ラニーニャ・エルニーニョ現象での異常気象と穀物生産の関係

2020年10月15日 投稿

 

2020年の秋、異常気象が起きやすくなるラニーニャ現象が発生したため、今後、穀物相場の値動きに影響がでる可能性があります。

 

ラニーニャ・エルニーニョ現象は、気象庁の予測精度があがり、正確に判断できるようになりました。普通に考えると、これらの現象時に、穀物相場の上昇を予想して、先物市場で、大豆やとうもろこしを買いたくなるところ。ただし、ラニーニャ・エルニーニョが発生したからといって、即、値上がりするというわけではありません。

 

さて、ラニーニャについてです。これは、太平洋の赤道域から南米沿岸にかけての海水温が、平年より低い状態が続くこと。反対に、海水温が、平年より高い状態が続くことをエルニーニョと言います。

 

◆過去のエルニーニョ及びラニーニャ現象

エルニーニョとラニーニャの発生時期
出典:気象庁


この現象は、数年に一度発生し、海水温の影響で、雲や風雨の動きが変わるため、世界各地に、異常気象が生じる可能性があります。

 

●エルニーニョ:スペイン語で、小さな男の子。意味合いとしては、幼子のイエス・キリスト。海水が高水温状態。

●ラニーニャ:小さな女の子。海水が低水温状態のこと。

 

今回のラニーニャは、2017-18年以来の三年ぶり。日本の気候にも影響し、夏は暑く、冬は寒くなる傾向があります。今年の冬は厳冬かもしれません。これを予測して、売れそうな商品やサービスを考える(株を買う)のもありですね。ただし、相場と同じく天気も当たるかどうかはわかりません!

 

そして、このラニーニャとエルニーニョは、とうもろこしや大豆など商品先物市場にも大きな影響を与えます。干ばつや洪水などが、穀倉地帯で起きてしまえば、穀物の生産は、減少し、値上がりすることになりますからね。

 

ただし、エルニーニョやラニーニャ=大暴騰ではありません。それによって、異常気象が生じ、生育に問題があれば、値上がりします。

 

◆CBOT大豆価格:月足チャート 2020年10月9日

CBOT大豆

上昇しつつある大豆。2021年の作柄次第で、大幅な値動きの可能性も!

 

独立行政法人農業環境技術研究所と独立行政法人海洋研究開発機構の研究チームの調査結果では、穀物の種類によって、生産量が違うことがわかっています。

 

・とうもろこし・米・小麦は、エルニーニョ・ラニーニャで平年収量を下回る傾向。
・大豆は、エルニーニョ年に、平年収量を上回り、ラニーニャ年は、平年並。

 

エルニーニョ/ラニーニャと世界の主要穀物の生産変動との関係性を解明

 


ということは、ラニーニャの年は、とうもろこしの収穫量と価格について、特に、注目しておいた方が良さそうです。

 

◆CBOTコーンの月足チャート

コーンの月足

2009年夏から10年春にかけてのエルニーニョ。2010年夏から2011年春のラニーニャ現象で。とうもろこし価格は、大幅に上昇し、穀物の大相場となりました。

 

さらにもうひとつ。商品先物取引所のCMEグループは、1959年以降のエルニーニョとラニーニャが、穀物価格に与える影響を調査しています。そして、エルニーニョが発生した場合は、商品価格は上昇しやすく、ラニーニャ現象時は、価格が下落しやすいという結果を公表しています。

 

●エルニーニョ:一年度の大豆価格は、16.9%上昇。とうもろこしは、13.2%上昇。
●ラニーニャ:一年後の大豆価格は、-10.6%、とうもろこしは、-4.2%の下落。

 

過去、エルニーニョやラニーニャは、穀物の先物市場に、大きな影響を与えました。CMEグループの調査結果によると、1972年や1982年に起きたエルニーニョは、農産物価格に大きな影響を与え、大豆は90%、トウモロコシは、60%の大幅上昇。(インフレ調整後の価格)。近年は、遺伝子組み換え作物などによる農業技術の進歩などで、災害に強くなったとはいえ、やはり、作柄に異常気象は脅威です。


このまま、ラニーニャ現象が強まり、世界各地で、異常気象が起きてくれば、上昇トレンドを描きつつある穀物相場の強気が増してきます。ハーベストプレッシャー(収穫期の下落相場)を乗り越えていく可能性もあります。そして、米国産穀物の作付けや受粉期にあたる春から初夏にかけて、洪水や干ばつが襲いかかれば、大相場に発展するリスクもありますね。

 

逆に、ラニーニャ現象がおさまるか。穀物の生育に適した気候が続く可能性も当然ながらあります。前回のエルニーニョ・ラニーニャ(2017から2019年)にかけての値動きは、過去に比べて小さいものでした。今回もそうなるかは、これからの気候および市場から投機資金が流れ込んでくるかにかかってきます。金融緩和の影響で、金余りムードが強い中ですから、穀物相場に注目しておきましょう。



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