穀物・天然ゴムがじわりと上昇。しかし、新型コロナウイルスが大流行すればデフレ圧力。

2020年11月13日 投稿

 

2020年大統領選挙は、バイデン候補が当確。

 

2020年、最大の注目だった米国の大統領選挙は、バイデン候補が当確となりました。とはいえ、まだ、決定したわけではありませんので、ご注意ください。ホワイトハウスは、選挙について調査と訴訟を行うというトランプ大統領のメッセージを掲載しています。

 

バイデン候補の当確に対する最初の反応は、金利低下・株高。その後、長期金利が上昇しつつあるのは、気になるところ。

 

これは、大統領・下院が民主党、上院が共和党とねじれそうで、財政拡大などの思い切った手段が取れなくなるため、株式市場に味方したという判断が有力。なぜなら、政治が、中途半端な分だけ、またまた、中央銀行=FRBの緩和政策に期待するしかないから。これを予想して、長期金利低下と株高に動いたということです。民主党=財政拡大でインフレがどうなるかは、まだこれからの話し。

 

新型コロナウイルスの影響で、物価が動く

 

新型コロナの影響で、景気ダウン・デフレ圧力が強まっています。一方、民主党は、財政拡大でインフレが起きやすいのではという市場予想もあります。商品先物取引は、インフレを示す指標の一つですし、様々な銘柄の状況で、確認しておきましょう

 

すでに、商品先物市場は、金などの貴金属だけでなく、穀物や天然ゴムも上昇しています。それでも、経済全体が、インフレになっていないのは、なんといっても原油安や景気悪化が原因。

 

●日米のインフレ率推移

日米のインフレ率◆2019年のインフレ率
●米国:1.81%
●日本:0.47%

 

日米ともに、インフレ率は低いレベルにとどまっています。米国は、1990年以降のインフレ率は、5%以下で安定しており、物価の安定という目標は達成。日本の場合、物価が上がるインフレよりも、物価が下がり続けるデフレに悩まされています。

 

インフレ目標は、2%が基準

 

国際的に、物価上昇率は、2%が良いとされており、先進国の中央銀行は、この2%を目標に、金融政策を行っています。物価目標を統一することで、為替相場の変動も少なくなり、物価も安定します。デフレ経済では、企業や家計が、リスクを取らずに、行動が消極的になるため、売上や消費が落ち込む悪循環が起きる。

 

日銀の黒田総裁は、2%が最適なことを3つの理由で説明。

 

1. 消費者物価指数は、物価の上昇率が高めになる傾向=上方バイアスがある
2. 景気が悪化した時に、金融政策の余地。つまり、金利引き下げの「のりしろ」を確保しておきたい。
3. 2%が、世界的な基準。過去の経験から物価安定を実現させるには、2%程度が良い

 

商品先物市場では、上昇している銘柄が多い

 

現在、商品先物取引で、価格が上昇している銘柄がいくつか見られます。代表的なのは、金を中心とした貴金属。それ以外にも、大豆などの穀物や天然ゴムが上昇トレンド。

 

●CBOT大豆月足チャート 2020年11月9日

CBOT大豆


中国の豪雨・洪水被害により、穀物生産の不作が囁かれており、トウモロコシや大豆の国内市場価格が上昇。海外からの買付を増やしていることから、米国産大豆やトウモロコシも上昇。中国による豚肉買い付けについて

 

天候面では、ラニーニャによる異常気象に対する警戒が強まっています。新型コロナウイルスの蔓延による生産・流通の混乱も不確定要素としてあるため、来年は、世界的な不作・穀物相場の高騰があるかもしれません。ラニーニャ・エルニーニョについて

 

●天然ゴムの月足チャート(ゴムRSS3号)

天然ゴムのチャート

新型コロナウイルスによる需要減少は、天然ゴム市場にも影響。自動車販売の落ち込みからタイヤに使うゴムの需要は、落ち込みました。しかし、中国の自動車需要の回復で、ゴム市場も回復。さらに、ラニーニャによる東南アジアの大雨は、ゴムの生産・集荷にダメージを与え、供給減少に陥りました。今後も、タイでの反政府デモ、新型コロナウイルスによる感染者数の増加で、ゴムの生産に支障をきたす可能性があります。

 

●WTI原油の月足チャート

WTI原油


新型コロナウイルスの影響をまともに受けているのが原油相場。ロックダウン・移動制限などで、経済・エネルギー需要が大幅に落ち込みました。夏から秋にかけて、ようやく回復したものの、今冬に起きそうなコロナ流行の第二波・第三波を考えると、原油価格が下押しするリスクが高そうです。ワクチン開発が進んだり、新型コロナウイルスの流行が終われば、下げた分だけ、上向きになるのではないかと思います。

 

●銀先物の月足チャート

COMEX銀



新型コロナウイルスによる経済の落ち込みにあわせて、2020年はじめの銀市況は下落。その後、金の上昇によって、金銀比価が割安になったこと。金融緩和が続くことで、実物資産の銀への資金流入も起きて、上昇トレンドに切り替わりました。バイデン大統領と銀ブームについて

 

インフレ圧力を左右する新型コロナウイルスとその対策

 

新型コロナウイルスの流行が、止まらずに、各国でロックダウンが多発していけば、経済及び商品市況にもデフレ圧力がかかります。

 

逆に、新型コロナウイルスの流行が止まる・効果の高いワクチンが開発されるなどがあれば、ストップしつつある経済が復活することで、インフレ圧力。11月9日に米製薬大手のファイザーが発表した開発中のワクチン。なんと90%以上の人の感染を防ぐことができるとのことで、株式や原油が大きく上昇しました。なお、ワクチンの効果が高く、提供がしやすければ、コロナにおびえることがなくなるため、大きな方向転換になるでしょう。

 

今後、各国政府や中央銀行がどこまで、財政拡大や金融緩和を行うかが注目です。もし、米国大統領選挙で、民主党が完全勝利をしていれば、財政拡大による景気刺激策の方向がありえましたが、当面、あいもかわらずのFRBに期待になりそうです。

 




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