入・世界の労働者と競う必要がなくなり、デフレが止まる可能性があります。もちろん、少子高齢化による需要不足もあり、ハイパーインフレとはいかないと思いますが、今までとは、世界が変わったと考えるべきでしょう。

 

大きな政府によるほぼ社会主義

 

次に、世界中で、政府に頼る流れが強まっています。これは、大きな政府そして、社会主義に近いため、インフレ要因の一つ

 

格差拡大・新型コロナショックのダブルパンチは、政府に、大きな社会保障を求める動きに繋がりました。米国でさえ、民主党のサンダース候補が善戦するなど左派の勢いは侮れません。こうなると、民主主義国では、社会保障を拡大する動きを政策にしないと、選挙で勝てなくなります。

 

社会保障が増えるのは、一見、良さそうな話ですよね。しかし、社会保障の拡大は、大きな政府を求めることになり、補助金や半官半民の事業が増えることに繋がります。そして、社会主義のソ連が倒れたように、国による経済運営は失敗しがち。日本でも国営企業が、大量の赤字を抱えてしまい、民営化したのは、ご存知の通り。

 

つまり、社会全体の価格メカニズム・再分配が政府頼みに。国家が、社会のニーズに沿って、商品を生産する方法がうまくいかなかったのは、過去の歴史が証明しています。

 

こうなると、供給不足によるインフレ!

 

この動きは、今回が初めてではありません。産業革命もグローバル化を起こす原因になりました。その後、ブロック経済から二度の世界大戦が起きた時代は、脱グローバルの時期。そのため、現在の状況を大恐慌や第二次大戦に例えることが多いのです。

 

グローバル化で効率を追求すれば、富裕層と低所得層の二極化が起きてしまうことが分かりました。資本家と労働者の2極対立から共産主義革命が起きたのと同じ流れ。今回、起きているのもそれと同じと考えれば、左派・社会主義の台頭も読み取れますよね。

 

となると、今後は、ファンダメンタルズの動きとして、インフレ要素を考えていた方が良さそうです。今回の新型コロナによる中央銀行・政府による金融市場への支援は、もはや限界に近いはず。今、おっかなびっくりしながら、株式市場に資金を投じている投資家達も、商品先物に目を向けることになる10年が来るのではないかと思います。グローバル化による統合=効率化から、各経済圏による独自投資の時代です。

 

商品先物価格は、インフレとともに上昇していきやすい相場。そのため、インフレ率の上昇から資産を守るために、ベターな資産クラスタと言えます。石油・穀物・ゴムなどの商品価格が上昇しはじめれば、インフレの時代が始まったと考えましょう

 

デフレシナリオは、中国

 

逆に、最大のデフレシナリオは、中国。米国との貿易戦争激化などで、経済が急激に悪化して、人民元の大幅切り下げに動くと、デフレの再来になりかねませんから、そこには、注意が必要です。

●CBOT大豆の月足チャート:大豆の買付も米中貿易交渉の大きな争点。 2020年9月10日
大豆相場



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