新型コロナと米大統領選挙のスキを突く中国の台湾攻勢リスクを想定しておこう

2020年11月5日 投稿

 

新型コロナウイルスのダメージは、中国よりも欧米の方が大きいことは事実。中国の数字は当てにならないとはいえ、経済の回復度合いから見る限り、欧米よりひどい状態とは思えません。このスキをついて、中国が台湾周辺への攻勢に出る可能性があります。そうなると、金先物が、大きく動き出すことになります。

 

中国は、新型コロナの混乱のなか、台湾攻勢を狙うリスクあり

 

台湾侵攻リスク

新型コロナは、中国発祥で生物兵器や研究していたウイルスが漏れ出した人災との噂もある中、感情的に許せないという流れが、世界で起きる可能性大。欧米の怒りは、中国に向くでしょう。自国は、新型コロナの影響で、多数の死者が出て、経済もボロボロなのに、当事国の中国は、平気な顔をしているわけですからね。

 

ならば、先手必勝と考えるのが普通。米大統領選挙という権力の空白と混乱が起きる状況は、台湾・日本などアジアの地政学リスクを高めることになります。台湾有事など場合によっては、金価格が大きく上昇する可能性もありますので、金先物を売買する上で注意が必要です。

 

新型コロナウイルス被害で、欧米の怒りは中国に向く

 

欧米のアンチ中国の動きは、これから本格化していくのではないかと思います。

トランプ大統領は、新型コロナウイルスを「Chinese virus」と呼び、中国に圧力をかけています。もし、トランプ大統領に変わり、バイデン候補が大統領になっても、中国への厳しい視線は大きく変わらないでしょう。経済だけでなく人権の面でも、欧米と中国の利害は、一致しなくなっています。

 

それを象徴するのが、欧州の中国離れ。2020年8月31日、チェコのビストルチル上院議長が、台湾を訪問して、「私は台湾人だ」と宣言しました。これは、米ソ冷戦時代、分割されたベルリンにおいて、ケネディ元米大統領が、「私はベルリン市民だ」と演説したのと同じです。旧ソ連の攻勢にさらされるベルリンを必ず守ると宣言したのと同じく、欧州も台湾を守ると宣言したのと同じ意味を持ちます。

 

そして、ドイツのマース外相は、「インド太平洋地域がドイツの外交政策の優先事項である。強者の法ではなく、ルールと国際強調が大事」との声明をだして、中国をけん制しています。

 

新型コロナから回復し、攻勢を強める中国

 

これに対して、新型コロナから立ち直りつつある中国も攻勢を強めています。欧米からの圧力を覚悟している習近平主席は、10月13日、軍部に対して「戦争に備えよ」と激を飛ばし、万が一の武力衝突すら視野に入れているほど。今、金先物のトレーダーは、地政学リスクに警戒を強めるべき状況です。

戦争リスク

 

過去を振り返ると、前述のケネディ元大統領に対し、経験不足と若さを侮ったソ連が、米国の裏庭キューバに核ミサイルを配備し、キューバ危機が起きたことを思い起こします。

 

米大統領選挙で、勝者がはっきりと決まらず、権力の空白が生じた場合。そして、バイデン候補が当選したときは、政権の交代での混乱期が危険です。その時に、中国が、何らかの仕掛けを行ってきても、米国は、手を出しにくくなります。欧州が、実力で中国を排除する力はありませんしね。

 

もっとも危ないのが、11月3日の大統領選挙から来年1月20日の大統領就任日。新大統領次第で、混乱が長引く可能性あり。

 

習近平政権は、歴代の政権以上の成果を上げるために、台湾併合を大きな目的と考えているでしょう。欧米を中心とする自由主義側としては、香港をなし崩し的にとられているため、台湾は譲れない線。しかし、中国が、台湾に電撃侵攻しても、新型コロナが流行し、選挙で必死な米国に止める手立てはありません。対中感情を悪化させつつあるとはいえ、欧州単独で、中国に立ち向かうのは無理な話。ここは、中国が、この機会を逃してくれるのを祈るばかり。中国の覇権リスクについて

 

実際の作戦としては、台湾が実効支配する東沙諸島の奪取や台湾海峡の封鎖などが考えられます。

 

さらに、新型コロナで傷ついた世界は、中国の支援を必要としており、香港・台湾などの問題で、中国が強硬姿勢を打ち出してきた場合、譲らざるを得ない状況に陥るかも。6月の国連人権理事会では、港国家安全維持法について、53カ国の途上国が中国を支持。

 

欧米の戦略は、中国打倒より共産党打倒にシフト

 

これに対して、米国のトランプ政権は、戦略として、対中国ではなく、対共産党という形で、中国国内から火が上がるのを期待。しかし、この戦略は、中国の国内外で不満が溜まってこそ成功する方法。新型コロナ後の経済で、中国が好調であるならば、この戦略もうまくいかない可能性があります。

 

米ドル・ゴールドと通貨をめぐる激闘

 

◆NY金先物チャート:2020年10月30日

ゴールドチャート
※ただし、テクニカル的にはNY金先物週足チャートの形は、あまりよくありません。

 

そうなると、米国の武器は、米ドル。諸刃の剣ではありますが、米ドルを使わせない・米国及び同盟国の中国資産を没収という禁じ手をちらつかせる可能性。それに。中国側は、デジタル人民元&ゴールドで対抗。現時点では、米ドルを完全にシャットダウンされればキツイので、時間稼ぎをしながら、デジタル人民元の導入とゴールドを集めるという方法。

 

米ドルが、米中の駆け引きに使われるなら、相対的に浮上するのがゴールド。これからしばらくの間、中国による台湾侵攻や台湾への圧力強化といった強行政策のシナリオがありえるため、突発的な事件によって金が買われる場合。そして、一時的なポジション整理による金売りが出るリスクあり。特に、米大統領選挙で、権力の空白が生じた場合は、最大の警戒が必要。

 

しばらく、台湾侵攻やアジアへの圧力強化などに備えて、リスクオフによるポジション調整の動きと有事の金買いシナリオが起きる可能性を検討しておくこと。この心配は杞憂に終わることを願います。

 



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